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事故調査委員会による検証が必要です―日本復興計画その2

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本当に想定外だったのか



当事者たちが、今回は「想定外」だったことをあげて責任がないかのように主張していますが、それは本当なのでしょうか?

1. 2009 年6月、電力会社が実施した耐震性再評価の中間報告を検討する経済産業省の審議会で、岡村行信委員(産業技術総合研究所活断層・地震研究センター長)が、 869年の貞観地震あるいは1500年頃に巨大津波が襲った記録があるのに、東電が安全対策で、大津波の危険度について全く触れていないのは納得できないと指摘しました。しかし、報告書案では「想定内」とされ、福島原発の耐震構造は今のままで問題なしとされました。周知のように、明治にも大津波の記録があります。

2. 2006年の衆議院内閣委員会で、吉井英勝委員が、原発で非常用電源が失われた時にどのような事態に陥るかについて執拗な質問を行ったが、当時の原子力安全委員長の鈴木篤之氏は安全性が確保されていることを強調し、何もしてきませんでした。

3. 東京電力は2006年の国際会議で行った報告書で、50年以内に10m以上の大津波が来る確率を1%以上と見積もっていました(4月24日付朝日新聞)。さらに2007年7月に米フロリダ州マイアミで行われた国際会議では、原発専門家チームが、福島原発で発生と原発への影響を分析、発表した英文のリポートだ。9メートル以上の高い津波が来る確率を約1%かそれ以下、13メートル以上の大津波が来る確を0.1%かそれ以下と見積もっていました(3月30日付けロイター)。一方、東日本大震災において、福島原発以上の津波に襲われたと考えられる東北電力の女川原発は、海面から約15メートルの高さに建設され、 3基の炉がすべて自動停止し冷却状態にあります。

4. 2007年の中越沖地震による東電の柏崎刈羽原発事故が起きる前年に、「原発の耐震指針」が25年ぶりに改定されていました。しかし、東電は敷地の眼前にある断層を精査せず、実質的にバックチェックを怠っていました。原子力安全委員会も原子力安全・保安院も、これを厳しくとがめていません。

5. 過去に、おびただしい数の事故隠しが起きています。福島原発に限っても、2002 年に事故隠しが暴露されて、翌2003年には点検のために運転停止に追い込まれました。その後も、昨年6月17日に実は福島2号炉は誤作動で電源遮断、水位低下が起こっていました。原子力安全・保安院は大きな問題とは考えず、原子力安全委員会は東電発表後も全く議論せず、6月24日の会議で3号炉のプルサーマル燃料導入を決定してしまいました。もちろん他にもたくさんの事例はあります。たとえば、批判を無視して再稼働した高速増殖炉もんじゅは、昨年8月の事故で燃料棒が交換できずに制御棒で反応を止めるしかない状態のままになってしまいました。

6. 福島県の学校校庭の年間被曝許容量を20ミリシーベルトとしたのはなぜなのでしょうか。通常時の原発作業員と同じ基準を子供に適用してよいのか、なぜ原子力安全委員会は会議を開いて議論しなかったのでしょうか。

電力改革が不可欠です



① 事故調査委員会による過去の原子力行政の検証に基づいて、今後の原発のあり方を決めていくことになります。原発を直ちに全廃できない以上、原発を作る側(電力会社)と認可する側(経済産業省・資源エネルギー庁)とチェックする側(原子力安全・保安院)が「一体化」している体制を改革する方策を考えなければなりません。

1. まず、経済産業省出身者による電力会社幹部への天下りは禁止すべきです。

2. つぎに、政権交代前の2006〜08年に、電力会社の役員による自民党の政治資金団体『国民政治協会』への献金は多額に上ります。企業献金の抜け道も封じないといけません。

3. 経産省は、原子力安全・保安院を通じて規制をかける一方で、外局の資源エネルギー庁が原発振興策をとっているのは、どう見ても異常です。原子力安全委員会も含めてチェック機関の独立性を確立すべきです。

4. 原子力学会や電気学会の会長や重要な役職に電力会社の役職員がつくのも止める必要があります。また土木学会原子力土木委員会津波評価部会は、委員にアンケートとって平均値で決めていいかを議論しているみたいです。しかも地震学者は少数派で、ほとんど原発関係者です。こうしたあり方も見直すべきでしょう。

②そのうえで、原発依存を減少させるためには、再生可能エネルギー中心に発電事業への新規参入を促すことが重要です。そのためには、

1. 発電と送配電を分離し、発電は自由化し、送配電は統合してスマートグリッドを促進しなければなりません。

2. あわせて、再生可能エネルギーへの全量固定価格買取制度の本格導入で、投資を呼び込む電力改革も必要です。

3. そして原発は国有化し、新設は停止し、既存の原発について総点検したうえで必要な安全投資を行わなければなりません。

4. 毎年3000億円も投じられている原発の開発費、そして電力会社の天下り先になっている原子力環境整備促進・資金管理センターに溜まっている3兆円に及ぶ積立金は賠償に廻すべきです。

いまやドイツ、イタリアなど次々と原発建設計画は凍結されつつあります。その一方で、日本の農産物だけでなく、工業製品も輸出業者や輸送会社から放射能検査と安全証明を求められるようになっています。原発事故の処理が長引き、責任も曖昧にされ、情報隠しの不透明さやゴマカシが続けば続くほど、日本製品の安全性や高品質への信頼がますます揺らいでいきます。今回ばかりは、「のど元すぎれば、熱さを忘れる」は世界に通用しません。

なのに、電力改革を含め、いまだに原子力を含む将来のエネルギー政策の方向性が一向にはっきりしません。何より世界の技術の最先端に向かって、日本が変わったというメッセージを海外に強く送り出すことが不可欠です。

後戻りせず、前に進もう。

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