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脱法ドラッグ、全国で40万人が使用を経験

先週、脱法ドラッグ乱用の拡がりについて全国レベルで調査した、わが国初の調査結果が発表されました。
身近に脱法ドラッグ使用者を知っていると回答した人は0.8%、また0.4%の人はこれまでに脱法ドラッグを使用したことがあると回答しています。わが国の人口に置き換えて推計すれば、脱法ドラッグの使用経験者は40万人ということになります。

芸能人の覚せい剤事件にまぎれてしまいましたが、脱法ドラッグの実態を把握する初めてのデータですので、紹介しておきます。
<ニュースから>*****
●脱法ドラッグ 推計40万人が経験
若者らによる乱用が問題になっている脱法ドラッグについて、厚生労働省の研究班は、アンケート調査の結果から国内でおよそ40万人が使用したとする推計を初めてまとめました。

厚生労働省の研究班は、2年ごとに全国の15歳から64歳を対象に違法薬物についてアンケート調査を行っていて、去年は、麻薬に似た幻覚症状などがあり若者らによる乱用が問題になっている脱法ドラッグも初めて調査対象に加え、およそ3000人から回答を得ました。

その結果、脱法ドラッグを使ったことがあると答えたのは、250人に1人に当たる0.4%で、経験者は推定でおよそ40万人に上ることが初めて分かりました。

これは覚醒剤の0.5%に次ぐ多さで、脱法ドラッグが急速に広がっていることが改めて裏付けられました。

また経験者の平均年齢はおよそ34歳で、ほかの薬物よりも若く、経験者の4割近くは「危険な薬物とは知らなかった」と答えたということです。

研究班の代表者で国立精神・神経医療研究センターの和田清部長は「脱法ドラッグの使用を隠している人もいるとみられ、実際にはもっと多くの人が経験していると予想される。脱法ドラッグが社会問題になって数年しかたっていないのに、ここまで広がっているのは衝撃的な数字だ。取締りの強化だけでなく、危険性を周知することが重要だ」と話しています。
NHKニュース 5月16日 12時01分
*****
この調査は、全国の一般住民を対象とした薬物乱用・依存の実態把握調査としては、わが国で唯一・最大のものとして、1995年以来2年ごとに行われているもので、今回発表された2013年調査では、脱法ドラッグ乱用に関する質問が取り入れられました。

調査期間は2013年10月17日~10月27日ですから、最近の実態が反映されていると言ってよいでしょう。

<脱法ドラッグ乱用の概況>
■身近に、この1年間で薬物を乱用したことがある人を知っている率
・脱法ドラッグ・・・0.8%
・大麻・・・・・・・0.9%
・覚せい剤・・・・・0.5%
■これまでに薬物を使ったことがある率
・脱法ドラッグ・・・0.4%
・大麻・・・・・・・1.1%
・覚せい剤・・・・・0.5%
■薬物を使ったことがある人の平均年齢
・脱法ドラッグ・・・33.8歳
・大麻・・・・・・・40.7歳
・覚せい剤・・・・・40.1歳

調査報告書は、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 薬物依存研究部のHPに掲載されています。細かい分析もあるので、ぜひご一読ください(下記参照①)。

調査結果から計算すると、日本には、約40万人の脱法ドラッグ経験者と、約50万人の覚せい剤経験者、約100万人の大麻経験者がいることになるといいます。ただし、何種類かの薬物の使用経験を持つ人がいるので、単純にこの数を足し算するわけにはいきません。実際、脱法ドラッグの使用経験があると回答した人のなかには、かなり高率で大麻など他の薬物の使用経験もある人が含まれています。

さて、この数字だけを見ると、日本の薬物使用者はかなり多いように思われますが、でも、欧米と比べるとやはり少ないとも思えます。報告書が「国際的に見た日本の違法薬物の生涯経験率は、『奇跡』と言って良いほど低い。」というように、欧米の同種調査と比べてみると、大きな開きがあります。この数字が日本の実態を正しく反映しているなら、誠に喜ばしいことなのですが、私はあまり楽観的になることができません。

世界の経済先進地域で同時進行している脱法ドラッグ問題に関して、これまでアメリカやヨーロッパで行われた調査について、当ブログの過去記事と見比べてみてください(下記参照②、③)。

[参照]
①「全国の精神科医療施設における薬物関連精神疾患の実態調査 2013年」
 http://www.ncnp.go.jp/nimh/yakubutsu/drug-top/data/researchJDU2013.pdf
②米国の2013年中高生調査についての過去記事
 「米国では若者の脱法ドラッグ問題は峠を越えた」
 http://33765910.at.webry.info/201401/article_4.html
③ヨーロッパの青少年調査についての過去記事
脱法ドラッグと青少年|欧米の実態調査から(2012/02/22)
 http://33765910.at.webry.info/201202/article_11.html

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