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都議会でのヤジ問題・・・大人は子どものお手本じゃない? - 海老澤剛

ここしばらく、都議会でのセクハラに値する野次や女子学生の集団昏睡騒動、景品目的で買ったお菓子の大量不法投棄など、大人としてあるべき姿を考えると残念な出来事が目立ちます。

こういったニュースになる出来事だけでなく、公共の場でのマナー違反も無くなる傾向にない現状、未来の大人のために自分たちがなすべきことは何か?を考えてみたいと思います。

■子どもは善悪を誰から学ぶ?

非常識な行動を目にして、この人はどういう教育を受けてきたのだろう?と思ったことは、ありませんか?

人には、健全で幸福な発達を遂げるために、各成長段階に対して、発達課題というものがあります。その発達課題の中で、大人をお手本として模倣するのは3歳から6歳くらい。幼児期(後期)と呼ばれるこの時期は、自分とは異なる大人との関わりによって、善悪の判断を学びます。

従来、子どもにとって大人との関わりの大半は親でしたが、親とのコミュニケーションタイムの減少やテレビやインターネットの普及などといった環境の変化により、自分の親以外の大人との関わりが増えてきました。
それはすなわち、模倣される可能性、善悪の学び元は、その子の親だけでなくみなさんにあるということになります。

■子どものお手本となる大人の善悪意識の改善・・・CSR(企業の社会的責任)の取り組み

一方、子どものお手本となるべき大人は、社会に出ると改めて善悪の教育を受ける機会は基本的にありません。

戦後以降、企業間競争の激化とともに、利益のためなら手段を問わない状況が生み出した不正行為や労働環境の悪化、社内モラルの低下(セクハラやパワハラ)などから、CSR(Corporate Social Responsibility)、企業の社会的責任という概念が重要視されてきました。これは、企業が単に利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持って意思決定をするというものです。

この概念は国や企業により解釈は様々ですが、法令遵守から環境保護、地域貢献というところに始まり、一社員の不祥事が企業の信頼を揺るがすことから、昨今では「従業員の人としての質の向上」についても取り組みを行う企業も出てきているところです。

■子どものお手本として考えなければならないこと

都議会でのセクハラに相当する野次、問題なのは差別発言そのものもありますが、言われた方の行動として、その場では何も言わずに後から情報発信を行ったということやその場にいた周囲の人たちが注意をしないというのも気になるところです。

もし、子どもが嫌なことを言われたら、「その場は我慢して、家に帰って親に相談してからツイートしなさい!」と子どもに教えるのでしょうか?差別発言を耳にしても「聞こえなかった振りをしなさい!」と子どもに教えるのでしょうか?

その場でのアクションが無かった理由に立場や戦略などがあったのかもしれませんが、当事者のその場での我慢も周囲の人たちが注意をしないことも、幼児期の子どもからしたらその場の無反応は受容、すなわち正しいこととして認めたものと解釈します。自分自身は正しいから問題は無いと思っていても、ちょっとしたことから、子ども達は学ぶ可能性があります。

■未来の大人のために

「世界中の子ども達に説明できる行動をする!」それが大人の役割だと思います。

自分の考えが正しいという自信があるならば、間違えていること、そしてその理由を教えるべきではないでしょうか?見て見ぬ振りは、過ちの種を蒔くことにつながります。逆に「よい変化、よい文化」は、一人の勇気ある行動、一言から始まります。

見知らぬ人、上司や先輩、注意しづらい相手もいるかと思いますが、勇気を振り絞って、気づいたときに直接注意をしてみませんか?その勇気の積み重ねが、未来の大人を育てます。

《参考記事》
セクハラヤジは他人事ではない。職場でのセクハラ発言に気をつけよう。 榊裕葵
「結婚しろ」発言がセクハラと認識されただけでも進歩 岡田ひろみ
「良いお母さん」のレベルが高すぎる日本。働く女性は意識と行動をどうやって変えたらいいの? 小紫恵美子
JR九州、事故現場写真LINE投稿事件の真の問題点。規律の緩みは大事故へもつながりかねないことを再認識しよう。 榊裕葵
AKB48襲撃事件から学ぶこと 海老澤剛

メンタルヘルスコンサルタント 海老澤剛

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