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公認会計士のいないスタートアップはIPOできない!?

スタートアップに興味を持つ会計士が増えているようで。Umeki Salonにも会計士がちらほらいます。僕は慶応商学出身なので会計士の友人もチラホラいるのですが、斜陽産業で以前ほどの旨味も監査法人にはないことから、相対的に未来が明るいであろうスタートアップ業界への関心が高まっているようです。

会計士のスタートアップ転職に詳しい、株式会社ワイズアライアンス代表取締役手塚佳彦氏に会計士のスタートアップ転職事情を踏まえた上で、スタートアップ経営者が会計士採用で留意すべきポイントを伺いました。

上場目指すのに会計士が社内に1人もいないスタートアップ

シード・アーリーステージであればバックオフィスも事務業務中心で、わざわざ会計士に任せる仕事もほぼない。そのため、経理事務を雇うか、会計事務所等にアウトソースする方がよいだろう。

会計士がスタートアップに必要となるのはどのフェーズか。具体的には3億円程度以上の資金調達をし、これから上場を目指すにあたり上場準備室を設置するような段階が一番機能する。管理部長やCFO採用という選択肢もあるが、上場準備担当としての採用が一番良いであろう。

大型資金調達を担当するのであれば、IBD出身者を採用した方が良いという記事を昔紹介したが、IBD出身CFOの下に会計士を置くことで、ファイナンスに強いIBD出身者とIPO準備や会計に強い会計士のコンビでバックオフィスを盤石にするというのも良いだろう。

上場準備にあたり、監査法人や証券会社と折衝していく上で、社内に監査の実務経験がある会計士がいると円滑に実務を進められ、安心感がある。スタートアップ企業で社内に会計士を抱える企業は1割にも満たないといわれているが、会計士の採用は一考に値するのではないだろうか。いや、むしろ上場目指すなら会計士いないとヤバいよ!ヤバいんじゃね!?

会計士採るなら、2つの理由で今でしょ!

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上場を目指すなら社内に1人は会計士を採用し、上場準備室や強固な経理チームを組成したい。会計士を採用するには2014年夏がまさに「今でしょ!」というタイミングらしい。

■1:会計士が増えすぎて監査法人の先行きが不透明

会計士は日本国内に3万人。一時期から増え、毎年1,000人から1,200人の合格者を出している。監査法人に入っても中堅どころがボリュームゾーンになっており、なかなかマネージャーに出世できない。弁護士も同様だが士業は供給量が増えると需給バランスが崩れ、今までのように資格を持っているだけで安泰とはいえない。資格を活かして自身を上手くマーケティングすることで、勝敗が今まで以上に分かれていくだろう。

会計士資格を活かしてスタートアップで活躍し、上場してCFOや管理部長を務めるのは監査法人に一介の会計士として務め続けるよりアップサイドがある。監査法人に務め続けても今までより旨味が全くないことに気づいた20代の若手を筆頭に、スタートアップへの転職に興味を持つ会計士が急増しているようだ。

■2:6〜8月は繁忙期後で転職検討者が急増

これは季節要因だが、最も多いと思われる3月決算の監査が5月に終わり、時期的に夏が会計士が転職検討をしやすい時期と言われている。経営者の読者の皆さん、今でしょ!(強引だってことはわかってますw)

年収高い?ノンノン、500万円から会計士は採用可能!

会計士採用において、スタートアップ経営者の最大のボトルネックは年収ではないかと思う。筆者も、会計士は使いどころがイマイチはっきりしないわりに、高そうでフロントならまだしもバックオフィスにコスト掛けたくないなという気持ちはよく理解できるし、会計士はそこそこ年収提示しないと採用できないだろうなと思っていた。

ところが、年収500万円でもスタートアップに飛び込みたい若手会計士も最近はいるようだ。

■監査法人所属の会計士の年収

20代中盤〜後半:600万〜800万
30代前半:マネージャーで1、000万だがマネージャーになれるのは2割程度

■スタートアップ採用時の会計士の目安年収

・500~600万の提示でも20代の会計士なら採用できる
・600~800万の提示なら30代やコンサル経験のある会計士も対象になる
・めったにいないがCFOやファイナンス経験のある会計士だと800万以上となることが多い(通常のCFO採用と同じ水準)
・もちろん、上記にストックオプションがあれば会計士はより前向きに考えてくれる

予想より高くないんだな!というのが筆者の感想。

8割がスタートアップで通用しない?会計士の能力とは

会計士の8割がスタートアップでは通用しないだろうと手塚氏は語っていたが、残り2割のスタートアップ向きな会計士が持つ汎用的な能力とはどのような能力だろうか。

大前提としてスタートアップには明るく、コミュニケーション力が高く、人間関係が泥沼でも業務を遂行できる精神的なタフ人材がスタートアップには向く。また、会計士は監査やデューデリなど数字を元にしたハードワークは得意でも、マニュアルや規律も整備されておらず、日々めまぐるしく状況が変わるジェットコースターのような環境での業務を得意とする人材は少ない。スタートアップのそんな環境でもミッションをやり遂げるというマインドセットを入社前に理解できている会計士であればミスマッチは少ないだろう。

また、会計士が監査を通して身に付ける能力は「調べ」「考え」「判断し」「実行する」能力だという。複数の上場企業の監査を経験するがゆえに応用力や柔軟性も身に付くのが強みであるといえるだろう。

監査業務はどこに務めていても似たような仕事になりがちなため、会計士は就職先との相性や報酬で所属企業を決めがちだという。しかし、最近の若い会計士はスタートアップ経営者のビジョンに共感し、事業へのコミットが高い状態で入社したいという人材も多いという。

基本的には会計士は真面目な人が多い。ダーク色のスーツに眼鏡をかけているイメージだ。筆者も大学1年時に一瞬だけ会計士の勉強をしたが、自分には合わないと思い速攻で撤退した。僕のような(飽きっぽい)人間とは真逆なんだろうなと思う。スタートアップにジョインしたら愚直に頑張ってくれる方が多いのではないだろうか。

会計士には会えるのはイベントかワイズアライアンス?

会計士採用に興味があるものの、スタートアップ経営者の周りにそもそも会計士の知り合いがあまりいないことが多いようだ。スタートアップイベントに参加すれば、トーマツや新日本など監査法人の会計士が参加しており、彼ら伝手にスタートアップ転職に興味のある会計士を紹介してもらっても良いだろう。

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もしくは今回話を伺ったワイズアライアンスの手塚氏に聞くの一手だ。

いや、むしろ手塚氏に聞こう!手塚氏は管理部門や会計業界に強い人材エージェントに10年勤務した知見を元に、会計士のスタートアップ転職事業を手掛けている。

公認会計士ナビというニッチメディアも運営し、会計士との人脈が豊富なのはもちろん、クラウド請求書管理サービスMisoca(みそか)のアドバイザーも務めているため、スタートアップ業界の事情にも詳しい。

明日にでも話を聞きたい人はFacebookで連絡!
明後日以降でもいい方は問い合わせフォームで連絡!
ゆるく興味を持たれた方はコーヒーミーティングでいつかお茶したい!

最後に会計士のスタートアップ転職事例をいくつか紹介し本稿を締めよう。

■スタートアップ所属の会計士

・DLE(2014年3月マザーズ上場)CFO川島氏(あずさ出身)
・UZABASE執行役員村上氏(PwC出身)
・スターフェスティバル小池氏(あらた出身)
・シフトCFO福元氏(トーマツ出身)
・MUGEN UP CFO丹治氏(新日本出身)
・リアルワールド井上氏(あずさ出身)参考記事
・パンカク(コロプラに売却)CFO山田氏(トーマツ出身)参考記事

■おまけ:スタートアップ注目のCFO

・メタップス山崎祐一郎氏
・Retty奥田健太氏

あれ、あんまスタートアップにCFOっていない…

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