- 2014年06月26日 11:50
慰安婦問題報告書
いわゆる「慰安婦問題」に関する河野談話についての報告書、読みました(ココ )。感想は「河野元議長と同じ。すべて正しいし、引くべきところも足すべきところもない。」というものです。
私が外務省入省時、最初に出会った案件が、この談話を受けて進められた「平和友好交流計画」でした。右も左も分からないし、単にコピー取りと清書係でしたけど、何となく大きな話が動いていることだけは感じました。ヘマの連続で、上司に何度も怒られたことがとても記憶に残っています。
ところで、私が良く分からないのが、「何故、この程度の報告書を大騒ぎするのだろうか。」ということです。何度読んでも、大騒ぎする要素がないのです。別に談話の内容を否定しているわけではありません。韓国側が盛り込むべきだと思っていたものは相当に盛り込まれており、当時の韓国政府がよく頑張ったことを示しているだけです。
「強制性」については、やり取りの経緯は書いてあるままじゃないかなと思います。河野談話にあることが否定されているわけでもなく、何が困るのかよく分かりません。河野談話にあることをそのまま受け止めて「お詫びと反省の気持ち」を持つということです。少なくとも私はそういう立場です。
「当事者からの聞き取り」についても、聞き取りの前から案文はほぼ固まっていたわけでして、むしろ「(日本側の一部にその内容に疑義を呈する向きもある)当事者の聞き取り」の真偽とは関係のない所で、この案文作成が進んでいたのですから、別に韓国側にとって困ることはないはずです。
「韓国政府が談話作成に深く関与していたことが明らかになるのは不都合」なのでしょうか。しかし、そんなことは既に誰もが分かっていることでして、この経緯の報告書を見ていて、「そりゃ、これくらいのやり取りは当然するに違いない。」と思うのが普通でしょう。逆に言うと、そんなやりとりをしていない方が不自然です。
あえて言えば、「外交交渉のやり取りをこのようなかたちで公開すること」への批判があるでしょう。これは、国内においても情報公開法との関係もあります。
【情報公開法(抜粋)】(行政文書の開示義務)
第五条 行政機関の長は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。
(略)
三 公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報
これまで、今回の報告書の内容に当たるものは、この第五条三項を引用して「不開示」としていたものです。今回も不開示事由に当たっているとは思うのですが、どういう整理でやったのかなと思います。
いずれにせよ、私には「そこまで騒ぐ内容でもない。」と思えて仕方ないのです。やり取りの内容を承知した上で、河野談話自体をそのまま受け止め、お詫びと反省の気持ちを持つということでいいはずです。



