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マイナーのクレイジーさがタコツボを突破する

■ソーシャルセクターへの諦め

どうもこの頃の僕は、「日本のソーシャルセクター(NPOをはじめとする社会貢献組織)」のあり方にある種の諦めのようなものを抱いている。

それぞれの団体は懸命に、かつ革新的に仕事をすすめていることだろうが、そこに含まれる「文化」はやはり日本的であり、丸山真男のいう「タコツボ」主義なところも多い(「タコツボ」解説はこのブログなど参照→タコツボ型とササラ型)。

タコツボ以外にも、

「マネジメント層に比べて現場が弱い」

「その現場はニッチを狙うがゆえに『無難な』現場にながち」

「無難なゆえ『学生ノリ』が抜けない」

「結局強い現場は旧来的組織が担うが、旧来組織はNPOよりさらにタコツボ主義」

等の事情が重なり、若干僕は弱気になっている。

いや、自分の仕事に弱気になっているというのではなく、若い世代のソーシャルセクターでさえタコツボ主義をはじめとする日本文化から逃れられないのだとしたら、あと50年たってもそれほどの変化は得られないだろうと諦めかけているのだ。

だから、とりあえずはこれまで行なってきたようなソーシャルセクター分析はおいといて、日本文化や経済現象を表象する出来事そのものをもっともっと取り上げてみようという気になもなっている。

■「think different」のcm動画

そんな時、アップルのWWDC情報でも見て日々の業務から逃避していたのだが、久しぶりにあの「think different」のcm動画を見た。

ナレーションはスティーブ・ジョブス。実際に使われたのは俳優のリチャード・ドレファス(『アメリカン・グラフィティ』等、70年代後半のハリウッド文化を代表するプチ・カウンター・カルチャー俳優)で、ジョブズ・バージョンはボツだったらしい。

あのキンキンした声で、ジョブズはこんなことを語る。

'''クレージーな人達がいる。

反逆者,厄介者と呼ばれる人達。

四角い穴に、丸い杭を打ち込むように物事をまるで違う目で見る人たち。

彼らは規制を嫌う。彼らは現状を肯定しない。

彼らの言葉に心をうたれる人がいる。

反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。

しかし、彼らを無視することは、 誰にも出来ない。

なぜなら彼らは物事を変えたからだ。

彼らは人間を前進させた。

彼らはクレージーと言われるが、 私たちは彼らを天才と思う。

自分が世界を変えられること

本気で信じる人達こそが、 本当に世界を変えているのだから。'''(アップル公式訳)

■pop out the other side

有名なこのナレーションについて、ジョブズは別のところでこう解説している(weblioよりシンク・ディファレントのコンセプト

'''大人になると、この世界とはこういうもので、自分の人生も、その中にある人生を生きることだ、と言い聞かされることになりがちだ。壁を叩くようなことはしすぎるな。良い家庭をもって、楽しみ、少しばかりの金を貯めよう。

人生だと思っていたことも、突いてみることができ、自分が何かを押し込むことで、反対側で何かが突き出たりするのだと悟り、人生は変えることができると理解すれば、自分で人生を造形していくことができる。それこそが、おそらく何よりも大切なことなのだ。'''

When you grow up, you tend to get told the world is the way it is and your life is just to live your life inside the world. Try not to bash into the walls too much. Try to have a nice family life, have fun, save a little money.

The minute that you understand that you can poke life and actually something will, you know if you push in, something will pop out the other side, that you can change it, you can mold it. That’s maybe the most important thing.

■マイナーのクレイジーさがタコツボを突破する

今回のブログは引用が多いが勘弁して下さいね。

もうひとつ、スタンフォード大での有名なスピーチ「ステイハングリー、ステイフーリッシュ」の動画も貼りつけてみよう。

ここでの「フーリッシュ」は、上の「クレイジー」とほぼ同義だと僕は解釈している。

クレイジーでフーリッシュなonesが何かを突破するとジョブズは首尾一貫して語り続けており、そのonesがたとえどういう人(具体的なタイプ・「障がい」等には言及しない)だろうが、突破する。

ジョブズがマーケティングとブランディングを嫌ったことも、こういう思想とつながるだろう。

僕は結局、なんだかんだいいながら(フランス現代思想・グローバリゼーション分析、支援システム構築、「障がい」の環境整備等)、こうしたクレイジーさやフーリッシュさをまだ信じている。

それは、日本のタコツボ文化では今も未来も「マイナー」でありつづけるだろう。僕もずっとマイナーだろうが、マイナーのクレイジーさが、タコツボを突破するといまだ信じ、やっていくことにしよう。★

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