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会計不正事件-別のところで火の手が上がる内部告発の脅威

内部通報・内部告発の脅威をまざまざと感じさせる粉飾事件が本日付けの第三者委員会報告書で明らかになっています。会計不正事件にご興味がある方で、もしお時間がありましたらご一読をお勧めいたします(JBR「第三者委員会調査報告書受領のお知らせ」 )。

「こんな不正が行われている」と、JBR社の会計監査人のところへ内部告発があったので、その監査法人が念のため、調査をしてみると、内部告発の対象となっていた不正は認められないものの、子会社の代表者と親会社から派遣されていた管理責任者とがグルになって粉飾をしている疑惑が発覚、急いで第三者委員会の設置を要請して、今回の不正発覚に至ったというものです。ちなみに、第三者委員会は、念のため内部告発の対象とされた事実についても調査をしてみましたが、そっちは特に不正とは言えないとの判断です。

全く別の事実について内部告発がなされたにも関わらず、その告発が契機となって、親会社の連結決算に重要な影響を及ぼす粉飾が発見されたというのは珍しいと思いますが、しかし、監査法人に対する内部告発がなければ、このような重大な会計不正事件が発覚しなかったわけです。このように誤謬ではなく、不正による粉飾が(発覚されないままに)世の中にはたくさん存在するのであり、幹部役員が内部統制を無効化するような粉飾について、これを明らかにするためには(やはり)内部通報や内部告発しか方法はないということでしょうか。

このような事例をみると、子会社不正を親会社が見抜くことのむずかしさを痛感します。ただ「火のない所に煙は・・」といいますか、たとえ財務報告の信頼性に影響を及ぼすとまでは言えないような告発でも、当該企業の「会計監査軽視の風土の顕れ」を示すものとして、きちんと対応しておいたほうが良い・・・という教訓にはなりそうですね。また、第三者委員会報告書では詳しく述べられていませんが、何度も子会社化することに難色を示していた親会社が、なぜ、当該会社を連結子会社化したのか、そのあたりを仔細に検討してみると、親会社として当該子会社の会計報告を特別に注視しておくべき問題点がなかったかどうか、疑問点が浮かび上がってくるのかもしれません。

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