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政治と行政の間

 先日、ある元議員関係者の方と話していて、とても興味深い指摘をお伺いしました。「潤滑な政権運営の観点からは、政治と行政を繋ぐ所の役割を果たすスタッフがとても重要。」ということでした。その通りなのですが、これがなかなか理解されにくいところです。

 政権が発足すると、政治家が主たるポストに就くわけですが、政治家がトップに来れば、行政はそれにきちんと従って動くようになるかというと必ずしもそうではありません。両者の間の意思疎通というものがとても重要になります。トップの指示を徹底させるという上から下へ、行政から何を汲み上げるかという下から上へ、それ以外にも組織全体のマネージメント、といった黒子的な人が絶対に必要になります。

 アメリカですと、そういう人がホワイトハウスを始めとして各役所にポリティカル・アポインティーで入っていきます。フランスでも、行政の隅々に「conseiller(顧問)」というかたちで入っていきます。

 これが苦手だったのが民主党政権でした。何でもかんでも政治側で処理をしようとしましたが、「黒子」が少なかった(いなかったわけではありません。)。特定のスーパーマン的能力を持つ人間(政治家、官僚等)に過度の負担が掛かっていたような感じです。ヒマそうにしている補佐官、参与を何度も見たことがあります。

 そもそもですが、日本の政治制度の中にはこういう黒子に相当するスタッフを置ける場所がとても少ないのです。官邸ですと、総理秘書官、内閣官房参与、総理補佐官等、一定のポストが用意されていますが、各役所に行ってしまうと、あまりそういうポストはありません。今の安倍政権はこの官邸の「黒子」ポストを上手く使っているように見えます。

 言い換えると、政権運営していくためには「官房機能」が重要であり、そこに政務の意向を受けた黒子的人間が睨みを利かせていないと、全体が上手く回らないということです。なお、日本では(黒子ポストが少ないため、ということもあり)この黒子的役割までをも官僚がになっていることが多いというのも特徴です。

 例えば、今の安倍政権、相当にマスコミ対策をしっかりやっています。かつての民主党政権であれば、「一発即死」みたいな案件は相当にあるのです。しかし、どうやっているかは知りませんが、マスコミを押さえ込む時は押さえ込んでいます。「これはどう見ても一面扱いだろう」と思うものが、そうでなかったりします。官邸内スピンドクターが「新聞への軽減税率適用」なのかどうかは知りませんが、何かをネタにマスコミとの貸し借りで強く押さえ込んでいると推察されることがあります。

 表に出て来ないので分かりにくい部分ですが、この「政治と行政の間」にいる黒子、最近とてもその重要性を認識します。

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