- 2014年06月10日 11:34
中野区長選挙で見た「つまらない選挙」の典型例
この日曜日が投票日で、翌日に開票された中野区の区長選挙の結果が出た。現職の4選だった。得票および投票率は、以下の通りと発表された。
田中大輔 30,751 自民・公明・維新・みんな推薦
喜治賢次 24,189 民主・結い・生活ネット推薦
宮本智 19,944 共産・社民・新社会推薦
投票率 29.49%
民主推薦の喜治賢次は、地元選出の長妻昭議員が全面的に支援に入って選挙期間中の行動を共にし、蓮舫議員も2回にわたって応援に来るなどして人を集め、健闘して得票差2割にまで迫ったのだが、現職の壁はやはり厚かった。おなじく現職への批判票だった宮本智の得票を加えれば、批判票は1.5倍近くにもなるのだから惜しまれる。しかし首長選挙は当選1名の小選挙区と同じだから、割れた票がいくら多くても結果にはつながらない。
現職区長は、自らが登場した12年前には「首長多選の弊害」を説いて当選し「4選以上は自粛」の条例を制定した。今回はその条例を廃止しての4選立候補だったから批判の声も大きかった。たまたま駅前空地の再開発という目に見える変革期を迎えたのだが、これをすべて自分の業績のように言い立てたのは便乗の要素が大きい。開発計画には生活者ネットなど市民団体の超高層反対で、防災公園との調和など、環境が緩和された経過もあったのだ。
とはいうものの「中野の町もよくなった」というムードが、現職に有利に働いたのは事実だろう。自民党の応援団は、それを前面に押し立てて宣伝していた。細かいことにごちゃごちゃ言うなという態度で、今の安倍政権の姿勢と通じるところがある。任せておけば安心と思わせたかったのだろう。
それにしてもだ、3割にも満たない投票率はひどかった。最低記録かと思ったら、下には下があるもので、過去には25%台という記録があるそうで、今回は「下から3番目」だったそうだ。東京の区民には「自治体に住んでいる」という感覚が薄いのではないだろうか。ゴミ収集でも介護でも学校や保育所でも、区の行政には世話になっているのにその実感がない。都民ではあっても区民だと思っていないとしたら、本当はその反対なのだが。
以前に、投票率が10%にまで下がれば小選挙区でも共産党が勝てると計算したことがあるが、それに期待するのは邪道だろう。みんなが参加して政治を変えるという、選挙の本来の機能を回復するためには、本当に、どうしたらいいのだろう。



