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家計の7割が消費増税の影響を軽微と感じている?~世間知らずの「箱入り新聞業」が実施したおかしなモニター調査

(2014年6月10日)
「家計の7割が消費増税の影響を軽微と感じていることが、日本経済新聞社の読者モニターへの調査でわかった。増税について『生活への影響はない』『実感はない』とした人が合計43%。『節約で吸収できる』との回答を合わせ68%に達した。これまでの家計見直しの成果が表れ、所得環境の改善もあって冷静に対処する世帯が多い」(10日付日本経済新聞 「生活に『軽微』7割」)
日本を代表する経済紙らしい記事が掲載されました。この記事の主旨は、「家計の7割が消費増税の影響を軽微と感じている」のだから、消費増税に伴う景気の落ち込みは一時的である。故に、来年消費税率を10%に引上げても問題はない、という流れを作ることだと思われます。

しかし、記事を見てみると、33.8%と最も比率の高い「生活に影響ない」という回答者は、その理由として「事前の駆け込み購入」や「普段の倹約」を挙げています。つまり、「生活に影響はない」という回答者の多くが、「生活への影響」を食い止めるための防衛策をとっている、要するに「生活に影響が及んでいる人達」ということです。

「事前の駆け込み購入」や「普段の倹約」によって「生活への影響はない」と答えた人達は、「節約で吸収できる」と回答した人達と何が違うのでしょうか。

「駆け込み購入」や「普段の倹約」によって出費を抑える行動をしている人達を「生活への影響はない」として、「実感はない」と回答した人と合わせて43%だと報じる日本を代表する経済紙の神経は、一般の常識人には理解しかねるものです。

常識的な判断をすれば、消費増税の影響を受けていないのは「実感はない」と答えた9.0%の人達だけで、90%以上の人達が「消費増税の影響を受けている」ということです。それを、日本を代表する経済紙は何故か「家計の7割が消費増税の影響を軽微と感じている」と報じているのです。

このモニター調査は、設問も、その解析もおかしなものになっているようです。それは、おそらく「大半の家計が消費増税の影響を軽微と感じている」という結論を得るために行った、「結論ありきで実施された調査」だったからだと思われます。

「普段の節約」を含めて「節約で吸収できる」ということは、家計が支出を増税前から増やさないようにしているということです。増税前と増税後で家計の支出が変っていないのだとしたら、それは民間企業の売上が実質的に落ちているということを意味します。そしてこれは、日本経済の下押し圧力になるものです。

政府や日銀が主張する通り、経済の好循環が起きているのであれば、家計は消費増税分支出を増やして然るべきです。必要なもの、欲しいものをこれまでと同じ分量購入していれば、消費増税分支出が増えるべきだからです。

そもそも消費税率の引上げは3%ですから、これによって家計が一変に崩壊することなどあり得ない話です。企業でいう損益分岐点が97%以上の家計ばかりであるわけではありませんし、「節約=購入数量を減らす」という防衛手段もあるからです。

日本を代表する経済紙はこうした現実を無視し、「消費増税の影響軽微」だと報じています。しかし、それは「直ぐに家計のやりくりが出来なくなることはない」ということであって、「日本経済に悪影響を及ぼさない」ということではありません。

消費税率が10%に引上げられても、家計の多くは「普段の節約」を含めて「節約で吸収できる」と答えるでしょう。消費税率が10%に上がったからという理由で家計を崩壊させるわけにはいかないのですから、消費税率が10%に引上げられれば、さらに2%「節約」に励むからです。

しかし、それは日本経済に悪影響を及ぼすことに変りはありません。

本来、日本を代表する経済紙が着目すべきは、「家計の7割が消費増税の影響を軽微だと感じている」ことではなく、「家計の3割以上が消費増税の影響が重大だと感じている」ことです。

日本を代表する経済紙が、消費増税の影響を正しく認識できないのは、新聞業が「独占禁止法」における「特殊指定」として独占的取引を認められていて、販売しなければならない新聞を販売店に押しつける「押し紙」が横行しているからかもしれません。もし「押し紙」のようなことが行われていないとしたら、自紙の実際の販売部数の変化を見ていれば、消費増税の影響を肌で感じることが出来るはずだからです。

日本を代表する経済紙が、本気で消費増税による影響を正確に調べたいのであれば、設問がおかしな、結論ありきのモニター調査などを行うのではなく、「独占禁止法」における「特殊指定」の解除を求め、他の多くの民間企業と同様に、自由競争社会に身を置いてみることをお勧めします。

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