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国会閉会など

 石破 茂 です。

 通常国会は事実上本日閉会となりました。多くの法案が成立し、予算も順調に仕上がり、内閣支持率、自民党・与党支持率ともに高水準で推移しています。国会閉会中も、研鑽を怠ることなく緊張感を持ってすべてのことに臨んでいかなくてはなりません。

 安全保障法制、就中集団的自衛権行使容認の閣議決定は閉会後に持ち越されることとなりました。個別事例ごとの検証作業は、問題点の要素を多く包含したものであるだけに、法律的な細部の議論が世の中には解り辛くなっているのかも知れません。「これは必要なことだ」ということを解って頂くために、個別事例の検証は極めて有効なのですが、これを法律論的に整合した形でご理解をいただくためにはさらに工夫が必要であるように思われます。私自身、「自衛権再考」(知識社刊・昭和62年)に収録されている諸論文を理解したいと以前から思いながら、なお果たせずにおります。「他人のためにする正当防衛」と集団的自衛権との関係をうまく繋ぎ合わせることが出来れば、また違った議論が展開出来るような気もしております。これに関して「voice」七月号に収録されている高橋洋一教授の「集団的自衛権は『正当防衛』だ」は興味深い論考でした。

 「提示された事例は非現実的」「リアリティに乏しい、ためにする議論」などとの新聞論調が一部にありますが、何かが起こったときに「想定外であった」という弁明は許されません。あらゆる事態を想定して法制面、能力面、運用面の各般にわたって安全保障政策は立案されるものであり、それでもカバーされないリスクは政治が負うべきものです。このような論調が出ること自体、安全保障の本質は未だ理解されていないことを痛感致します。集団的自衛権について国会でもっと議論せよ、と言われても、議論の対象である法律案が出てこない以上、政府からは「これから検討します」という答弁しか返ってこないのではないでしょうか。国会における実質的な議論はまさしくこれからです。

 政治家が勉強ばかりしていてどうするのだ、成果を出すのが仕事だろう、というご指摘を時折頂き、ああ、他の方にはそう見えているのだなと反省もするのですが、自分が納得できないことを他の方に説くのはどうにも性分に合わないもので、ご容赦賜りたく思います。

 「今国会中に閣議決定」という当初の目標達成は困難となり、休会中も鋭意自公協議を続け、なるべく早い閣議決定に漕ぎ着けるべく努力を重ねなくてはなりません。その後は政府において「現実的な集団的自衛権行使の必要性」を踏まえた法案作成に着手することになるのでしょう。当面全く気の抜けない日々が続きそうです。

 環境大臣発言や東京都議会における不規則発言など、ご批判を頂く事態が続いています。真意やその時の状況がどうであったのかはともかくとして、緩み、驕りと受け取られる結果となったとすれば最終的には党の責任者たる私の責任です。対応を誤らないことと、今後さらに自重自戒してゆくことは当然です。

 まだ当選1、2回生であった頃、通常国会閉会時というのはすごく開放感が感じられてとても嬉しかった記憶があります。期数が上がり、政府や党でそれなりの役職を持つようになるにつれてその解放感は無くなってしまい、少し味気ない気分ではありますが、きっと私たちの若い頃に先輩方も同じ思いをしておられたのかも知れません。

 21日土曜日は「ウェークアップ・ぷらす」(読売テレビ系・午前8時)に出演の後、BS朝日「激論!クロスファイア」(午後10時、収録)、兵庫県加古川市での遊説、22日日曜日はBS―TBS「週刊BS―TBS報道部」(午後9時)に出演)の予定です。
皆様お元気でお過ごしくださいませ。

■関連記事
集団的自衛権は「正当防衛」だ - 高橋洋一(嘉悦大学教授) - 月刊誌『Voice』

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