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灘や開成に行く子供こそ中卒で働いたほうがいい その1

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じつは、僕は大学生をしていたときに4年間、東京の某最大手中学受験塾で講師をしていた。そして、最近、身内に中学受験する子供がいて、再び日本の教育制度というものを考える機会があった。そこで僕なりに考えたことをメモ代わりに残しておくことにする。これから書くことは、灘中学や開成中学に受かるような子供の将来の話だ。昔書いた記事の続編だと思ってもらえばいい。しかし、今回はかなり真面目な記事だ。


大学入試は少子化で年々簡単になっているが、トップ層の中学受験は厳しさを増している。これの一番の原因は、僕が昔働いていたような中学受験塾による際限のない塾間の競争である。SAPIXが開成に何人合格させた、日能研が何人、関西のほうだと浜学園が灘に何人合格させた、と競い合う。灘中学や開成中学が受け入れる生徒の数は決まっているので、これはゼロサム・ゲームだ。そして、子供を受験戦争で勝利させるためのこうした塾のトレーニング法は洗練を極め、果てしない軍拡競争を繰り広げていく。

こうした塾では、6年生になると、月から金まで、だいたい夕方の5時ぐらいから9時ぐらいまでの4時間の授業が3回ある。たとえば、月、水、金みたいに。間の塾のない曜日は宿題で家庭学習。土曜日には毎週テストがあり、月に1回は範囲の指定がない公開模試がある。日曜日は入試問題を解く演習の授業を5、6時間やる。成績順にクラスが毎月変わる。また、同じクラスの中で、毎週のテストの成績順に、座る席が変わる。だから、同じクラスで、この前のテストで誰が1番で誰がビリだということは、皆に一目瞭然になる。

カリキュラムはどこの塾もスパイラル形式になっている。4年生の1年間で小学生で習う全範囲を終える。それで5年生では、また1からはじまってやはり1年間で全範囲を終える。6年生は、また1からはじまって、今度は夏休みまでに全範囲を終える。こうしておくと、塾には4年から入ることもできるし、5年から入ることもできるし、6年から入ることもできるというわけだ。もちろん、学年が上がるごとに、学ぶ内容の深さや、演習問題の難易度は上がっていく。

それで首都圏の最難関中学や灘中学に合格しようと思うと、いまは4年生から塾に入るのが主流だ。昔は5年生からが主流だったのだが、5年生からだとちょっと慌ただしい。国語と社会と理科なら、5年生から入ってもぜんぜん大丈夫なのだが、算数は学校教育のレベルとの差が異常にあり、4年生の1年間でかなり難しい問題を解けるようになってしまっているので、5年生から入って、塾の算数の授業についていくのは結構大変だ。5年生から入っても、家庭で子供の算数を見れる親がいれば問題ないけど、4年生からはじめた生徒に追いつくまでが、ちょっと慌ただしくなる。まあ、でも将来、灘や開成に受かるような子供なら、5年生から入っても、夏休み前ぐらいには、ふつうに追い抜かしているので、5年生からでも問題ないといえる。

6年生から塾に入るのは、最難関中学を目指すには、不可能ではないが、かなり厳しいと言わざるをえない。首都圏のトップレベルと関西の灘以外の中学なら、子供が勉強するやる気があり、活字をたくさん読むのが好きでそこそこ国語力があるという前提だが、6年生からでも合格確率50%ぐらいのラインに乗せるのは大丈夫だろう。偏差値60ぐらいの学校だ。とは言っても、6年生からでは、毎日勉強しないと間に合わないので、かなりハードな1年になってしまうだろう。

ちなみに、日本で中学受験をする小学生は全体の1割~2割ぐらいで、この小学生の上のほうだけの集団での偏差値60は、感覚的に言えば、ほぼ全ての子供が参加する高校受験の偏差値で65~70ぐらいだ。首都圏だけ異常に中学受験が流行っているので、首都圏だと偏差値60では、二番手、三番手の中学になるが、日本全国の他の地域では、灘中学などの特殊なケースを除けば、偏差値60ぐらいで、だいたいその地域のトップ中学に合格できる。まあ、合格確率8割以上にしたかったら偏差値63ぐらいは欲しいところだけれど。
(余談だが、ざっくりと僕が調べた結果、同じ偏差値60でも、中学受験が加熱している首都圏の二番手、三番手の中学より、地方のトップ中学のほうが、大学進学実績、卒業生の活躍などでは上のようだ)

3年生までは、塾などで勉強する必要は全くないと言っていい。むしろ、漫画をやたら読んだ子供とか、テレビゲームで長時間の集中力を高めた子供なんかのほうが伸びるような気がする。あくまで、個人的にそんな気がするだけで、統計的なデータを知っているわけではないが。

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