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不適切発言に言論規制は議会改革へ逆行  新城市議会の対応に疑問

愛知県新城市議会で、少子化対策として「婚姻届を出す夫婦に、穴の開いたコンドームを配ってはどうか」と本会議の一般質問した議員の発言と議会の対応が波紋を広げている。不祥事が続く地方議会。現状で安穏としていてはならない実例となりそうだ。

当初の問題となったのは、6月18日の本会議、一般質問で再質問のさい上記を発言した。理由は『堅いイメージのある市役所を明るくしてはという思い』(中日新聞2014年7月18日)だったという。
 この発言を聞いた同じ議会の議員が自らのブログで記したことから多くの人が知ることになった。

 そして新城市議会が全員協議会を開催。問題の発言をした議員から謝罪があり、所属する委員会の委員長を辞任し責任を取る形となった。議会としての処分は、今後、政治倫理審査会を開き検討するという。

 このことだけであれば、これまでにもあった不適切発言の対応として、同列となるのかも知れない。議員辞職はしないとしているので、次の選挙で有権者が議員として適切なのかを判断することになる。

 最も問題なのは、この発言から議会としてブログなどの発言を規制するルールを作ろうとしていることだ。
 全員協議会で『「公職の立場にありながら、議会で問題提起する前に、自らの主観を表に出すのはいかがか」「個人名を挙げるなら相手に通告するなど配慮すべきだ」と発言。他の市議数人も同調し、ブログやツイッターで発信する際のルールを何らかの形で設けることを、長田氏を除く十七人の市議の間で賛成多数で申し合わせた】(中日新聞2014.07.24 朝刊)となってしまったことだ。

 当初の問題質問は議会での発言で議事録に残る公式な発言だ(おそらく議事録を削除するだろうが)。正式発言ではないヤジとは次元が異なる発言なのだ。
 自らの責任において発言したものであり、この発言に対して議会が不適切か否かを判断することは当然のことだが、公式の場で発言した事実を伝えるブログなどについて発信するルールを作ろうという発想自体が次元の違う大きな問題で、このことが、議会の不信感を招く本質の問題なのだ。

 それは、本当のことを伝えようとすると嫌がる議員が多い、伝わらないほうがいいと考える議員が多いということだ。おそらく、普段から自らの支援者に言っていることが違っていることが分かってしまうことで困ると考えているのだろう。

 当事者ではないので、新聞報道などで情報を知るのみだが、あえて書かせてもらう。
 事実と違うことを書いているのなら問題だが、公式発言を書くことのどこに問題があるのか。
 自らの主観を表に出してはならないとなると、議員はいったい何をするのだろう。議員を選挙で選ぶのは、その議員の主観、考え方が大きな判断材料になるはずだ。それも否定することになる。

 
■何をしているか分からない、いてもいなくても同じが地方議会か
リンク先を見る 

 私が事務局長をしているローカルマニフェスト推進地方議員連盟と政治山とで地方議員についての印象などをインターネットで緊急アンケートを行った(※)。
 このなかの設問に「地方議員の印象」との項目があり、1位が「何をしているか分からない」(56.1%)。2位が「いてもいなくても同じだ」(34.9%)だった。
 このことを打破するために、武蔵野市議会をはじめ多くの地方議会では情報の公開や議会報告会などの議会改革を進めている。もし、規制をするとこの流れと逆行することになりそうだ。
 このようなことはあってはならない。議会の不信感がより深まるだけだ。地方議会全体として大きな懸念材料となったのは事実だろう。


※アンケート結果は、7月30日の「マニフェストサミット」で公表予定。回答数は約1000件。今回の図は速報値で先の議連定例会で示された資料から作成

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