記事

「企業がみんなに話してもらいたいこと」と「みんなが話したいこと」は違う

ソーシャルウェブとマーケティングについて考えてます。

「企業がみんなに話してもらいたいこと」と「みんなが話したいこと」は、多くの場合違います。よく考えれば当たり前ですが、見失いがちで、力強い事実だと思います。

僕が関わっている「エイズ孤児支援」の問題なんかは分かりやすいです。

僕たちNGOサイドは「エイズ孤児」という問題について皆さんに語って貰いたいわけですが、そんなことは起こりえません。「エイズ孤児」という言葉を皆さまの口から発してもらうことは、本当に難しいです。

そこで僕たちは「2010年ワールドカップ(エイズ孤児の多いアフリカで開催)」「父・母(孤児問題なので)」「エイズ」などのキーワードと絡めて、皆さんにアプローチすることになります。前回のキャンペーンでは、一日に発生するエイズ孤児の数「6000」をキーワードに設計しました(うまく「エイズ孤児」にまで到達できたかは、難しいところですが…)。

というわけで、非営利のマーケティングにおいては、頭を捻りながら「関連性」を演出する必要があります。とはいえ「エイズ孤児」はやっぱりかなりハードなので、現時点では「代表・団体そのものの魅力」を皆さまの関心を獲得する力にしています。NPOではこのパターンが効果的だと実感しています。

あとはクリエイティブで話題にさせちゃう、なんてこともできます。僕が大好きなのは、イギリスのNGOが仕掛けた、リアルな「うんこ」のラジコンが人々を追いかけるソーシャル・プロモーション

「NPOが話したいことをみんなが話してくれるわけではない」ということは、企業のマーケティングにも言えるでしょう。

ですが、こと企業のソーシャルメディアマーケティングとなると、明らかに誰も話題にしてくれないようなことを、人々に話させようとするというトラブル?をしばしば見聞きします。

僕の前職である半導体を例に考えてみます。

「HD画質での録画ができる最新チップ」を開発した時に、特にエンジニアの方々は「HD画質で撮れる」ということを人々に話題にして欲しがるものです。プレスリリースなんかもそうした文脈で書かれます。

ですが、僕たち消費者はそもそもHD画質が何かも分かりません。自分の友達に「あの会社がHD画質で撮れるチップを開発したらしいぞ!すげぇ!」なんて話はしません。

こうした場合、例えば実際の動画や写真を見せながら、「有名人の毛穴まで撮れるチップを開発した」という見せ方をしたらどうでしょうか。人気のある女優なんかを絡めれば、上手く広がる可能性はあると思います。

「毛穴まで取れる」という文脈では、本当に伝えたかったこととは違うかも知れませんが、結果的にプロダクトの素晴らしさは伝わります。

皆さまが「伝えたいこと」は、「人々が話してくれること」でしょうか。
切り口を変えて「関連性」を演出したり、クリエイティブなアイデアで話題化することはできないでしょうか。

この記事が何かのヒントになれば幸いです。

そして「エイズ孤児問題」を上手く人々に語って貰えるアイデアがあれば、ぜひ教えてください!

トピックス

ランキング

  1. 1

    アダルト分野で素顔を晒す是非

    工藤まおり

  2. 2

    吉本芸人は謝罪文をこう書くべき

    永江一石

  3. 3

    彼女の生理日を知りたい男性9割

    工藤まおり

  4. 4

    よしのり氏「小室家は被害者」

    小林よしのり

  5. 5

    徴用工問題避けたい文政権の本音

    文春オンライン

  6. 6

    闇営業横行を断罪できぬ芸人たち

    たかまつなな

  7. 7

    銀行員のジーパン勤務OKに大賛成

    川北英隆

  8. 8

    殺人恐れひきこもり 男性の復活

    不登校新聞

  9. 9

    宗男氏 枝野氏の趣旨弁明に苦言

    鈴木宗男

  10. 10

    よしのり氏「安保破棄してくれ」

    小林よしのり

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。