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AirbnbとUberとYelpを使ってNYを旅して思ったこと

■いろんなものを静かに覆していくような力を持った「便利さ」

一週間ほど、ニューヨークに行ってきました。古くからの友人に会ったり、いろいろ充実した旅行だったんですが、そのことは置いておいて。

今回の旅は、別にそれを目指していたわけではないんだけれど、結果的にホテルもタクシーもガイドブックも一切使わない旅行になったんです。代わりに使ったのが「Airbnb」と「Uber」と「Yelp」。どれもアメリカ発でここ数年で急速に拡大したP2Pな宿泊仲介サービスと配車サービス、そしてソーシャルな口コミのサービス。それがほんとに便利で、つくづく世の中変わったなーと思った。最近は日本でもサービス展開してるので知ってる人も多いかと思う。というか僕もそれで知った。それぞれ公式サイトはこんな感じ。

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使ってみての率直な実感は、端的に、すごく便利だった。そして、それはただ便利なだけじゃなくて、それは従来の仕事のあり方や「公=パブリック」というものに対しての感覚や、いろんなものを静かに覆していくような力を持った「便利さ」であるように感じた。それぞれサービスの分野は違うけれど、AirbnbもUberもYelpも、どれもソーシャルネットワークとスマートフォンが普及した環境を前提として成立している。インターネットが単に情報を伝える「メディア」としてではなく、「生活」のレイヤーで物事をドラスティックに変えているのを実感するような旅だったわけです。

■Airbnb――「旅の恥はかき捨て」じゃない

で、まずはAirbnbについて。一言で説明すると、「家の短期レンタル」ということになる。ちょうどニュース記事でも紹介されてました。詳しい仕組みはこちらを。

大進撃AirBnB、「家の短期レンタル」合法化へ : ジョブサーチ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

http://www.yomiuri.co.jp/job/entrepreneurship/watanabe/20140627-OYT8T50038.html

サイトに掲載されているのはホテルや旅館ではなくて、一般の人の住居。そこをルームシェア感覚で使わせてもらう。一軒まるまる借りるパターンとか、一部屋だけとか、ソファーだけとか、いろんなパターンがあるけれど、僕が泊まったのはアパートメントの一室でした。こんな感じ。

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マンハッタン、タイムズスクエアから徒歩7〜8分ほどのフラット。ツインベッドにトイレとバスルームとキッチンのついた、広めのワンルーム。2名で一泊14000円ほど。現地の友達に話したら、あの場所でその料金で借りられるのは破格だという。

初めて使ったのでちょっと不安だったけれど、かなり快適に過ごすことができた。もちろん、あくまでルームシェアなのでホテルみたいなサービスを期待するのは筋違い。でも、僕が貸してもらったところはホストと同居じゃなくて一軒まるまる貸し出しだったから、コミュニケーションに気を遣うこともなかった。やろうと思えばその辺のスーパーで肉とか野菜買ってきて料理して食べたりすることもできるし、現地の人の暮らしに近い滞在になる。

基本的にはホストもゲストも顔写真と実名を明かしていて、そのプロフィールがFacebookやLinkedinにも連結しているので、そのことが信用の担保になる。もちろんトラブルの可能性は考えられるけれど、少なくともどんな評価がたまっているのかはホストのプロフィールを見れば明らかになる。そしてもちろんゲストの側も何かトラブルを起こしたらマイナスの評価がつく。「旅の恥はかき捨て」という諺は成立しなくなるわけだ。

※追記・Airbnbはニューヨーク州を含め現状多くの州では違法状態だという指摘がありました。上のニュースでもある通り、ロビー活動の真っ最中という感じのようです。その辺りは下記も参照。

シェアリングは持続可能か迷惑行為か?Airbnbとニューヨーク係争の行方 (田中めぐみ) - 個人 - Yahoo!ニュース

http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakamegumi/20140523-00035590/

■Uber――ドライバーの「感じのよさ」

そしてUberについて。これもニュースになってました。

世界のタクシーを壊滅させるUber 「俺たちの仕事がなくなる」と猛反発 (1/7ページ) - SankeiBiz(サンケイビズ)

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/140629/mcb1406290700001-n1.htm

ただ、これもP2Pのタクシーサービスなんだけれど、ニューヨークだと一般の人が自家用車に客を乗せるいわゆる“白タク”ではなく、ちゃんとハイヤーのライセンスを持った人が運転してくれるみたいだった。

アプリを立ち上げると、GPSで地図上に現在地が表示される。そこをタップして「配車する」ボタンを押すと、やってくる車の車種とナンバー、ドライバーの名前が画面に表示される。数分後にタクシーがやってくる。名前を訊かれるので応えると乗せてくれる。ドライバーにもこっちの名前や携帯番号が伝わっているので、こっちが車が到着したのに気付かないでいるとSMSや電話で連絡かかってくる。支払いはアプリ上で登録したクレジットカードから引き落とされる。ボッタクリのようなことはないシステム。

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(普通のタクシーは目立つけどUberのハイヤーは目立たない)

料金はタクシーよりやや高めなのかな。使ってみて何より実感したのは、ただ便利なだけじゃなくて、ドライバーのほぼ全員「感じがいい」ということ。これは100%そう。土地柄かと思ったけれど、空港からのシャトルバスとか、間違えて乗っちゃった別のタクシーの運転手がちょっと横柄な感じだったことを考えると、やっぱりこれはUberならではだと思う。おそらく「ドライバーの本名がサービス利用者に伝わっている」こと、利用者が運転手をレーティングできることが理由だと思う。びっくりしたのは、ウェルカムドリンクとしてペットボトルの水を置いてるドライバーが(それも複数)いたこと。「飲んでいいの?」って聞いたら「サービスだよ〜」と言う。見知らぬ土地でこの安心感はホントに嬉しかった。

東京に戻っても俄然Uber使おうと思います。読んで登録しようと思った人は以下の紹介リンクからやってもらえると2000円無料クーポンがつくそうなので(僕にも紹介者として2000円クーポンがつきます)、よろしくお願いします。

「Uber登録はこちらから」

https://www.uber.com/invite/z3zj9

ちなみに、便利とはいえUberばっかり使ってたらお金がどんどん無くなってしまうので、マンハッタンで主な移動手段にしていたのは地下鉄と「Citi Bike」でした。Citi Bikeというのは去年から始まったらしい自転車のシェアサービス。正直「これは日本にも欲しい!」と思った。

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料金は1日10ドル、1週間30ドルで乗り放題。30分以上は超過料金がかかるけれど、その時間内だったら何度借りてもOK。借りた場所と返却する場所が違っていてもOK。そこら中にステーションがあるので、それこそ1〜2ブロックの距離でも、ひょいと乗って行ける。そして、オフィシャルのアプリを使うと、やっぱり地図とGPSで現在地が表示されるので、近くにあるステーションとそこで自転車を借りられるかどうかがリアルタイムでわかる。

これが超便利だった。マンハッタンの中心部は一方通行と渋滞のせいでバスや車よりも歩いたほうが速い道が沢山あるんだけど、それでも数十分も歩くとクタクタになるしね。京都あたりにあったら嬉しいサービスだなあ、と思った。

■Yelp――「実名×口コミ×拡張現実」

そしてYelp。これは口コミによるローカル情報サービスで、一言でいえば海外版「食べログ」。2014年春に日本上陸。これもニュースになってました。

食べログキラー「Yelp」が日本上陸:日経ビジネスオンライン

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140408/262619/?rt=nocnt

ただ、レストランだけじゃなく美容院から博物館までいろんなビジネスのユーザー評価が集まってること、それからレビュアーが基本的に実名であることが、「食べログ」との大きな違い。そして、Yelpに関しては、アプリの“拡張現実”っぷりにビビった。「モノクル」という機能らしい。

これ、気になるレストランとかカフェの建物にスマートフォンをかざすと、その口コミ評価がオーバーレイされて出てくるわけです。(「セカイカメラ」が上手いこと転がったらこうなってたのかもしれない)。こんな感じ。

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これはわかりやすく「ヤバいなー」と思った。だってあとはグーグルグラスさえあれば、それはもう『ドラゴンボール』のスカウターが実現している、ってことでしょ? 未来に生きてる感。

一応ガイドブックも買っていったんだけど、結局一回も使わなかったです。匿名と実名のどちらのレビューが信頼できるかは考え方次第だけれど、少なくとも今回の旅行ではとても役に立った。

■個人と個人が直に結びつく「世間」

というわけで。

改めて、AirbnbとUberとYelpの共通した大きな特徴を考えると、それはサービスの提供側も利用者側も「実名」であること、個人と個人が直に結びついているサービスだということだと思う。しかも単に名を明かしているだけじゃなくて、そこでの行動の評価が蓄積されて点数ベースで明示されていること。しかもそれがFacebookやLinkedinを通じてそれぞれの「世間」に繋がっている。で、そのことがお互いのモラルや信頼のベースになっている。

我々はスマートフォンを通じてそもそもつながった状態でコンタクトする。いきなりお互いを知らないのに。そして、即座に闊達なコミュニケーションが生まれている。お互いのことを全然知らないのに...。

言うなれば新しいサービスのネットワークだ。

Uberは単なるタクシーの代替じゃないし、AirBnBは単なるホテルの代替じゃない。 - 以心伝心記

http://takahito.hatenablog.com/entry/2014/06/23/183420

上記の記事で書いてある通りで、たぶん、起こっているのは単なる「ホテルやタクシーの代替」ではなくて、もっと新しい何かなのだと思う。企業の一員としてじゃなく、個人が個人のままブランドを構築していくような社会。それは利用している側も同じで、こちらも「客」ではなく「個人」として相手とコミュニケーションする。AirBnBやUberを使っている限り、昭和の時代にあったような団体ツアーのおっさんみたいな無神経な振る舞いや横暴な行動はとれなくなっていく。

そうそう。宇野常寛さんの新刊『静かなる革命のためのブループリント』は発売されたばかりなので読めてないんだけど(あとで読んだら感想追記します)、このインタビューで言ってることも、そう考えていくと、肌感覚ですごくストンと腑に落ちる。

彼らの活動は、具体的なサービスや商品を作ることで、民間事業を通じて世界を変えていくことができるのだという強烈なリアリティに支えられていた。

『静かなる革命へのブループリント』発売記念インタビュー「宇野常寛が考える"社会と個人"を繋ぐ新しい回路とは」 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.100 ☆:ほぼ日刊惑星開発委員会:PLANETSチャンネル(PLANETS/第二次惑星開発委員会) - ニコニコチャンネル:エンタメ

http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar561783?cc_referrer=ch

たぶん今のインターネットで起こっていることは「情報」とか「コンテンツ」のレイヤーではなく「生活」のレイヤーでの変革なのだと思う。そしてそれは、ニューヨークだけじゃなく、東京でも起こりつつあることなのだ。きっと。

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静かなる革命へのブループリント: この国の未来をつくる7つの対話

  • 作者: 宇野常寛,猪子寿之,落合陽一,尾原和啓,門脇耕三,駒崎弘樹,根津孝太,吉田浩一郎
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/06/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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