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袴田事件の再審開始決定を契機に日本の刑事司法改革を進めよう! - 西嶋勝彦

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【質疑応答から】
Q 袴田事件では、国家賠償請求訴訟を行うのですか?

A 理論的には簡単ですが、国賠訴訟の実態は暗澹とさせられるものです。捜査権力は、国賠訴訟で巻き返しを図ろうと、隠されていた証拠を出してきたり、手間暇をかけて再捜査を行ったりするのです。また、日本では捜査官や裁判官の個人責任が認められていません。裁判官の場合個人的な恨みや、故意に近いような状態で不利益な判決を書いたケースでなければ、責任を問えないのです。条文には書かれていませんが、最高裁の判例によって、そうした運用解釈になっています。

 また、えん罪被害者が、不十分とはいえ刑事補償を受けていた場合、世間から「まだ賠償を取るのか」という目で見られる場合があります。さらに、えん罪被害者の支援団体が解散したり、弁護人が「国賠訴訟まで…」という姿勢になったりしがちです。これまで、国賠訴訟で勝訴したごくわずかな例のうち、松川事件では刑事訴訟にかかわった弁護団ではなく、若い弁護人が新しい組織のもとで取り組んでいました。

 国賠訴訟は、大変なエネルギーと時間がかかる割には、ゴールまでたどりつくことが非常に困難です。必ず高裁、最高裁まで進みますから、袴田事件のように被害者が高齢の場合は難しいと言わざるを得ません。本人、支援団体、世論を勘案しながら慎重に決めることになります。

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