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キーマンの登場で一気に加速した、梱包配送のアウトソーシングアプリ「Shyp」

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僕は掃除や洗濯、整理整頓といったものが苦手だ。さらには事務仕事全般が苦手だ。年を重ねるごとにこの傾向は強まっている。

小遣い稼ぎでやっていたヤフオクをやめた理由もそれだ。お金が無くて困っていた学生時代は仕事と割りきってやっていた。しかし社会人になり、それなりの収入を手にしてから、一度も出品していない。

とにかく、荷物を送る作業が面倒でたまらなかった。慣れない梱包に、配送の手配。売れるのはありがたいが、配送やらなんやら周辺作業のことを考えると途端に億劫になってしまうのだ。

リサーチしてみると、こういう気持ちを持っている人は僕だけではないようだ。個人間取引だけでなく、小規模なECサイトのオーナーたちにとっても、梱包は地味で大変な作業と感じているようだ。

そんな問題点を見事ビジネスに生かしたeコマースアプリが、今回紹介する「Shyp」だ。梱包、集荷から配送会社選定まで全て受け持ってくれるため、利用者は配送に関する手間を大きく省くことができる。eBayやEtsyの利用者が利用するケースも多いそうだ。

梱包作業のストレスや荷物を持ち込む手間から解放

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Shypは梱包、集荷、配送まで全て行うeコマースアプリだ。荷物の配送を行いたいユーザーはアプリで品物の写真を撮り、送り先のアドレスを入力、ピックアップのリクエストボタンをタップする。なお、梱包の材料もShyp側で用意しているため、利用者は品物だけを渡せばよい。

リクエストボタンが押された時点で、Shyp側がバイクでも大丈夫かトラックが必要かを判断し、「Shypヒーロー」と呼ばれるHeroと呼ばれるドライバー兼集荷人を派遣してくれる。スタッフの現在位置は地図上に表示されるため、今どのあたりにいて、あとどれくらいで到着するのかも分かる。

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スタッフが荷物の宛先により、DHL、UPS、Fedex、郵便局など、どれが最適な業者かを判断するので、最安の価格で発送することができる。大手配送会社と提携しているため、国外への発送も可能だ。

ピックアップされた品物はShypの倉庫に運ばれ、計量、梱包、宛先シールの貼付など、配送にかかる作業が行われる。

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受け取った荷物は、ユーザー側からも追跡できるようにするため、全てQRコード付きのタグが付けられ、発送後、利用者にはトラッキング番号がメールで通知されるしくみだ。

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サービスの利用料金はピックアップ料の5ドル+実際の送料。Shypで扱う荷物は30cm×30cm×30cm以内のサイズで、重量は50ポンド(約23kg)までに限られる。荷物保障として、最高1000ドル(約10万円)まで保証している。

Shypは個人向けにもサービスを行っているが、ユーザーの内訳は30%が個人、70%が法人と、現在のところ法人向けが主だ。

ビジネス用に月に20個頼めば5%割引、200個で10%割引、ピックアップ料は無料となる割引制度も導入しており、eBayやEtsyのパワーセラー達にとっては、梱包や送付の手間を大きく省略できることもあって、お金を払ってでも利用したい、価値あるサービスとなっている。

2人の運命を変えた、ラヴィカント氏のアドバイス

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Shypの創業者はCEOのKevin Gibbon(写真右、以下ギボン)氏と共同創業者でUX(ユーザーエクスペリエンス)デザイナーのJoshua Scott(写真左、以下スコット)氏だ。

ギボン氏は2012年、カナダのバンクーバーからサンフランシスコへ、iOSディベロッパーとして新しい仕事に就いたのを機に単身米国に移ってきた。当時この地に知り合いはいなかったが、後に共同創業者となるスコット氏との出会いを果たした。

ともにカナダの出身で、企業家を目指すという共通の夢をもっていたことからすぐに意気投合したギボン氏とスコット氏は、日中働きながら「Shyp」を立ち上げる。

かつてはeBayのパワーセラーだったというギボン氏は、商品を何百、何千と売りさばく一方で、ほとんどの時間を梱包と配送の準備に奪われてしまっていることに、苦痛を感じていた。

"この辟易する作業から解放されたらどんなにいいか、と思っていたんだ" - ギボン氏

2人は、Shypでこうした梱包や配送に関する問題を解決したいと考えたのだ。

このスタートアップが大きく動き出すきっかけをつくったのは、ギボン氏が偶然見ていたTechCrunch Disrupt NYC Onlineがきっかけだったという。

そこにはAngelListの共同創業者であるNaval Ravikant氏(以下ラヴィカント氏)が出演していて、配送サービスを扱う「Shiphawk」に向けて、こうアドバイスを送っていた。

"誰かを家や会社に急行させ、商品を受け取り、包んで、梱包して持ち帰るといったような、さらに一歩先をいくものを取り上げていかないと。そういった他では見ないような商売だからこそお金を払うんだ"

Shiphawkは、KayakやHipmunkの配送版といった趣のサービスで、同じ配送サービスでもShypと競合するようなサイトではなかったが、ラヴィカント氏のその発言は、ギボン氏の心を大きく揺り動かした。

"彼のアドバイスの内容は、僕たちがやっていることそのものだったんだよ" - ギボン氏

この発言を聞いた数分後には、ラヴィカント氏へコンタクトメールを送っていたというギボン氏。このアクションがShypの運命を大きく変えた。

ラヴィカント氏はShypのアイディアを高く評価し、AngelListのオフィスで会うことになり、いろいろな課題や助言を与えてくれた。そこから事はトントン拍子に進んでいった。

キーマンとの出会い

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2013年9月に、総額210万ドル(約2億1000万円)の資金調達に成功したのも、ラヴィカント氏が働きかけ、著名な投資家であるTim Ferriss (以下、フェリス)氏に直接会えたことが大きかった。

フェリス氏は初期のYoutubeやtwitterに投資したことで名を馳せた人物で、その後Shopify、UberやEvernoteを見つけてアドバイスし、積極的に活動する投資家兼ベストセラー作家として多大な影響力を持っている。

この頃、ちょうどフェリス氏は自身のブログで、コネクションやネームバリューなどのバックアップ、投資を受けたいスタートアップをエンジェルリスト・シンジケートプログラムとして1社だけ募集した。応募したスタートアップは400社にものぼり、Shypもこれに応募していた。

ラヴィカント氏を通してフェリス氏と会った2人は、直接Shypのコンセプトをプレゼンテーションした。その結果、何百もの応募の中から栄えある1社にShypが選ばれ、フェリス氏個人(仲間内の投資家数名を含む)から50万ドル(約5000万円)の投資を受けたのに加えて、彼のブログでAngelListの投資を募ったところ、なんとアップから53分後には限度額の25万ドル(約2500万円)に達したという。

Shypはフェリス氏のネームバリューを後ろ盾に、HomebrewやSherpa Venturesからも135万ドル(約1億3500万円)の資金投資も受け、総額210万ドル(約2億1000万円)の資金調達を得たのだった。

「ラヴィカント氏は僕たちスタートアップのためにできることはしてあげたいと、心底思ってくれているんだ。彼に出会えたことに本当に感謝しているよ」(ギボン氏)

「使われるウェブサービス」となるためのポイント

前述のフェリス氏は以下の点を高く評価し、投資の決断をしたようだ。

1. 潜在ニーズの大きさ UberやEvernoteと同様、多くの人が頻繁に利用しうるサービスであること

2. 差別化 多くの同業者が同日発送に力を入れる中、梱包の段階に注目している点

3. 利便性 不便なことを便利にしている。

あなたがウェブサービスを立ち上げようとしているのであれば、これは参考になるだろう。

同社のビジネスモデルにも触れておこう。一見するとShypのサービスは、ほとんど利益が出ないように見えるが、ShypがTechCrunchに明かしたところによると、収益のカギは1日に扱う荷物の量なのだという。

1日に何百、何千個単位で荷物を扱うことにより、配送業者との取引単価が割安になる。それによって、定価との差額が生まれ、収益となる仕組みだ。

現在ベータ期間として、サンフランシスコで10人の集荷人を雇ってサービスを行っているが、近い将来にはウェイティングリストに入っている地域を参考に、次なる都市で展開していく予定とのことだ。

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