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日本版スチュワードシップコード

日本版スチュワードシップコードへの期待が高まっている。5月末までに受け入れを表明するようにと金融庁がやんわりと圧力をかけていたせいか、多くの機関投資家(127社)が受け入れた。

では、これで企業の利益水準が上がり、株価を押し上げるのだろうか。

もちろん、うまくコードが機能すれば株式市場に朗報がもたらされるだろう。株主(機関投資家)が企業の長期的な経営を見据え、適切に企業と話し合う。企業もまた、株主の意見を傾聴し、株主以外のさまざまな関係者(ステークホルダー)の意見も勘案し、より良い経営を目指して行動する。これらの意見から優れたものを選別し、経営に反映のためには、プロとしての判断能力と意思力が求められるが、上場企業の経営者にこれらが備わっている。これが理想である。

しかし、である。経営者のことはさておき、コードが機能するためには、投資家にもプロとしての能力がないといけない。さらに、資産運用を委託されている本来の投資家(投資信託の購入者、年金の受給権者等)のために働くという信認義務の遵守が必要である。加えて現実の問題だが、コードをきちんと実行するためにはコストがかかる。

これら、コードが機能するために求められるさまざまな要件が、これまでの日本の投資家に広く意識されてきたのだろうか。投資信託の運用を振り返ってみても、また最大の公的年金のあくなきコスト削減へのオタク的執念を思い出してみても、コード達成に求められる要件とはかなり方向感が違ってきていたように思える。

ついでに書いておくと、金融庁の要請も株価対策を強く意識した上での策であり、取って付けたような感が否めない。

コード自身には賛成である。金融庁での議論を引っ張った座長、神作さんも立派な法学者である。それだけに、広く関係者の意識改革をと願うばかりである。

以上、急ぎのメモであるから、どこかでもう一度きちんと議論したいと思っている。

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