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維新分党の真実と、私の進む道

 日本維新の会が“分党”することを正式に決めました。この騒動を巡ってはマスコミがおもしろおかしく書きたてていますが、内部にいた人間として冷静に、真実を明らかにしたいと思います。

 自民、民主、みんなの党の所属議員によって結成された日本維新の会と、たちあがれ日本が衣替えし石原慎太郎氏が代表に就いた太陽の党が合流したのは2012年11月17日。ちょうど私が衆議院議員選挙の公認候補として発表された記者会見の、たった数時間前でした。

 当時は突然の合流に驚き、違和感も覚えました。しかし、自分の選挙準備でそれどころではなく、冷静に状況を観察できるようになったのは2013年も明け、国会議員秘書として国会に勤務し始めたころです。そのころには私の見方も変わっていました。

 国政において、国民の皆さんの目に見えるのはごく一部。その裏では国会議員による様々な折衝・調整や政党職員、国会職員、議員秘書らが働いています。総選挙直後に迎えた維新にとって初めての国会で、そうした陰の働きを支えたのは旧たちあがれ日本のメンバーの皆さんでした。

 国会ではNHKで放映される量の何十倍もの本会議と委員会が連日開かれ、その会議を開くために理事会や理事懇談会が開かれ、その調整のために党内の国会対策委員会会議が毎朝開かれます。経験豊かなたちあがれ日本の秘書団や政党職員の皆さんがいたからこそ、生まれたての政党がまともに国会活動を始めることができたのです。

 初当選のメンバーにとってもベテラン議員の存在は小さくありませんでした。なにせ地方議員出身者以外は国会で質問するのも初めて。議員としての振る舞い方から他党議員や官僚との接し方、質問の仕方、法律の作り方まで何もわからないのです。議員ではない私も含めて、多くのことを学びました。

 「政策が違うのだから、一緒になれるはずがない」。こんな声が当時から多くのマスコミによって言われていましたが、それも違うと思います。中央集権から地方分権へ、しがらみを排して効率的な政府を作る、こうした基本的な政策はほとんどの議員が共有しています。自民党や民主党と比べて、明らかに政策の幅は小さいと断言できます。

 ただ、議員間で異なっていたのは政策の優先順位のつけ方でした。大阪維新政治塾の出身者をはじめとした維新の会のオリジナルメンバーが既得権益の打破や政治・行政の効率化を優先的に追及しようというのに対し、旧太陽の党系議員など保守思想を重視する議員も多かったのです。

 例えば維新の会の中には安倍政権を評価する声が多いのですが、前者が経済政策の三本の矢(三本目は折れかかっていますが)やTPPなど経済政策をより評価しているのに対し、後者は集団的自衛権の議論や武器輸出の緩和などをより評価している、といった具合です。

 日本の再生という大目標は同じであり、それに向けた多くの政策も共有していましたが、その方法論が異なっていました。その結果、党内には徐々に溝が深まっていきました。その溝が決定的になったのが、今回の「憲法観」を巡る立場の違いです。

 憲法を改正しなければならない、この思いは党内で全員が共有しています。しかし、石原氏らが「米国に押し付けられた憲法を破棄し、自分たちの手で自主憲法を作ろう」と主張するのに対し、あくまで現行憲法を認めたうえで、通常の手続きによって憲法改正を目指そうという声が根強かったのです。そこが最終的な溝となり、分党という結論となりました。

 橋下、石原両代表がお互いを思いやり、「断腸の思いでの分党」を表明したのに対し、一部で互いの陣営をさげすみ合っている声が漏れているのは本当に残念なことです。今後も協力できるところは協力する、是々非々の関係として競い合っていかなければならないからです。

 今回の分党について、有権者の皆様には混乱をお詫びしたいと思いますが、私は非常に前向きにとらえています。維新の会結党からこれまでが第一のステップ、これから統一地方選までが第二のステップ、本格的な政界再編を経て政権をとるまでが第三のステップです。

 政財官の癒着から生まれるしがらみを排して日本経済に活気を取り戻す。地方分権を徹底し、効率的な政治・行政体制を作る。そして日本が、日本人が本当の意味で独立する。そんなゴールに向けて、維新の原点を忘れず、私もしっかりと前に進んでいきたいと思います。

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