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IR推進法案、国会論戦スタート

ということで、昨日からIR推進法案が委員会審議入りしたわけですが、さっそく各議員が思惑含みの様々な論戦を行なっていましたね。委員会の論戦を通して、東京の議員は東京をアピールし、大阪の議員は大阪をアピールし、九州の議員は九州をアピールするという三者三様のあり方。その他にも、各議員の様々な裏の意図が読み取れ、私としてはライブ中継を見ながらニヤニヤせざるを得ない状況でした。9月からの臨時国会で、またこのエキサイティングな論議を見られるのだとすると、今から楽しくて仕方がありません。

審議の中で色々気になる点はあり、これから本ブログ上でも色々ご紹介をしてゆくつもりですが、まずはこの一点を指摘しておきましょう。質問者として立った民主党の近藤議員が、カジノ合法化後の業界統制の体制に対して、以下のような質問を投げかけました。
近藤議員:
内閣府の外局にカジノ管理委員会を作り、刑事訴追法の規定による特別司法警察職員を置く。そして、この警察職員がカジノの公正を担保するような仕事を担う。警察官とは別なんですね。

私は現在の制度からするとこれはあまりイメージが湧かないんです。海上保安庁の職員とか、こういうのは判るんですが、こうしたものを置くという事を議員連盟の方々が書いた「基本的考え方」というペーパーに書いています。これは果たしてどういうものなのか?私はちょっと実効性が本当に担保出来るのか疑問なのですが、国家公安委員長、警察を所管する大臣として、この提言されている制度について如何でしょうか?
この近藤議員の質問は、今回の法案の起案を行なったIR議連が法案提出にあたってまとめた「基本的考え方」と呼ばれる文書に基づいて行なわれています。近藤議員は上記のようなカジノ管理体制を議連連盟の方々がペーパーにまとめた「提言」であるというような表現で、その実効性を国家公安委員長に問うたわけですが、唯一政府側から閣僚として委員会に参加した古屋国家公安委員長は、これに対して以下のように答えています。
古屋国家公安委員長:
実際現状では、カジノに関わる犯罪の取締まりの体制について具体的な制度設計は全く明らかになっていませんので、現時点でこの点について国家公安委員長としてお答えするということは差し控えさせて頂きたいと思います。
…という事で、古屋国家公安委員長は、「具体的な制度設計が全く明らかになってない」という事を理由に答弁そのものを避けることとなりました。これは非常に当り前の事だし、そもそもの質問者である近藤議員自体が「議連の提言」という表現を用いているとおり、原則的に議連のまとめた「基本的な考え方」に記載されているものは、あくまで議連が私的にまとめた提案であり、IR推進法案が可決した段階で改めて政府内でその実効性に関する検証を行なってゆくものなんですね。なので、政府側の閣僚として参加した古屋国家公安委員長の立場としては、「未だ明らかになっていないものに対して、言及は出来ない」という答えになります。

ここで示された、「基本的考え方」文書はあくまで私的文書であって、そこになんら法的な裏支えがあるものではないですよってことは、私自身もこれまで繰り返し述べてきました。一方、業界内では「法案は、その起案を行なった議連側に『優先解釈権』があり、議連がまとめた『基本的考え方』は法案の前提になっているのだ」などという謎の論法で、このペーパーに何らかの制度的「権威」付けをしようとしている御仁がいるワケで、正直私には全くその主張が理解できません。もし、法案の外側で何らかの制度的担保を付けたいのならば、せめてそのペーパーの内容を付帯決議事項まで引き上げなさいよ、と申し上げて来た私のスタンスは未だ変わっておりませんし、ある意味上記の国家公安委員長発言がそれを裏付けるものと言って宜しいかと思います。(正直、付帯決議だって、大した制度的担保にはならないのだけど)

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