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- 2014年07月20日 11:17
マレーシア機撃墜を巡るソ連との関係
今年は何度かヨーロッパに行かなくてはならず、てんてこ舞いとなっており、更新の間隔もかなり空いてしまいまことに申し訳ありません。そういう意味でも他人事ではないのがマレーシア機の撃墜事故で、いろいろ思うことがあったので、これについて少し。
こうした行為が許されないのは当然で、結果犯人を見つけなくてはならないわけですが、親ロシア派が威嚇行為を行い、国際的な調査を妨害していると報道されています。
ウクライナ国内の話なので、一義的にはウクライナ政府の責任という話にもなりそうですが、ロシア側から援助が行われているとの報道もあるので、そうなるとロシアがそれなりの責任を果たし、少なくとも調査には協力すべきという意見が起こるのは当然かと思います。
何度か書いているように、私はこの世には「真実」などは存在せず、問題は如何に真実らしく見せるかだと考えているので(領土問題における「真実」らしさの重要性)、今回のロシア側の行動は十分、自分に嫌疑が及ぶこととなっていると思います。
共同通信の翻訳記事のようですが、アメリカはロシアに対して一層強い姿勢をとることとなるが、プーチン大統領の秋の訪日を控え、日本はアメリカ・ロシアの間で難しいかじ取りが迫られるという記事です。
確かに、北方領土問題・中国への牽制などの必要からロシアとの関係悪化は避けたいところですが(ロシアに対する制裁と各国のジレンマ)、私は記事にあるように二国のうち1つを選ぶという、そこまでの話にはならないと思っております。
というのは、今回当面問題となっているのが、ロシア側の調査に対する消極的な姿勢で、これについては、おそらく早晩国際世論の関係で、それなりの解決(改善)を見ると考えます。
そして、犯人が見つかるかどうかですが、うやむやのままとなる可能性が1つ、仮に親ロシア派の勢力ということになったとしたら、私はロシアはその段階で、その勢力を切り捨てれば良いだけかと思っています。
ある程度翻訳して紹介できれば良いのですが、時間がないので、本当に概略だけを紹介させてもらうと、国際対立が激化すると1983年の大韓航空機撃墜や、1988年のイラン航空機撃墜事件の様に、今回と類似の事件が起こっている。
そのため、今回の最大の問題は国際対立が激化していることであり、一方的にロシアを批判するだけでは問題の解決とならず、必要なのは、世界に安定を平和をもたらすことだとしています。
正論といえば正論であることは間違いないのですが、当面の問題解決とはかけ離れたもので、中長期的解決策と、短期的解決策をごまかして提示し、相手を煙に巻く典型となっております。
日本がロシア・アメリカどちらにつくかという話を提示しておりましたが、これは中国は明らかにロシア側についている論となっているのがいろいろ興味深いと思った次第です。
そういう意味で、国際政治的にはこんなところかと思いながらも、実際事故にあわれた遺族の方のことを思うと本当に他人事ではなく、いろいろな感情が湧いてこざるを得ず、犠牲になられた方には心より冥福をお祈り申し上げます。
1 犯人捜し
これについては、ロシア側とウクライナ側が互いに責任を押し付けあっている状態で、犯行グループも特定できていません。従って断定的なことを述べるつもりはありませんが、どうもロシア側に分が悪いようです。こうした行為が許されないのは当然で、結果犯人を見つけなくてはならないわけですが、親ロシア派が威嚇行為を行い、国際的な調査を妨害していると報道されています。
ウクライナ国内の話なので、一義的にはウクライナ政府の責任という話にもなりそうですが、ロシア側から援助が行われているとの報道もあるので、そうなるとロシアがそれなりの責任を果たし、少なくとも調査には協力すべきという意見が起こるのは当然かと思います。
何度か書いているように、私はこの世には「真実」などは存在せず、問題は如何に真実らしく見せるかだと考えているので(領土問題における「真実」らしさの重要性)、今回のロシア側の行動は十分、自分に嫌疑が及ぶこととなっていると思います。
2 ロシア叱責
その結果、西欧諸国を中心にロシアに対する批判が起こるわけですが、『環球網』が「日对俄外交或将面重大抉择 面临美俄二选一难题」という興味深い記事を掲載しておりました。共同通信の翻訳記事のようですが、アメリカはロシアに対して一層強い姿勢をとることとなるが、プーチン大統領の秋の訪日を控え、日本はアメリカ・ロシアの間で難しいかじ取りが迫られるという記事です。
確かに、北方領土問題・中国への牽制などの必要からロシアとの関係悪化は避けたいところですが(ロシアに対する制裁と各国のジレンマ)、私は記事にあるように二国のうち1つを選ぶという、そこまでの話にはならないと思っております。
というのは、今回当面問題となっているのが、ロシア側の調査に対する消極的な姿勢で、これについては、おそらく早晩国際世論の関係で、それなりの解決(改善)を見ると考えます。
そして、犯人が見つかるかどうかですが、うやむやのままとなる可能性が1つ、仮に親ロシア派の勢力ということになったとしたら、私はロシアはその段階で、その勢力を切り捨てれば良いだけかと思っています。
3 中国
他に、いろいろ興味深かったのが、『環球時報』が掲載していた「马航客机被击落,这就是战乱」という社説です。ある程度翻訳して紹介できれば良いのですが、時間がないので、本当に概略だけを紹介させてもらうと、国際対立が激化すると1983年の大韓航空機撃墜や、1988年のイラン航空機撃墜事件の様に、今回と類似の事件が起こっている。
そのため、今回の最大の問題は国際対立が激化していることであり、一方的にロシアを批判するだけでは問題の解決とならず、必要なのは、世界に安定を平和をもたらすことだとしています。
正論といえば正論であることは間違いないのですが、当面の問題解決とはかけ離れたもので、中長期的解決策と、短期的解決策をごまかして提示し、相手を煙に巻く典型となっております。
日本がロシア・アメリカどちらにつくかという話を提示しておりましたが、これは中国は明らかにロシア側についている論となっているのがいろいろ興味深いと思った次第です。
4 最後に
かなり他人事のように書いておりますが、先に書いたように、今回の事故の翌日のフライトで家族がフランスに出発しており、正直このニュースを見たときは、本当に大丈夫かと思ったものです。そういう意味で、国際政治的にはこんなところかと思いながらも、実際事故にあわれた遺族の方のことを思うと本当に他人事ではなく、いろいろな感情が湧いてこざるを得ず、犠牲になられた方には心より冥福をお祈り申し上げます。