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F-35追加取得と新型強襲揚陸艦 防衛省の買い物は子供の軍オタと同じレベル

防衛相、強襲揚陸艦の導入検討 対中国抑止力を向上
http://www.47news.jp/CN/201407/CN2014070801001009.html
F-35追加取得検討もあり得る
http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/kyodo-2014070901000944/1.htm

 計画なき、あるいは思いつき調達&アメリカ様から言われたから買います的な調達はもうやめましょうや。

 まともな国あれば、F-35にしてもまず、平成何年ぐらいまでに中国に対する航空優勢が確保できなる、だから平成何年度までに2個飛行隊分を、調達し、戦力化する。そのための総額はいくらになりますという計画が出されます。
 これを議会ではかって、予算が付くわけです。その過程によって計画に見直しもあるわけです。

 ですが、我が国では2個飛行隊の整備っていつできるの?
 で、プログラムにいくらかかるのって、小野寺さんですらわからない。国会議員は誰も知りません。

 ことにF-35ではコンポーネントの生産比率、その輸出比率すら未だに公開されていない(たぶん決まっていない)。
 調達単価は勿論、初度費(追加費用がなんでもかんでも初度費にブチ込まれて、何年も、何度でも初度費が要求されるわけですが)の総額も分からない。
 それで安いの、高いのって、どうやって判断するのでしょうか。
 防衛大臣の発言としてあまりにスザンです。

 以前一緒に出演したテレビ番組で、森本前防衛大臣も調達達成と、総額も知らなかったわけです。
 で、彼はそれのどこが悪い、とおっしゃいました。配備が延びれば、F-4を地上に留め置けばいくらでも耐用年数は伸ばせるからOKだと。

 でも、それって中国の脅威なんか無いと言っているのと同じです。
 防衛省という役所には時間の観念がないらしい。


 AAV7の調達も同様です。本来4年かけて、APC型4輛+指揮通信型、回収型の6輛で行う使用試験を行い、その結果で調達するかしないかを決定するはずでした。
 ところが「アメリカとの意見調整」によって、実質APC型2輛だけで形だけの試験を半年で終わらせる。AAV7を入れるか入れないか決める前から、おおすみ級3隻全て、LCACすべてAAV7の運用のための改修を行っております。

 アメリカ様にAAV7を買え、と命令されたのでしょうか自分たちが必要か否か、考慮することなく「本社」から押し付けられた設備投資を決めたわけです。

 恐らく来年度の予算ではAAV7の予算が要求されるでしょう。
 つまりはアメリカに言われるままに調達を行う。
 まるで合衆国の州軍です。

 憲法解釈を見直すことは結構ですが、こういう対米隷属体質で本当に米国からの派兵を断れるかどうかは甚だ疑問です。


 こういうのが「戦後レジームからの脱却」らしいです。

 揚陸艦にしても、水陸両用部隊の概要すら決まっていなのにどうやって仕様や調達数を決定するのでしょうね。 AAV7にしても52輛で終わるのか、3個連隊分調達するのは不明です。
 また我が国はLSTなど、LCAC以外の揚陸艇も殆ど無い。これは文谷数重氏が「軍事研究」に書かれている通りです。

 本来揚陸すべき装備や人員、どのような作戦を行うかという想定を行い、それに添って揚陸艦、LST、LCAC、C-CATなどのポートフォリオを決定すべきです。

 水陸両用戦闘の様相はここ10年ほとで大きく変わりつつあるのに、陸自は他国の水陸両用部隊の現地調査すら全く行なわず、米海兵隊を見よう見まねをしようとしています。
 できるのは古い時代の米海兵隊の劣化コピーでしょう。

 リサーチにカネをかけずに、新しい玩具を欲しがるのは当事者能力の欠除です。

 そういえば、既存の陸自の戦闘服やブーツは水陸両用戦に向かないようで、新規開発が検討されているようですが、既存のメーカーは付き合わないようです。こんなのも何を今頃、という話です。

 これまた今そこにある危機を無視しているように見えます。陸自が想定しているのは宮古島や沖縄本島の奪回とかあまり現実的ではないシナリオで、尖閣などの小ぜりあいは無視しているように思えます。

 現状まず備えるべきは、小競り合いでしょう。
 であれば、特殊部隊の投射能力の確保や、16DDH、24DDHを使って可能な兵力展開を前提とした装備を早急に備えることが必要です。また併せて想定されるシナリオに沿った揚陸艦や揚陸艇の整備計画の策定です。

 であれば仮にAAV7を調達するにしても1個中隊分ぐらいで十分です。AAV7を52輛も調達してもそれを輸送する手段が存在しません。戦力化したAAV7は遊兵化します。

 ここ5、6年の間にどのようにして南西諸島における中国の脅威=小規模紛争に対する抑止力、対処能力を獲得しようという意識が無いようです。
 10年でも20年でも相手が待ってくれると思っているようです。
 今そこにある危機とは中国ではなく、防衛省と政治家たちの危機感と当事者意識の欠除ではないでしょうか。

新しい防衛航空宇宙専門サイトを始めました。
「東京防衛航空宇宙時評・Tokyo Defence & Aerospace Review」
http://www.tokyo-dar.com/

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NEW<海上自衛隊のシーレーン防衛はフィクション>日本には戦時に守る対象となる自国の商船隊が存在しない
http://japan-indepth.jp/?p=6994

<バーバリーと三陽商会>ファッション業界「ライセンスビジネス」の怪
http://japan-indepth.jp/?p=6198
<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052

<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
NEW国連加盟は憲法違反である
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014061900005.html?iref=webronza

国益のために国内ヘリ産業を潰すべきだ
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014051200007.html?iref=webronza

ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html

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