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家事労働ハラスメント、略して家事ハラ

家事ハラという言葉は、もともとこの本の著者が生み出したもので、「家事ハラ」を、家事労働の蔑視・無視・排除といった嫌がらせ(ハラスメント)と位置づけている。

ところが、この家事ハラという言葉が気に入ったらしい旭化成が、夫の家事に対する妻の心ない一言という意味で使い出してしまった。

このコマーシャルに現れている一言シリーズに対する評価は、偉そうなことを言えた立場ではないが、共働き世帯における家事労働の対等な分担という発想が根底にあるわけではなさそうである。

このくらしノベーション研究所>共働き研究所のウェブページには、色々と興味深い記述がたくさんあるのだが、例えばスゴカジパパとチョイカジパパのページなどを見ると、実に微妙である。

世代が若くなると、家事をお手伝いの域から分担の域にまで達するほどに引き受けている夫が多くなるとしつつ、全体的に多数派はまだまだお手伝い程度しかやらないチョイカジパパだとし、以下のように結論づけている。

そんなスゴカジパパが多数派になってくれれば、女性の負担が減って社会進出の機会がもっと増えそうですが、そこまではまだ至っていないのが現状です。言いかえれば、現在の多数派である「チョイカジパパ」を住まいで応援することができれば、イマドキ共働き夫婦をサポートすることにも繋がります。

これが、上記のビデオの言いたいことで、いわゆるチョイカジパパの存在も是認しながら、それを応援しようというわけである。

これは戦略的にはありそうなところであって、政府のワークライフバランス政策や男女雇用均等政策などでも現実の性的役割分業を前提にした政策でないと効果が上がらないという事情から、特に働く妻の労働時間短縮を実現しようとするわけだ。

しかし、そうした前提を受け入れてしまっては、何時までたっても家事は女性が、働いていても専業主婦でも女性がやるものという社会構造が変わらないし、かえって定着する方向にもいきそうである。

ここにはジレンマがある。

その点は難しい問題だが、いずれにしても、家事ハラという言葉が上記書物の著者の意図と異なる内容で使われ、宣伝に使われていることに著者が怒ることは理解できるのである。著者が要求している「正しい家事ハラの意味を伝える再現ムービーを制作し、これもホームページで公開すること」というのは、あっても良いのではないか。

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