- 2014年05月21日 00:00
そんなことが実現したら、歴史的な奇跡だと思う
1/2過日、次のような報道がありました。
><人口減少>政府諮問会議委「50年後も人口1億人維持」
毎日新聞 5月13日(火)11時31分配信
政府の経済財政諮問会議の下に設けられた「選択する未来」委員会(会長・三村明夫日本商工会議所会頭)は13日午前、急激な人口減少に対応するため、「50年後(2060年代)に人口1億人程度を維持する」との政府目標を盛り込んだ中間報告をまとめた。今後、集中的に対策を講じ、1人の女性が一生に産む子ども数に相当する合計特殊出生率(12年=1.41)を2.07程度に引き上げる。政府が人口維持に向け、具体的な目標値を提示するのは初めて。
近く諮問会議に報告し、政府が6月に策定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針」に盛り込む。会合後、記者会見した三村氏は「1億人(維持の)達成は非常に困難であるが不可能ではない。目標化には一部異論もあったが、国の目標として定めることがみんなを動かす時に必要だ」と強調した。
日本の総人口(13年)は1億2730万人。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、48年には1億人を割り込み、60年には約3割減の8674万人になる。65歳以上の占める割合も13年の25.1%から、60年に39.9%にまで拡大する。
中間報告は「社会・経済の抜本改革をしなければ国際的地位や国民生活の水準が低下し、社会保障給付が増加して財政破綻を招く」と指摘。30年に出生率を2.07に引き上げ、同水準を維持することで60年人口を1億545万人程度にするとしている。65歳以上の割合も33%に抑えるという。
人口を維持するため、中間報告は出産・子育て支援策を拡充し、出生率を引き上げるよう提言。高齢者に手厚い社会保障の予算を見直して財源を捻出し、子育て世代に重点配分する。産業の新陳代謝をはかり、70歳まで働ける社会を目指すことも盛り込んだ。【中島和哉】
>1億人(維持の)達成は非常に困難であるが不可能ではない。
いや、どこをどうみても、そんなこと絶対不可能だと思いますけど。もしそんなことが実現したら、有史以来めったにないくらいの特筆すべき奇跡として長きにわたって語られつづけるんじゃないんですかね。
Wikipediaのグラフによる日本の合計特殊出生率の変遷です。
2006年以降若干数値が上がっています。これが、政府その他のさまざまな政策がプラスに作用しているのか、それとも出産する年齢のカップルの考え方の変化が大きいのか、といったことはそれなりに探求すべきでしょう。しかしこの数値が今後2を突破するなんてことはなかなか難しいんじゃないんですかね。それこそ強権をもって出産を強いるなんてレベルのことをしない限りそんなことはできないし、するべきでもありません。そしてそんな強権措置を、いまの日本でできるわけもない。また若年層の人口も減っていますし高齢者の死亡数も増えますから、ますます人口の維持は難しくなる。
どうでしょうね、読者の皆さん。このグラフを見た限りで判断すれば、
>1人の女性が一生に産む子ども数に相当する合計特殊出生率(12年=1.41)を2.07程度に引き上げる。
ということを実現しようと試みるのは、時計の針を逆回転させようとするようなきわめてばかげた行為にほかならないように私には思えます。
やれることは、出生率低下を可能なかぎり防ぐ、可能な限り上げる、ということであり、再び2を超える出生率をめざすというのはできない相談です。できないことをできると主張しても仕方ないでしょう。政治的スローガンならそれもいいですが、出生率の問題は価値観とかとは別のことです。
人口数を維持しようとするなら、それは大量の移民を日本に呼び込む以外方法はないでしょう。しかし上の記事を読んだ限りでは、出生率の引き上げを狙っているようですから、そうなるとたぶん移民はお呼びでない。空理空論にもほどがあるというものです。
ところで、Wikipediaに、「国の合計特殊出生率順リスト」、「少子化#世界各国・地域の合計特殊出生率」というのもあります。さっそくこちらも見てみましょう。
アフリカ諸国、一部アラブ諸国、インドなど南アジアの国々、一部のラテンアメリカ諸国が高い出生率ですが、私たちからすると多子というイメージがある東南アジアなどでもタイやベトナムなど、あるいていど経済が豊かになっている国では低い値であることがわかります。Wikipediaのリストによる2005年~2010年の合計特殊出生率は、ベトナムが2.08、タイが1.81です。タイの数値は、出生率の高い先進国(北欧諸国、英国、フランスなど)を下回る数値です。たぶんベトナムも、すでに2を切っているはず。
- Bill McCreary
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