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世界が動く

それぞれ国家の利害、思惑で駆け引きが繰り広げられている。

まずは春先より緊迫しているウクライナ情勢。ロシアと欧米各国がそれぞれの意見をぶつけ合う。ウクライナ国内では大統領選が行われ、欧米寄りの大統領が誕生したが、これに反対する親ロシア派の武装勢力の不満が未だ収まらない。

ウクライナの国内情勢は混沌としている。現状、大国ロシアの豊富な天然資源がウクライナをはじめ欧州各国の経済を支えている構図があるから、事は簡単に収束しない。

ロシアのクリミア編入に物申したい欧州各国。しかし、物申せばエネルギー確保(天然資源をロシアに依存しているから)がままならなくなる。ウクライナ国内についても天然の資源を多く抱える東部地区ではロシア勢力が強く。

大都市を抱える西部地区では欧米寄りの勢力が強く人口もこちらの方が多いため、大統領選では、親欧米派の大統領が誕生した。

欧州各国の生命線を握る(エネルギーの供給という生命線をロシアがにぎっている)ロシアではあるが、武力によりクリミアを制圧するなど国際世論を味方につけることは出来ず孤立化している。

また、アジアに目を向けると南シナ海ではベトナムの船に中国の船が体当たりする過激な事件が頻発する。南シナ海を巡ってはベトナム、フィリピンと中国が領有権を巡りつばぜり合いをしている。となりの東シナ海においては尖閣諸島問題等、日本と中国のぶつかりあいが数年前より幾度も報道されているからクライアントの皆さんも知っているだろう。

経済力にモノを言わせ拡大路線を強硬に進める中国と関係各国の領有権を巡るこれらの問題もそれぞれの国の思惑が交差する。たとえば、ベトナムの貿易取引の多くは中国に依存している。衣料品や電気製品を米国などに多く輸出しているが、一方でそれらの原材料や設備はほとんど中国から輸入している。

東南アジア諸国連合(ASEAN)の多くは経済的に中国と密接な関係を持って発展しているために、簡単に南シナ海で中国とドンパチできない事情はあるものの拡大路線を展開する大国中国との溝は深まるばかりである。こうした中国の動きをけん制あるいは中国依存からの脱却をする意味でもTPPの早期の妥結が欠かせない。

アメリカもアジア重視の戦略を唱え、台頭する中国をけん制しながら、大国同士の利害をうまく調整し付き合おうとしている。TPP交渉の早期合意にはそうした側面がある(アメリカの力を借りて、ASEAN諸国や日本は中国の台頭あるいは依存を抑制しようとしているし、当のアメリカも中国のアジア圏での拡大路線をけん制したいと考えている)。

ところがこのTPPも各国の利害が衝突し、昨年末までになんとか大筋合意を目指したものの、連日報道されているとおり、未だ合意にまで至っていない。

ここでも途上国と日本、米国との思惑がぶつかり合う。大国どおしの日本と米国ですら先頃トップ同志、安倍総理とオバマ大統領が銀座で寿司を食ったにもかかわらず、まだまだ意見の対立が埋まらず2国間でも大筋合意に至っていない。

米国は米国で今年の秋に中間選挙があるために、なんとしてもオバマ大統領の成果として早期にTPPを取りまとめたい思惑があるが、各国に譲歩しすぎれば国内世論にたたかれ、結局選挙で負ける羽目になる。

これは米国だけに限らず、各国とも同様の事情を抱える。他国により多く譲歩すればするほど、国内世論にたたかれるのはどこの国でも同じである。

日本においても農業、医療の解放を叫べば叫ぶほど各業界団体が大騒ぎし、族議員の政治家たちが立ちはだかり、安倍総理は窮地に追い込まれる。

ここ最近は東欧で孤立化したロシアのプーチン大統領とこれまた南シナ海、東シナ海で孤立化している中国の習近平が会談を行い親密度を深めるような演出している。

米国の安価なシェールガスに市場を占有されてしまう不安を抱えるロシア(ウクライナの件でロシアは天然ガス供給先のお客である欧州を無くすかもしれない)と今後もエネルギーを大量確保する必要のある中国の思惑がかみ合い、近隣諸国と揉め事を起こしているもの同士が、数十年にわたるエネルギー供給の大型契約(ロシアが中国に天然資源を安定供給する契約)を結んだというニュースが飛び込んできた。

貿易を巡る問題(TPPなど)、エネルギー事情を巡る問題、あるいは民族間の対立、さまざまな各国の思惑・利害・戦略が交差し、これらのことの多くが株式市場や為替市場、債券市場(金利情勢)などのマーケットに影響を与え、しいては私たちの暮らしに跳ね返ってくる(貿易の問題においては【人】【モノ】【金】が動き、エネルギーは私たちの生活そのものの根底を揺るがす)。

また、こうした世界各国の動きなどにも配慮しながら、リアロケーション(投資信託や変額保険の配分の変更)を実施していくのである。

クライアントの皆さん、なんとなくでもいいから常々、世界中の動きをチエックしておいてください。だって私たちは≪世界≫分散投資をしているのだから。
国内情勢だけではなく、海外情勢にも目を向けてください。

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