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いまどき政策金利を8%に引き上げる国

 日曜日だというのにブログを読んで頂き、ありがとうございます。

 7月も最終週に入ったというのに、どうも天気がはっきりしません。猛暑にも参るのですが、だからといってまた梅雨時のような天気になっても…

 ところで、本日は、ある国の金融政策について考えてみたいと思います。ある国といっても、小国ではありません。日本人なら誰でもよく知っている国です。

 その国が今回、政策金利を0.5ポイント引き上げて8.0%にしたというのですが、その国とは一体どこの国でしょうか?

 全くヒントを出さないというのもなんなので、3択にしましょう。

 (1)中国 (2)オーストラリア (3)ロシア

 さあ、如何でしょうか? まだ、ヒントが必要ですか?

 実は、この国は、最近世界から大変注目を浴びているのです。それも悪い意味で…

 はい、答えは、(3)のロシアです。

 ロシアは7月25日、政策金利を7.5%から8.0%に引き上げることに決定したのです。因みに、中国の政策金利はこの2年間ほど6%の水準にあり、また、オーストラリアの政策金利は、昨年の8月に2.5%に引き下げられて以降変わっていません。

 では、何故今ロシアは金融を引き締める必要があるのか?

 普通、金融を引き締めるときというのは、インフレが懸念されるような場合ですが、ロシアはそれほど景気が良いのでしょうか?

 そうではないのです。景気が良すぎて過熱感があるというのではないのです。

 では、何故景気が過熱してもいないのに政策金利を引き上げるのか?

 答えは、ロシアの通貨であるルーブルの価値が下がっているからです。或いは、資本がロシアから逃避していると言った方がいいかもしれません。つまり、資本がロシアから流出するので、ルーブルの価値が下がり、そして、ルーブルの価値が下がるので、この先インフレが酷くなることも懸念されるのです。

 では、何故ロシアで資本の逃避が起きているのか?

 それは、そもそもクリミアの編入という問題でロシアと欧米社会が対立していたなかで、今回、マレーシア航空機の撃墜事件が起き…そして、ロシアに対する制裁が強化されそうになっているからです。

 いいでしょうか?

 ロシアの金利が高くなるということは、内外の金持ちからすれば、ロシアのルーブル建ての資産で資金を運用すればよりハイリターンが期待されるということで、資本逃避を防ぐ有効な手段になり得るということなのです。

 つまり、今回のロシアの金利引き上げは、欧米に対するロシアの対抗策と理解すべきものなのです。

 さて、ここまで分かると、日本の安倍総理の経済政策に関するちぐはぐな考えが明らかになるのです。

 日本は、異次元の緩和策を実行中であるということは誰もがよくご存じのことだと思うのです。デフレからの脱却が最優先課題なのですよね。私は、そのような政策を支持しませんが、取り敢えず超緩和策を採用していることが意味のあることだと仮定しましょう。
 
 でも、超緩和策というかゼロ金利政策などを採用するということは、ある意味、海外のお金持ちに対して、円や円資産を買うようなことをしない方がいいと言っているようなものなのです。そうでしょう? だから、アベノミクスのスタートとともに円安になったのです。

 しかし、同時に安倍総理は、海外の資本を日本に呼び寄せることが必要だと散々言っているです。外資を呼び込むために特区を設けるとも。

 おかしいと思いませんか、この発想。

 円安に誘導したいがために、円を買うなと言いつつ、日本市場に参入してくれ、と。日本市場に参入するということは、即、円買いということなのです。

 ですが、どうしてこのように金利が低い円に、海外の投資家が魅力を感じることなどあるでしょう?

 そうでしょう?

 ゼロ金利政策どころか量的緩和策を続けるなかで、海外のお金持ちが日本に投資することを期待するなんて、矛盾しているのです。

 そもそも、日本がこのような超緩和策を採用することがなかったならば、外貨預金であるとかFX取引がこんなに盛んになることもなかったでしょうから。

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