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宝島社、女性誌「付録商法脱却の動き」を裏から読む

ところで宝島の女性誌で付録商法から撤退の動きがあるので、その話でも。

付録廃止を決めたのは、とりあえず『CUTiE』と『SPRiNG』。結果を見て、他の雑誌でも検討していくと思われる。

宝島社といえばご存知、この出版不況の勝ち組。ブランドを取り込んでの雑誌付録・グッズ付きムック乱発で業績を上げてきた。

そもそもなぜ付録商法が優れていたかといえば、多品種少量販売でも利益を出すべく、極端に合理化が進んだ流通網が背景にある。しかも減ったとは言うものの、販売店たる書店は、全国に1万店舗以上ある。これをいわば「効率的な雑貨ルート」と見なして利用したのが、付録商法の本質だ。

ブランド側から見れば顧客候補を育てることができるし、媒体側にとってはブランドを取り込んで広告掲載を勝ち取れる。読者は安価で「憧れのブランド」の小物を入手できる(ノベルティーレベルとはいえ)。

不景気のデフレ期にまことにふさわしい戦略だった。

とはいえ、100円ショップのバッグにロゴ印刷した程度のできのバッグインバッグとか、5つも6つも持ってても仕方ないじゃん。それに今は安部総理の金融緩和が功を奏して景気が上向き雇用状況も改善されてきたし。

今さら貧乏臭いノベルティー持っててもなあ……、とか考える層は確実に増えている。

加えて今の女性誌トレンドは小型版だ。スマホ時代で持ち歩く物理量が減った分、バッグの小型化が進んでいる。それに対応した小型版が売れている状況で、付録を差し挟むカサは今後、確実に減る。

それに宝島社と限っての付録商法は、2012年にすでにピークを打っていると思われる。

――などという状況を勘案して踏み出したものと想像できる。

宝島は、付録商法で女性誌トップ出版社にのし上がった。出版業界的に裏から考えるなら、その過程でブランドもうまく押さえ終わっただろうから、今さら付録で広告を誘引する必要性も薄れただろうし。

どんな分野でも、挑戦者がのし上がっていくときと王者の防衛戦で戦略が違うのは、当たり前だ。

今後、どこに力入れるんだろうな、宝島。「この○○がすごい!」ブランドをネットにガンガン展開していくと面白いと、個人的には思うんだけどさ。でも女性誌のようにデカい金が動く媒体じゃないから、やっぱ女性誌最優先にはなるだろうけど。

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