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「特定生殖補助医療」法案について

 現在、私は、自民党の政務調査会「生殖補助医療に関するプロジェクトチーム」の座長を務め、第三者が関与する生殖補助医療(「特定生殖補助医療」)に関する法案作成を進めています。

 生殖補助医療技術の進歩により、今や約30人に1人は体外受精で生まれるようになりました。これに伴って、生殖・分娩過程に第三者が関与し、「遺伝的な父母、産みの母、育ての父母」が一致しない事例も発生しています。例えば、男性の精子形成障害や女性の卵巣の形成不全、機能不全、摘出手術、放射線治療や抗がん剤治療、加齢などのために、配偶者の精子・卵子を用いた体外授精では挙児を期待できない夫婦がいます。また、先天的な子宮形成不全や子宮切除術を受けた女性は、自ら妊娠することが出来ません。このような場合に子供を持つためには、第三者の関与する生殖補助医療を利用する必要があるのです。平成12年度の調査では、提供配偶子を必要とする夫婦の総数は1年間に提供精子が999組、提供卵子が374組と推計されています。

 しかし、明治時代に作られた民法では、このような技術進歩を想定していないため、これらの事例に対応できず、親子関係に混乱が生じ、最高裁判所まで持ち込まれるケースも出ています。現在の技術に見合った新しい立法の必要性は、15年くらい前から諸学会から提言されており、最高裁判所も判決の中で繰り返し国会に要請していました。また、制度が出来ないために、卵子提供や代理懐胎は国内では事実上禁止されている状態にあり、多くの不妊女性が海外へ渡っています。

 第三者が関与する生殖補助医療のように、生命倫理に関係する法律の制定は、議員による政治的な推進が必要ですが、近年の与野党対立が激しい国会状況では、このような専門的議論の必要な法案に取り組むことは難しく、国会ではこの問題は放置されたままでした。国民が必要とする治療を国内で安全に受けられるようにすることは、国と行政の基本的な責務であり、早急な法制化が必要です。特に、晩婚化の影響で、不妊治療に入る女性の年齢が上昇していますが、40歳を超えた不妊女性が自分の卵子を用いて子供を得るに至る可能性は数%に過ぎず、年齢を経るごとにその可能性は小さくなります。国内で卵子提供を受けることが困難である現状では、妊娠を希望する高齢女性は、ほとんど妊娠の期待が出来ないにもかかわらず、高額を支払って、治療を繰り返すほかは方法がありません。少子化対策は国の最重要政策の一つでもあり、このような不合理な状況を正す必要があります。

 この法案の作成には、医療と法律の両面の知識が不可欠で、私は、自分の使命と考え、鋭意法案化を進めています。

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