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日本分子生物学会理事長声明への補足

日本時間では金曜日の午前中に、三たびの日本分子生物学会理事長声明が発信されました。これは「理事長」からの発信として、「理事会」すなわち20名の理事すべてにお諮りした上で発出されているものではありませんが、研究倫理委員会や執行部の方々のチェックを受けた上でのweb掲載という意味でオフィシャルなものと思っております。他の理事からの声明についても順次HPに掲載される予定です。若干補足をしておきたいと思います。削った文の主なポイントは以下になります。
(第二段落)報道関係者が今でも多数訪れる結果となっているこのような状態は、発生再生研究センターで日々研究を行う、当該論文とはまったく関係のない研究者にとって適切な研究環境とはいえません。
(第三段落)の研究不正問題の背景には、適切な学位審査を含む研究者育成システムについての問題などもありますが、ここまで研究コミュニティー以外が巻き込まれたのは、論文発表当初に不適切な記者発表や過剰な報道誘致が為されたことに原因があり、それらは生命科学研究の商業化や産業化とも関係していると考えられます。多数の生命科学系研究機関を擁する理化学研究所が日本の重要な研究組織として世界に誇れる存在であることは、それらの研究機関に所属する多数の日本分子生物学会会員にとっても、それ以外のさらに多くの会員にとっても極めて重要な問題であると思われます。
前者は、Nature論文筆頭著者が再現実験を開始したことにより、普通の研究不正対応ではありえないような対応がなされ、そのことによって多数の報道関係者が研究所を訪れるであろうことを危惧してのコメントです。また後者は、背景としての学位審査の問題や、近年の生命科学研究の商業化、産業化について言及しており、特許申請についての疑義も含めてコメントに加えたかったところですが、極力、論文不正についてにしぼったコメントにするために省きました。改めてブログで取り上げたい事項です。

現在のCDBの環境については、高橋政代リーダーの発言も内情を反映したものと思います。
STAP細胞巡り理研を批判 iPS臨床研究の高橋氏 - 朝日新聞デジタル

以下も最近の参考記事です。
毎日新聞記事:STAP論文:12年サイエンス審査時 ES細胞混入指摘

ともあれ、これまでの調査委員会の報告に加えて、各種の報道を勘案すると、再現実験に科学的な意味を見いだせない、というのが分子生物学会の立場であるということになります。

日本人には頼朝より義経を贔屓にするメンタリティがありますが、今回のケースはそういう構図ではないと思います。

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