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積極的平和主義ではなく「明るい人口減少・高齢化社会の実現」で世界貢献を!

 「積極的平和主義」の名のもとに、安倍政権は、集団的自衛権の行使が可能になるよう憲法解釈の変更を行なおうとしています

 集団的自衛権行使容認の問題については昨年の参院選の際にも私なりに地域の方々にお話をさせて頂きましたが、今度は、憲法の改正ではなく解釈の変更で行使を可能にしようというのですから、既に多くの方が非難されているように、とんでもない企みと言う他ありません。

 それよりも、日本がすべき世界貢献は、同じく議論が盛んになりつつある人口減少・高齢化社会の問題を克服し、そのモデルを世界に示すことだと考えます。

 名付けて、「明るい人口減少・高齢化社会の実現」です。

 政府の「経済財政諮問会議専門調査会「選択する未来」委員会」は5月13日に「未来への選択」と題した中間報告を公表しました。2012年時点で1.41の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)を2030年までに人口置換水準(人口が増加も減少もしない均衡した状態となる合計特殊出生率の水準。あくまでも子どもを産む世代の人口が均衡する水準)である 2.07にまで上昇させ、それ以降同水準を維持できれば、2060年の人口は約1億600万人となり、2090年半ばに約9700万人にまで減少したところで人口減少が止まるとして、その為に必要な変革・改革の方向性を示しています。

 少子化対策の優等生と言われるフランスは、1994年の合計特殊出生率1.66を2006年に2.0にまで回復させました。2030年までに出生率を2.07に上昇させるには、そのフランスでの「成功例」以上のペースを求められるのですから、極めて難しい目標と言わざるを得ません。しかし、私がこの中間報告に大きな疑問を感じる部分は、そもそもなぜ「1億人」程度の人口の維持を目指すのか、その根拠が明確に示されていない点です。

 恐らく、大変厳しい目標とはいえ、2030年までに2.07の達成というのは決して不可能ではなく、また、目標、目安として切りがいいというのが「1億人」の理由でしょう。しかし、今回の「中間報告」のような、人口減少が続くと大変だからとにかく早急に減少を食い止めなければならないという議論は、視野がとても狭いものにしか私には思えてなりません。

 例えば、目標通りに日本の人口が2060年に1億人程度になったとします。世界に目を転じれば、その頃には100億人弱の人口が地球上にいると推計されています。現在の約70億人から30億人も増えているのです。世界的には、食料、水、エネルギー等の争奪戦が今後ますます激化すると共に、地球温暖化等の環境問題も深刻化することが現時点では残念ながら予想されますが、「人口減少は危機だ」と言い続ける日本は、そうした世界的な問題の解決に、果たして十分な役割を果たすことが出来るのでしょうか。

「明るい人口減少・高齢化社会の実現」は究極の「省エネ」対策

 前述のように、私は、「人口が大幅に減少し、社会が高齢化しても、明るく暮らすことが出来る」ことを、人口減少・高齢化の最先端にある日本が世界に示すことが、正にこれから深刻化する様々な地球的課題の解決に最も役立つと考えます。なぜなら、「明るい人口減少・高齢化社会の実現」は究極の「省エネ」(※エネルギーだけでなく、食料や水等についても)対策だからです。

 現在の日本の場合は、中国の「一人っ子政策」のような言わば強制的な形をとることなく少子化そして人口減少が進んでいますが、地球温暖化等の問題を考えれば、現在人口増加が続いている国々に、政策的な人口増加の抑制そして人口減少を要請することが今後は必要となってくるでしょう。その際、日本が先例として「明るい人口減少・高齢化社会」のモデルを示すことが出来れば、そうした要請も説得力を持つはずです。

 集団的自衛権等の安全保障問題では国際的な議論をするのに、国内的な議論や視点にどうしても終始してしまうのが人口減少・高齢化の問題です。人口減少・高齢化が本当に悪影響しかもたらさないのであればそれでも良いかもしれません。しかし、これまでの人口増加・経済高成長の時代が必ずしも良いことばかりではないことを考えれば、一言で言えば、戦後の時代に失ってきたものを取り戻せる可能性が大いにあるのがこれからの人口減少・高齢化時代です。その対応如何によっては、日本は世界の範となって「歴史を作り」重要な世界貢献も出来るのですから、早急に、長期的かつ世界的視野から、「明るい人口減少・高齢化社会」の実現を目指して取り組むべきです。大変大きな課題ですが、私もその答えを見つけるべく、今年度、県議会に設置された人口減少対策特別委員会等で、しっかり議論していきたいと考えています。また、5月31日開催の、川勝知事をお招きしての私の県政報告会でも参加者の皆さんと意見交換が出来ればと思っています。

 お読み下さり、ありがとうございます。

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