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公的年金 リアロケーション検討中

今年、公的年金(国民年金と厚生年金)の資産配分の見直しが行われる。

日本の公的年金は厚生労働大臣から寄託をうけた年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が法律に基づき国民の大切な年金財産を管理運用している。現状129兆円の資金を運用する世界最大規模の年金基金である。

余談ではあるが、因みに米国最大規模の年金基金はカリフォルニア州職員退職年金基金、通称カルパースである。クライアントセミナーの基礎編で学習しましたね(忘れたクライアントは資料を読み返してください)。

これら公的年金は最大限安全に配慮しながら目標リターンを獲得するべく、長期間にわたり運用されているのです。クライアントの皆さんが弊社で実践している投資信託や変額保険と全く同様の考え方に基づき(現代ポートフォリオ理論)運用管理がなされています。

巷の保険屋さんや銀行屋さん、株屋さん、郵便局屋さんが善良無知な顧客に薦める商品群とは明らかに異なります。

今回、安倍総理の「もっと積極的にリスクをとった運用をせよ!」との号令のもと、配分の見直しが検討されています(リアロケーション/資産の組み換え)。現状60%以上が日本国債に偏っており(日本株式は現時点で17%)、いびつな形になっています。

もちろん日本の公的年金ですので、日本の資産に幾分軸足を置いていることは不思議ではありません(「ホームカントリーバイアス」といって、いずれの国家においても自分の国の資産を多めに配分することは運用の世界においては常識となっています)。

しかしながら、現在のところ信用があるとはいえ、1000兆円を超える借金を持つ日本の国債が果たして将来的にも「安全資産」と言えるのか、また金利1%以下(世界最低水準)の日本国債を半分以上抱え、それで目標とするリターンを獲得することは素人目で見てもかなりの無理があるように感じます。

そうした安全に多大な配慮をした資産の組み合わせでは(もちろん、国民の大切な年金資産ですからリスクのとり過ぎは絶対に回避しなければなりません)、今後到来することが確実視されている社会保障費増大による年金財政の劣化を改善することはできないのではないかと思うのですが、クライアントの皆さんはどう考えますか?

現在、多くの親権者が愛する自身の子供たちの教育資金を【安全のみ/元本保証】を重視するがあまり、【預貯金】【学資保険】などという利息のつかない金融商品を選択してしまったがために、半数以上の大学生が借金(奨学金)を背負うと言う悲惨な現状があります。

これと同様のことが、国民の宝である年金資産で起これば悲惨・悲劇を通り越して死活問題にまで発展してしまう恐れがあります。

私たちの個人の財布(家計)であっても、子供の教育資金や老後の資金を確保するためには、絶対に運用の失敗は許されない中で果敢にリスクをとり、リターンを追求していくべきだと私は考えています。それが国家ならば尚のこと、【安全】のみを重視し、本来確保すべきリターンを達成できないでは許されないのです。

誰でも、個人であろうと、国家であろうと、企業であろうとリスクをとらずにリターンが獲得できるのであれば、リスクは避けたいと思うのは人間ならば当たり前です。しかしリスクをとらなければリターンが獲得できないと言うのであれば、そしてそれによって目標・目的が達成されないのであれば、それがたとえ期待した結果にならなくても、リスクをとるべきと私は考えています。

個人も国家も同じです。座して死を待つよりも、積極的に挑戦して、そして仮にそれが成就できないときは、全国民で責任を分かち合えばいいのです。個人が利息のつかない預金や保険に資金を眠らせる、国家が利息もつかない国債に資金を眠らせる。

「ええかげんにせえよ!!!!!」と怒りすら感じるのは私だけでしょうか!

現状、日本のGDP(国内総生産/経済の規模を表す)は世界全体から見ると10%以下です。公的年金はこのわずか10%以下まで落ち込んでしまった、そして20年失われた時間を過ごし≪改革≫を避け続けてきた日本の資産に80%(日本債券60%、日本株式17%)もの資金をつぎ込んでしまっていることに私は随分前から疑問を感じています。

2000年においてはG7(日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ)のGDPは世界のGDPの66%を占めていたにもかかわらず、今や47%と半分を切っています。

これは、中国、ロシア、ブラジル、インド4カ国のGDPが2000年当時、わずか8%程度であったものが、今や21%にまで台頭していることに大きな要因であることは、クライアントの皆さんであれば十分に理解されているはずです(2010年当時の財コンリアロケーション時に新興国の配分を5%から20%に引き上げた際に解説したとおりです)。

世界の経済がこれほど変貌していく中で50年前の高度成長期や20数年前のバブル当時の華やかしかった古き良き時代の日本の姿を未だ信じ続け、国民から預る大切な年金資産の多くを非効率的な日本の資産(日本国債と日本株式)に眠らせているのは≪罪≫であると言わざるを得ません(世界分散、世界分散、世界分散が必須です)。

もちろん個人的には日本の復活を信じたいし、その期待もしているわけですが、一方でクライアントの皆さんから大切な財産を預り、運用指導をする立場の私たちは、現状の日本の力量を≪正確に≫かつ≪冷静に≫評価しなければならないと考えています。

今年秋から年末にかけて発表されるであろう公的年金の資産配分に大いに期待しつつ、そして日本人全員の財布のあり方(預金や保険一辺倒のいびつな配分)を改善していきたいと日夜邁進し続けています。是非クライアントの皆さん、私たちの活動を見守るだけではなく、積極的に後押しいただくことをお願いしたいと思います。

何卒、何卒、何卒、よろしくお願いします。
このまま変わらずに、再び失われた20年を過ごすことになれば・・・

ほんまに日本は終わるでぇ!

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