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- 2011年08月03日 00:00
「自主避難」は「自己責任」なのか? の巻 - 雨宮処凛
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野菜デモにて
7月31日、原宿・渋谷で開催された「野菜デモ」に参加した。野菜デモとはその名の通り、放射能フリーの野菜を食べたい!というデモだが、3度目の今回は「上関どうするネット」とのコラボで開催。上関とは、山口県上関町。原発建設が進められようとしている場所で、その対岸の祝島に住む人たちは、ずーっと原発建設に反対し続けてきた。週に一度開催してきたデモは、なんと今までで1102回にものぼるという。
そんな「野菜デモ」と「上関どうするネット」のコラボデモでは、元ブルーハーツの梶原さんがドラム隊に参加してたり、最前列では映画監督の鎌仲ひとみさんが横断幕を持っていたりとあちこちにすごい光景が出現。約400人で脱原発を訴えたのだった。
そんなデモの2日前の7月29日、文部科学省で12回目の「原子力損害賠償紛争審査会」が開催されたことをご存知だろうか。これはその名の通り、今回の原発事故で損害をこうむった人々への賠償について話される場。この日、中間指針が出されることになっていたのだが、そこで注目されていたのが「自主避難の人たちへの補償が置き去りにされるのではないか」ということだった。
ご存知のように、政府は20キロ圏内を警戒区域として避難指示を出し、20キロ圏外でも放射線量が年間20ミリシーベルトを超えると推計される場所を計画的避難区域、特定避難勧奨地点に指定し、避難を促している。
しかし、それ以外の地域だって「安全」である保証はまったくない。「20ミリシーベルト以下」という基準がそもそも高すぎるし、各地にホットスポットは点在している。30キロ圏外だって、場所によっては警戒区域より放射線量が高い場所だってあるのだ。
そんな状況を受け、福島では多くの人が自主避難を余儀なくされている。しかし、強制的な避難と違い、自主避難には今のところ補償や賠償についてはまったく確定していない。人によっては建てたばかりの家のローンがあり、避難生活が長引いている人の中には貯金が底をついている人もいる。また、自主避難の人は義援金や東電の仮払い金の支給対象になっていない。その上、子どもだけを避難させて二重生活、という人もいる。総数すら正確にはわからない。
「とにかく子供を被曝させたくない」という一心で自主避難した/させたのに、このままでは「勝手に避難したんだから自己責任」ということにされてしまうのではないか? ということで、この日、紛争審査会(なんかすごい名前だな)が今まさに始まろうとしている文部科学省前で、福島から自主避難している人たちがアピールを行ったのだ。
8歳と11歳の子どもがいるというシングルマザーの女性は、言った。
「金銭的な余裕はありません。でも、子どもの命を優先に考え、山形に避難しました。子どもの命、健康にかえられるものはありません。だけど、仕事を捨てて今まで住み慣れた土地を捨てて避難するということがどれだけ精神的にも金銭的にもキツいのか、当事者にしか絶対にわからないことだと思います。お金がないから逃げられない、避難できないお母さんたちは本当にたくさんいます。誰も好き好んで福島から離れるわけではありません」
続いた彼女の言葉に、「自主避難」という言葉に隠されている現実を思い知った。
「去年の今の時期は、子どもたちと近所の河原で遊んでいました。みんな仲良くてサッカーや野球をしたり虫をとったりしていました。それがこの先もう二度とできません。もう二度と去年までの生活には戻りません。収束していない福島原発からは毎日毎日煙が上がっています。なのに、自主避難は『勝手に避難しただけ』という扱いにされるのは本当に憤りを感じます」
野菜デモにて
7月31日、原宿・渋谷で開催された「野菜デモ」に参加した。野菜デモとはその名の通り、放射能フリーの野菜を食べたい!というデモだが、3度目の今回は「上関どうするネット」とのコラボで開催。上関とは、山口県上関町。原発建設が進められようとしている場所で、その対岸の祝島に住む人たちは、ずーっと原発建設に反対し続けてきた。週に一度開催してきたデモは、なんと今までで1102回にものぼるという。
そんな「野菜デモ」と「上関どうするネット」のコラボデモでは、元ブルーハーツの梶原さんがドラム隊に参加してたり、最前列では映画監督の鎌仲ひとみさんが横断幕を持っていたりとあちこちにすごい光景が出現。約400人で脱原発を訴えたのだった。
そんなデモの2日前の7月29日、文部科学省で12回目の「原子力損害賠償紛争審査会」が開催されたことをご存知だろうか。これはその名の通り、今回の原発事故で損害をこうむった人々への賠償について話される場。この日、中間指針が出されることになっていたのだが、そこで注目されていたのが「自主避難の人たちへの補償が置き去りにされるのではないか」ということだった。
ご存知のように、政府は20キロ圏内を警戒区域として避難指示を出し、20キロ圏外でも放射線量が年間20ミリシーベルトを超えると推計される場所を計画的避難区域、特定避難勧奨地点に指定し、避難を促している。
しかし、それ以外の地域だって「安全」である保証はまったくない。「20ミリシーベルト以下」という基準がそもそも高すぎるし、各地にホットスポットは点在している。30キロ圏外だって、場所によっては警戒区域より放射線量が高い場所だってあるのだ。
そんな状況を受け、福島では多くの人が自主避難を余儀なくされている。しかし、強制的な避難と違い、自主避難には今のところ補償や賠償についてはまったく確定していない。人によっては建てたばかりの家のローンがあり、避難生活が長引いている人の中には貯金が底をついている人もいる。また、自主避難の人は義援金や東電の仮払い金の支給対象になっていない。その上、子どもだけを避難させて二重生活、という人もいる。総数すら正確にはわからない。
「とにかく子供を被曝させたくない」という一心で自主避難した/させたのに、このままでは「勝手に避難したんだから自己責任」ということにされてしまうのではないか? ということで、この日、紛争審査会(なんかすごい名前だな)が今まさに始まろうとしている文部科学省前で、福島から自主避難している人たちがアピールを行ったのだ。
8歳と11歳の子どもがいるというシングルマザーの女性は、言った。
「金銭的な余裕はありません。でも、子どもの命を優先に考え、山形に避難しました。子どもの命、健康にかえられるものはありません。だけど、仕事を捨てて今まで住み慣れた土地を捨てて避難するということがどれだけ精神的にも金銭的にもキツいのか、当事者にしか絶対にわからないことだと思います。お金がないから逃げられない、避難できないお母さんたちは本当にたくさんいます。誰も好き好んで福島から離れるわけではありません」
続いた彼女の言葉に、「自主避難」という言葉に隠されている現実を思い知った。
「去年の今の時期は、子どもたちと近所の河原で遊んでいました。みんな仲良くてサッカーや野球をしたり虫をとったりしていました。それがこの先もう二度とできません。もう二度と去年までの生活には戻りません。収束していない福島原発からは毎日毎日煙が上がっています。なのに、自主避難は『勝手に避難しただけ』という扱いにされるのは本当に憤りを感じます」



