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産経新聞に学ぶ「捏造」記事の作り方~福岡市は原発事故で滅亡する

自分の都合の良い結論に導くために、事実をねじ曲げ、印象操作し、どのように「捏造」記事を書いたらよいのか、産経新聞がとても上手なので、紹介しよう。

・大ウソつきの記事誘導見出しをつける
7/24のmsnのトップページにこんなニュースの見出しがあった。

「原発ゼロ」なら国内工場壊滅も

すごいですね!原発ゼロなら国内工場壊滅だって!よくここまで平然とウソをつけるなと驚いてしまう。
まともなビジネスマンで「「原発ゼロ」なら国内工場壊滅」という見出しを、もし信じてしまう人がいるなら、今すぐビジネスマンをやめた方がいいだろうけど、せめて大手メディアがここまでウソつくなら、スポーツ新聞とか週刊誌を見習い、せめて、

「原発ゼロ」なら国内工場壊滅か?!

という「?」ぐらいつけてほしいもの。

で、この「捏造」記事の中身がすごいんです。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/140724/biz14072411520009-n1.htm

記事の中身を要約すると、福岡にある従業員52人の工場が、原発停止のせいで、電気料金が値上がったために苦境に立たされており、「原発ゼロが続いたら、多くの工場が国内でやっていけなくなる」
と結論づけている。

中身をみるとまあひどい作文。まるでオレオレ詐欺か悪徳金融商品を売る、セールストークのような構成になっている。
この工場が苦境に立たされているのは、原発ゼロのせいだと締めくくっているのに、苦境の原因であるコスト増は、原料である鉄スクラップ価格が10年で7割上昇したと書かれている。
あれ?原発関係ないじゃん。ところがここで大ウソをつくための作為的なデータで補強する。

「平成23年3月の東日本大震災以降、電気料金が高騰した」
「工場の今年6月分電気料金は430万円。震災前の22年6月分は307万円で、4割も上昇した計算になる」

さて、これを読んで、「4割も上昇したなんてやっぱり原発ゼロのせいじゃないか!」と思う人は申し訳ないけどよほどのバカである。読者はバカだから簡単に騙せると産経新聞の記者は思っているのだろうか。

このデータの取り方、明らかにおかしい。
単純に電気料金が307万円から430万円で4割増えたといっているが、電力使用量が同じにもかかわらず、4割増えたらなコスト増で大変なことになるが、この記事で書かれているように、「アベノミクスによる景気回復効果で受注量が伸びた」とするなら、生産量が増えて、電気の使用量も増えた可能性がある。
つまり電気料金が4割も増えた!と書いているが、単に受注量が伸びて、電気の使用量が増えれば、電気料金は増えるに決まっている。
こうしたことにふれずに電気料金が4割も増えたと印象操作をしている。こんな記事、まともな企業が書いたら、株主から経営責任を問われかねない、風説の流布的な虚偽情報だ。

しかも電気料金の比較がなぜか6月分を比べていることも謎。 震災前の1年間の電気料金総額と、震災後の1年間の電気料金総額を比べるならまだしも、なぜか6月という1ヵ月分の電気料金だけ比較している。
ここにも「捏造」の匂いがする。わざと電気料金の差が大きい月だけを比較した可能性があるからだ。
でもそもそも先に指摘したように電気料金の総額を比較しても何の意味もない。電力使用量が変わっている可能性があるからだ。比べるなら電気料金の単価を比べる必要がある。

こうしておかしな比較データによって、「電気料金が震災前に比べて4割も上がった!」「原発ゼロのせいだ!」「多くの国内工場が壊滅する」ととんでもない虚偽情報を流している。

ちなみにこの記事を見るとわかるのだが、電気料金が値上がりしたならその分、価格に上乗せすればいいのだが、「他社製の部品は値上がりしませんが」と取引先から断られているという。
原発ゼロうんぬんではなく、この工場が単にコストが高く、他社に比べて劣っている可能性もあるのだが、

「原発ゼロ」なら国内工場壊滅も

という見出しをつけてしまうからすごい。

そもそももうとっくに多くの工場は海外移転している。それは原発うんぬんはまったく関係ない。そんなことはまともなビジネスマンなら知っているはずだ。

なぜ原発とは関係なく国内の工場が減っているのか。
1:日本の人口が減少し、少子高齢化で需要が見込めないから
2:日本のバカ高い人件費を払うより、中国、ベトナム、インドネシア、ミャンマーなど、東南アジアの工場で作ればコストが安くできるから
3:今後成長する東南アジア市場に工場があった方が、そのままそこの国で売れるから

これが「国内工場壊滅」の理由であって、原発ゼロが主因ではない。

こうした状況にもかかわらず、産経新聞は、「いまだに感情論丸出しで非科学的な「反原発」がはびこる。」「原発ゼロが続いたら、多くの工場が国内でやっていけなくなる。子供や孫の世代が将来働く場所が減り、中国や韓国に出稼ぎにいくことになるかもしれない。それが『子供の未来』なんですかね」と結論づけている。

申し訳ないけど、産経新聞のこの記事の方がいかに非科学的か。何が何でも原発再稼働ありきの提灯記事どころか詐欺的記事を書いて、反原発を非科学的とはなんとも恥ずかしい新聞社だ。

ちなみに首都圏のみなさんは猛暑でこの夏暑くて大変だと思うが、ご存知のとおり、東京電力管内では原発は一基も動いていない。
で、今年7月の電力実績はどうかというと下記の図の通り。
リンク先を見る
見ての通り、余裕。80%前半がほとんどだ。今年の夏は冷夏ですか?暑いですよね?原発一基も動いていないのにこの電力の余裕っぷりだ。
http://www.tepco.co.jp/forecast/html/calendar-j.html

福島原発事故で何が起きたのか、未だにわからず、平然と「捏造」記事を仕立て上げる大手メディア。
ちなみにこの記事では、九州の川内原発だけでなく、玄海原発も早く動かせとの論調だが、玄海原発から福岡市中心部までの距離はわずか55㎞。
50㎞といえば、先日ニュースであったように、原発がれきの撤去作業をしただけで、通常の6倍もの放射性粉じんが飛散するという距離だ。玄海原発で事故が起きたら、福岡市が死の町になる可能性は十分高い。

産経新聞では「九州から原発が消えてよいのか?」とシリーズ記事を展開しているが、「原発再稼働で福岡を消滅してもよいのか?」というタイトルの間違いではないかと思う。

それにしても福島原発事故が起きたにもかかわらず、ここまでひどい記事を平然と書き、ポータルサイトのトップニュースに載せられる神経がすごい。
くれぐれも自分の都合の良い結論に持っていくための「捏造」記事を書く際には、産経新聞のような、あからさまにひどい詐欺的論法は辞めるようにしたい。

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