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かかりつけ医制度への疑問

大病院にいきなり行くのを止めさせようというので、厚労省は「かかりつけ医制度」を推進する方針だとか。その一環として、大病院の初診料を大幅にアップするそうだ。しかし、疑問がある。

わが家は近くの診療所(個人の開業医)と大病院を使い分けている。京都という街は非常に便利で、大病院が近い。かかりつけの診療所も、わが家の場合、歩いて2分というところか。ちなみに歯医者は向かいにある。しかも、診療所の信頼度も悪くない。だから使い分けができると思っている。

前に住んでいた国分寺(最寄り駅は国立)周辺にはまともな診療所がなかった。風邪で行くと、「熱がもっと出るまで直らない」と言いながら薬を出してくれたらしく、家内があきれていた。ある新しい診療所は、購入した設備の稼働率を上げるためにか、軽い病気なので必要がないにもかかわらず、あれやこれや検査しまくるらしかった。

僕の体験でも、会社の健康管理所をはじめとして、効かない薬しか出してくれなかった。ある時など、健康管理所に40肩(正確には50肩)で行くと、レントゲンを撮ってくれた。そのすぐ後、「変な影が写っていた」というので、撮り直しになった。確かに棒のようなものが写っていた。「何やこれ、誰もそんな棒なんか持ってへんで」というところだ。要するにヤブかジャングルか、そんな医者しかいなかった。一般の市民と大差ないやんというところだ。

その点、今行っている診療所は初期の風邪にちゃんと効く薬を出してくれる。症状に応じて出してくれる薬も微妙に異なっている。この事例から言うと、かかりつけ医制度を確立したいのなら、ちゃんとした医者を育てないといけない。医者になった後の定期的な研修も重要だろう。ついでに言うと、老人の医者に診てもらいたいとは、余程信頼関係がないかぎり、思わない。

また、かかりつけの医者がいたとしても、「この症状は普通と違う」と感じた時には、いきなり大病院に行きたいと思う。レントゲン等の設備が普通の診療所には完備していない。診療所がカバーしている範囲外の病気について、それが明らかなのに、紹介状がないと非常に高い初診料が必要と言われると困るのではないか(ゼニがかかったとしても、大病院に行くが)。それに、どうせ大病院を紹介してもらうことになると思いながら、一度診療所に行くのは無駄足である。(制度を考えた役人とは違い)こっちは病気なわけだし、趣味で病院回りするわけでない。

ある医者のブログを読むと、大病院にもヤブがいるので、かかりつけ医に適切な大病院の医者を紹介してもらうのが望ましいと書いてあった。しかしこれは、かかりつけ医の質が高いことを前提にした議論である。そこが怪しいから、いきなり大病院に行って一発勝負する方がいいのではと思ってしまう。

脅かしておくと、家内の友人は乳がんのため、60歳で亡くなった。それは診療所が発見してくれなかったからである。「最初から大きな病院に行くべきやったんや」と、今でも家内は友人のために悔やんでいる。

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