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朴大統領の「涙」について思うこと

少し時期が遅れた感がなきにしもあらずですが、韓国の朴槿恵大統領が5月19日に記者会見を開き、旅客船「セウォル号」の沈没事故について、海洋警察庁の解体や国家安全処の設立を述べ、国民に謝罪した際に、涙を見せたことについて少し。

1 効果

 この「涙」が果たして効果的だったかどうかマスコミでもいろいろ報道されています。『産経新聞』の「韓国旅客船沈没 朴大統領の“涙”効果なし? 与野党が閣僚総退陣を要求」では、以下の様に報道しております。

 韓国各紙は、涙を流しながら談話を読み上げる朴氏の写真を1面で大きく取り上げた。

 朝鮮日報は、朴政権に対する中間評価と位置づけられる6月4日投開票の統一地方選を前に、政権・与党は“涙”の効果で「支持者の減少を食い止められると期待していたもようだ」と伝えた。

 しかし、事故の犠牲者や行方不明者の家族らが、談話発表直後に不満を漏らしたことから、政権・与党側も世論の軟化は難しいとみているようだ。

 『XINHUA.JP』の「朴大統領の涙の謝罪に、韓国国民からは批判の声 『パフォーマンス』『目論見がある』―中国報道」では、「多くの韓国国民はこの談話に批判的で、『子供だまし』、『政治的パフォーマンス』と指摘する声も上がっている」としております。

 その上で、「統一地方選の前に国民に涙を見せるとは、目論見があるとしか思えない」という意見も紹介しています。

 一方同じ、『XINHUA.JP』の「『誠意感じた』『官僚社会に大きな衝撃』・・朴大統領の“涙の談話”、韓国大手メディア各社が分析―中国メディア」では、『中央日報』の意見として、「謝罪に始まり、涙に終わった。大統領の誠意を感じることができた」というものを紹介しております。

2 韓国の国民性

偉そうにどうこう言えるほど韓国の国民性を知っているわけではないので、今回の朴大統領の涙がどれだけ韓国国民に響いたかついてどうこういうつもりはありません。

 ただ、韓国では、自分の感情を表に出す人が多い(特に悲しみの感情についてはその傾向が強い)ので、私的には今回の涙もその延長で捉えたと言う話にしか過ぎません。

 確かに今朴大統領が政府内のいろいろな不手際のために、苦境に立たされており、そういう意味でパフォーマンスという批判もわからないではありません。

 ただ、私的には彼女の涙がパフォーマンスだったかどうかについてどうこう判断できませんし、するつもりもありませんが、多分韓国的にはこういう場面では泣くだろうなと思っていたので、「やはり」という感じだという話です。

3 政治家の涙

 ただ、同時に私が思ったのが政治家たるもの強くなくてはならない、国民を指導していく立場にある以上、弱さ(涙)を見せることがどうかというものもあります。

 2012年12月14日、アメリカコネティカット州ニュータウンのサンデーフック小学校で、男が銃を乱射し子ども20人を含む26人が死亡する事件が起こりました。

 オバマ大統領は同日に行われた記者会見で、「心が引き裂かれるような悲しい事件が起きた」と語り、涙を拭う場面もみられました。

 2人の娘を持つ父親でもあるオバマ大統領にしてみれば、子供が犠牲になる事態を受け、心に強い感情が沸き上がったというのはわからない話ではありません。そういう意味で、私はこうしたことを全否定するつもりはありません。

 ただ、難しいことは百も承知ですが、アメリカの大統領だったら、泣く前に銃規制などやるべきことがあるだろうという気持ちが先にたつというのが本当のところで、私的には政治家としてはあまり評価できる行動とは思えません。


4 政治家

政治家も政治家である前に人間であり、当然感情があります。結果、国益よりも自分の感情を優先されることもあり、おかしなことになってしまうことも良く目にします。

 典型的なのは収賄でしょうが、政策面でも単に自分の趣味ではないのかというものもなきにしもあらずかと思っております。

 政治家も人気商売である以上、良く言えば国民の支持、下卑た言い方をすれば人気が大事になるわけで、人間らしさを見せることで人気を得ることが往々にしてあります。

 ただ、感情に流された反応(行動)というのは、どうしてもそれだけになりがちで、特に外国との関係では、容易に激しい感情を持ちがちですが、それをいちいち表に出すようでは政治家としてはどうかという思いもないではありません。

5 最後に


 そういう意味で、私は基本的に政治家が涙を流したり、激昂するなどの感情的になるのはどうかと思っています。

 ただ、こうした行動(時にはパフォーマンス)が人気を集めることは往々にしてあることで、これを全否定するつもりはありませんが、どうもロクでもないことになる可能性が高いと思っているという話です

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