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原子力発電を巡る世界の動き ~ 日本だけが“脱原発”するメリットはどこにあるのか?

先のブログ記事の続編。経済産業省・総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会(第1回)で提示された資料には、示唆的なものが幾つも掲載されている。
 
 日本における今後の原子力政策を検討する時、単に日本国内で“脱原発”を目指せば良いというわけではないことの根拠の一つが、下の資料1~3で明示されている。即ち、原子力発電を巡る世界的な動きだ。

 原子力に関する直近の位置付けは、G7サミットやIPCCで提示されている(資料1)。それは、例えば原子力発電に関する将来見通し(資料2)とも連動している見方であると思われる。

 世界各国の電源構成から世界全体の電源構成をマクロで見れば、明らかに石炭偏重となっている(資料3)。これを今後、地政学的リスクや地球温暖化リスクを重々踏まえながらバランス良い電源構成に移行していくには、原子力と天然ガスの活用促進が柱となるであろう。

 こうした世界情勢からしても、日本だけが“脱原発”するメリットを見出すことはできない。しばしば話題になるドイツは、“脱原発”をしてはいない。2022年までに脱原発を達成するために原子力法の改正を行って各炉の廃止時期を設定しているに過ぎない。現在9基が稼働中し、電力供給の2割弱を占めている(資料3)。

 ドイツ政府は、“脱原発”を決定・宣言してはいるが、その実、“脱原発”を実行しているわけではない。日本政府がドイツ政府から見習うべきは、こうした国内外に発信している政治的強かさだ。原発全基停止などという愚挙は、どこの国もしていない。事故先例国である米国も旧ソ連も、同様だ。


<資料1>
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(出所:経済産業省資料

<資料2>
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(出所:経済産業省資料

<資料3>
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(出所:経済産業省資料

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