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中国の主要な巡航ミサイル戦力

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先日、『National Interest』に掲載された中国の巡航ミサイル記事を紹介したのですが、これは次の著書の概要(executive summary)でした。

Dennis M. Gormley, Andrew S. Erickson, and Jingdong Yuan, [PDF] A Low-Visibility Force Multiplier: Assessing China’s Cruise Missile Ambitions (Washington, D.C.: National Defense University Press, 2014).

すでに概要は過去記事に取り上げた通りなので、本稿はもう少し細かい巡航ミサイルの性能について。

巡航ミサイルに限らず、中国の軍事情報は諸説入り乱れることが多いので、整理が大変です。後日の整理に役立つように、自分用のメモを兼ねて更新。

対艦巡航ミサイル(ASCM)


タイプ発射母機射程
(km)
ペイロード
(kg)
速度
誘導方式
YJ-62/鷹撃62※1
(C-602)
YJ-62A
地上発射型
(YJ-62A)
艦上発射型
280
400 (YJ-62A)
210
HE徹甲弾
亜音速
慣性航法/
終末:
アクティブ
YJ-8シリーズ
(CSS-N-4 サーディン/ C-801)※2
艦上発射型
空中発射型 (YJ-81)
潜水艦発射型 (YJ-82)
42
(YJ-8)
80
(YJ-81/C-801K)
30※3
(YJ-82/C-801Q)
165
HE半徹甲弾
亜音速慣性航法/
終末:
アクティブ
YJ-83※4
YJ-83A (C-802A)※5
その他派生型
地上発射型
艦上発射型
空中発射型
(YJ-83K)
120 (地上/艦上発射型)
250 (YJ-83K)
165
HE半徹甲弾
亜音速慣性航法/
アクティブ
YJ-91/KR-1※6
(Kh-31P)
空中発射型110
87~90
高性能爆薬/
爆風破片効果
超音速
パッシブ
AS-18 カズー※7
(Kh-59MK)
空中発射型
Su-30MK2
115320
徹甲榴弾 (APHE)/
280
クラスター弾
亜音速
慣性航法/
TV画像
SS-N-22サンバーン※8
(3M80E モスキート);
3M80MBE (改良型)
艦上発射型
ソブレメンヌイ級
駆逐艦
(956、956EM)
120 (3M80E)
240 (3M80MBE)
300
HE半徹甲弾
超音速
慣性航法 (更新可)/
アクティブ
パッシブ
SS-N-27B シズラー※9
(3M-54E1 クラブ)
潜水艦発射型
キロ級(636M)潜水艦
300
450
亜音速
衛星測位+
慣性航法/
アクティブ
CH-SS-NX-13潜水艦発射型
宋級、元級、商級




※1 最新のASCM。8隻の052C型/旅洋II型駆逐艦のみに搭載が確認されている。地対艦バージョンのYJ-62Cが福建省にTELとともに配備され、シルクワーム(85~95km)の代わりに沿岸防衛を担っているという情報もある。
※2 フランスの「エグゾセ対艦ミサイル」に似ている。YJ-81は空軍のJH-7/A戦闘機を、YJ-82は潜水艦を発射母体とする。最も広く配備されている型は、YJ-8A。折畳翼が特徴である。
※3 Jane'sでは、120km。
※4 YJ-8をベースにしているが、推進方式を固体ロケットからターボジェットエンジンを採用した。YJ-8を更新する。対レーダー・ミサイル型YJ-83KH(射程:230km)などの派生型もある。後継はYJ-12超音速ASCM(射程400km)か?
※5 5,000トン級の駆逐艦を攻撃するよう設計されている。飛行中に中間軌道を修正可能。超水平線攻撃能力もある。各種資料により諸元に差がみられる。
※6 ロシア製Kh-31(AS-17 クリプトン)をもとに開発した対レーダーミサイル。SPY-1レーダーやパトリオット・レーダーを狙う。マッハ3.5。海軍のSu-30MK2とJH-7Aに搭載。
※7 CEPは5~7m。
※8 3M80Eは、2隻のソブレメンヌイ級(956型)駆逐艦に搭載。3M80MBEは、ソブレメンヌイ級(956EM型)駆逐艦に搭載。米軍のRIM-67スタンダード・ミサイルシステムを破るために開発された。終末速度はマッハ2.5。
※9 3M-54Eの終末速度はマッハ3だが、輸出型3M-54E1は亜音速。8隻のキロ級(636M)潜水艦にのみ搭載。ロシアから150発調達。


対地巡航ミサイル(LACM)


タイプ発射母機
射程
(km)
ペイロード
(kg)
速度
誘導方式
YJ-63/KD-63※10
空中発射型
H-6H、H-6K
200
500
HE
亜音速
慣性航法+GPS/
終末: TV画像

DH-10/CJ-10※11
(東海10/長剣10)
空中発射型
(CJ-10K)
地上発射型
(3連装発射TEL)
1,500~2,000
500
亜音速
慣性航法/
衛星測位+
地形照合+
GPS誘導
KD-88
空中発射型
180~200
165
亜音速
慣性航法/
終末:アクティブ
KD-20/YJ-100(?)
空中発射型
1,500~2,000
500
亜音速
慣性航法/
衛星測位/
TV画像
DH-2000 (?)※12
潜水艦発射型
093型商級原潜

500
亜音速

YJ-91/KR-1
(Kh-31P)
空中発射型
(空軍・海軍)
15~110
87~90
HE/爆風破片効果
超音速
パッシブ
AS-13 キングボルト
(Kh-59)
空中発射型
Su-30MKK
45320
徹甲榴弾 (APHE)/
280
クラスター弾
亜音速
慣性航法/
TV画像
※10 空軍初の本格的なスタンドオフ精密誘導兵器。CEPは10~15m。 マッハ0.9。全長7.5m、直径75cm、重量2,500kg。H-6Hは2発搭載可能。
※11 東海10/長剣10。終末誘導にデジタル式情景照合装置(DSMAC:Digital Scene-Matching Area Correlation)方式を採用。誘導には北斗/コンパス衛星測位システムまたはロシアのGLONASSを利用するという情報もある。CEPは10m。200~500発配備。地上発射ランチャー(TEL)数は45~55基。
  CJ-10Kは、H-6MまたはH-6Kに搭載する。艦上発射型の開発も進められている模様。
  対艦型DH-10の研究計画が存在し、その初期段階において射程3,000kmのものがあると見られている。
※12 台湾からの情報

  DH-10に関係するものとして、3種類の紅鳥(Hong Niao) LACMシリーズ開発計画があるとされる。これは中国海鷹機電技術研究所(China Haiying Electro-Mechanical Technology Academy)がロシアの技術援助を受けたものといわれる。Jane’sではシルクワーム系列という観測であったが、Hong Niao-1(HN-1)はロシア製Kh-55グラナート(射程3,000km)に似た形状を持ち、射程は600kmとされる。1990年代にパキスタンを経由して入手した米国製トマホークを参考に、1996年に射程1,500~2,000kmのHN-2を開発。2000年にはHN-3が開発中であるとされた。
  ところが、2004年のDH-10試験の際、Jane'sはHNシリーズについて全く言及しなかった。本著ではHNシリーズをせいぜいKh-55の射程縮小版と見ている。DH-10の例があるとはいえ、射程1,000kmを超えるKh-55のR-95-300ターボファン・エンジンのような技術の開発は、中国にとって依然として大きな課題である。
  中国が独自の技術に不備を感じていることは、他国から情報を獲得するための活発なスパイ活動によっても裏打ちされている。2006年、中国の工作員であったロッキード・マーチン台湾代表の Ko-Suen 'Bill' Mooが、F-16戦闘機のエンジンやUH-60ブラックホーク、そしてAGM-129巡航ミサイルを中国に買いつけようとした。中国が関心を寄せたAGM-129は射程3,700kmの核弾頭搭載可能な巡航ミサイル。1980年代に開発されたものだが、米国は2020年までの使用を予定している。2011年にも、ステルス性排気ノズルや巡航ミサイルの赤外線探知回避技術の機密情報を中国に渡していたとして、ノースロップの Noshir Gowadiaが逮捕されている。
 

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