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平成23年度「菅・野田」決算は自公民3党のみの賛成で是認 24年度「安倍補正」は民主党反対に回る

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[画像]平成23年度決算の是認(承認)に賛成する自公民3党、参議院決算委員会=参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【参議院決算委員会 2014年6月9日(月)】

 国会の一番長い年となった平成23年度(2011年度)、平成24年度(2012年度)の決算が是認(承認)されました。

 平成23年度決算の是認は、自公民3党のみが賛成しました。結果論としては、3党合意3党(与党・民主党の岡田3兄弟と、野党・自民党の谷垣総裁、石原幹事長、石破政調会長ら、公明党は同じ執行部)だけが賛成したことになりました。

 24年度決算ですが、意外なことに、民主党が反対にまわりました。野田内閣が組んだ予算ですが、政権交代後の安倍内閣の1次補正を「公共事業大盤振る舞い」「必要なく不透明な基金を積み立てている」と激しく指弾。野党にすばやく様変わりして、3党合意から、安倍内閣を激しく批判する方向に舵を取りました。

 政府に対する警告決議は、全会一致で可決しました。

あさっての本会議に上程され、委員長報告の後、可決する見通し。

 今国会、2年分の2本立てで、毎週月曜日午前10時から午後6時まで(例年は午後1時から午後6時まで)、省別審査をしてきて、きょうしめくくり総括質疑の後、採決されました。

 東日本大震災・原発事故は、2011年3月ですが、予算は菅直人内閣(野田佳彦財務大臣)が編成した政府原案を両院協議会を経てそのまま成立させてもらっています。その後、5月の大型連休中に全会一致で1次補正。そして、菅内閣退陣と引き換え(辞任3条件)に2次補正。野田内閣(安住淳財務大臣)が11月には11・5兆円の3次補正「いわゆる復興予算」、戦後2度目の4次補正。そして平成24年度予算は、最後の最後、安倍内閣によって1次補正されました。

 きょうの決算審査にわたり、予算書・決算書をあらためて、23年度・24年度決算を、当時の与党・民主党を思い浮かべながら、読み直しましたが、壮絶。

 あまり印象はなかったのですが、自治体と消防を担当する総務大臣は片山善博さんでした。発災直後から、「阪神大震災と今回の震災を比べると、失礼ながら、今回の被災自治体はどこも財政状態が悪い」と繰り返し答弁していました。この指摘は現在になってとても大きいと考えます。

 漁協や、日弁連がおす「法テラス(司法支援センター)」の歳出は早い時期から計上されていました。野党・自民党の塩崎恭久さんが主導した国会事故調査委員会の予算も少額とはいえ入っているのが、ピリリと効いていました。ただ、もっと短期間でもっと税率が高い臨時増税(たとえば臨時消費税)をやって、東京電力福島第一原子力発電所の封じ込めに大量の税金を投入すべきだったように思います。がれき処理予算で環境省が平成23年度当初の0・2億円から最終補正後1・6兆円になったのですが、けっきょくほとんど繰り越してしまいました。莫大ながれき処理予算を繰り越すならば、まず放射性物質の発生源である「東電原発」を徹底的に封じ込めるために、何が何でもお金を積んで、国の内外、時の今昔を越えて、その決意を表現すべきだったように感じます。

24年度当初を90兆円に抑え込んだのは驚異的。もちろん、復興特別会計の創設、前年度からの剰余金・繰越金が多かったこともありますが、「倹約マインド」が見られます。

 改めて、江田五月環境大臣(兼)法務大臣の「がれき処理ができるように、環境省の役人を現地に泊まらせて対応にあたっています」、平野達男・初代復興大臣の「復興庁にはつるし上げにあったから被災地に行きたくなくなるような職員はいませんよ」とのまさに、行政を越えた政治家の勧進帳答弁。中野寛成・国家公安委員長の「警察はご遺体の収容に全力を尽くしているが、警察はあまり重機を持っていないので難航している」という、平時に思いもつかなかった指摘。

 そして、平成23年度第3次補正にまぐれこんだ、全国防災対策費こと、復興予算の流用。参議院で復興基本法に穴をあけておいて、今ぬけぬけと大臣をやっている、某被災地選出女性議員はきょう答弁することはありませんでした。

 それらも含めて、平成23・24年度決算を自民党も含めて、賛成(是認)したということです。

 民主党の政府であれ、自民党の政府であれ、良いこともあれば、悪いこともあります。

 政府に対する警告決議では、「(1)略(2)ODAのベトナム・インドネシアなどでの不正(3)研究・開発費の使い切りなどを止める(4)JEED高齢・障害者雇用福祉機構の集中訓練の20億円の不正入札などを改める(後略)」などとしました。

討論では、驚いたことに、民主党が平成24年度決算に反対しました。安倍内閣の「大盤振る舞いの公共事業補正」と「大量の基金の積み増し」を問題視しました。すばやく野党に戻って、しっかりと自民党を監視しているようです。

 共産党は、平成23年度決算について「民主党政権2年目。(菅副総理・国家戦略相がまとめた)新・成長戦略にもとづく大企業優先の2兆円減税が盛り込まれており自公政権となんら変わらない」としてうえで、24年度とあわせて「復興予算は流用、八ッ場ダム建設費、米軍基地のグアム移転費も盛り込まれた」と一刀両断。国有財産無償貸し付け計算書には、「国が自治体に公園を無償で貸し付けており、有用」

 社民党の又市征治決算委員は、「23年度予算は社民党も当初の編成にかかわったが反対。元気な日本の復活予算、とうたいながら扶養控除の廃止など新自由主義的色彩がみられ、震災後の大胆な組み替えもなかった」とし、「24年度予算も前年にもまして、国民の生活が第一、という理念から外れた」と批判しました。やはり野におけ、社民党、としかいいようがありません。

 いずれにせよ、片山指摘は、国にもあてはまります。執行中の平成26年度予算の裏打ちとなる、平成24年度改正消費税法(社会保障と税の一体改革法)は、数年後に参決算委で審査されます。後世の歴史の審判はこれから。ほぼ間違いなく、高い評価を得られるだろうと安堵しております。

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