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サムスンの凋落が始まった

韓国経済の分析について、拙書では定期的に書いておりますが、このブログでは書いたことがないと思います。そこで、今後の韓国経済については『新興国経済総くずれ~日米は支えきれるか?』(2014年9月発売)の139~141ページをそのまま引用し、少し補足を加えさせていただきたいと思います。

(以下、『新興国経済総くずれ~日米は支えきれるか?』より引用)
話をサムスンに戻しますと、韓国ではGDP、輸出総額ともに2割超を占めるサムスンのみが潤う構造になっていることから、国内の中小メーカーがまったく育っていません。

サムスンは自国での雇用創出にあまり熱心ではないといわれています。海外株主の要請を受け、コスト削減を求めて海外へ生産拠点をシフトさせているのは、利潤の最大化を目指す企業としては当然の行動なのかもしれません。

しかし、そのような競争に勝つための行動が、自国からの雇用を奪い、ひいては自国の経済を弱体化させることになるのではないでしょうか。

私はトヨタの成功を見ていると、つくづくそう思うのです。

円安ウォン高が定着している現状で、サムスンの収益までもが悪化するようなことがあれば、韓国経済はかなり苦しい立場に陥ることになるでしょう。

それでは、サムスンはいつまで高収益を保ち続けていくことができるのでしょうか。

サムスンは主力商品の低価格競争から脱皮をはかるために、高価格・高性能の製品にシフトしている最中であります。しかしながら、ずばり結論を述べると、サムスンの天下はそうは長く続かないと考えています。サムスンの2013年4-6月期決算では、営業利益の約3分の2を稼ぎ出す携帯端末部門が前期比3.5%減と失速しているのはその予兆かもしれません。

歴史は繰り返すものです。

かつては、家電から半導体に至るまで、隆盛を誇っていたアメリカのメーカーの牙城を日本メーカーが次々と崩していきました。一部のアメリカ企業は業態を変化させ、あるいは製品の付加価値を高めることで生き残ってきました。

アメリカのメーカーを駆逐し市場を握った日本のメーカーでしたが、いまではすっかり、台頭してきたサムスンをはじめとする韓国勢の後塵を拝することになりました。

次はどうなるのかといえば、韓国のメーカーが新興の中国勢に取って代わられるのが自然な成り行きでしょう。中国には政変リスクがありますが、シャープやソニーもほんの数年でサムスンに液晶テレビのシェアを奪われたのですから、政変が起こる前にサムスンが中国のメーカーにシェアを奪われる可能性は十分にあるのです。

そうであれば、サムスンは生き残るために製品の付加価値をさらに高めて勝負するか、新たな機軸を打ち出すしかないわけです。だから、サムスンは高価格・高性能へとシフトする戦略を打ち出しているのですが、当分は揺るぎないと思われていたアップルが翳りを見せているように、デジタル家電や携帯端末の分野で付加価値を高めて勝ち続けるのは至難の業だと思います。

仮にサムスンが家電分野で技術革新を起こしたとしても、以前なら3年、いまならば1年で簡単に追いつかれてしまうので、汎用品化した製品で技術革新を進めても割に合いません。製品のライフサイクルはどんどん短くなっているので、サムスンは疲弊するだけでしょう。やはり汎用品の市場は順繰りに後から追い付いてくる新興国へと手渡していくのが自然な流れだと思います。
(引用終わり)

その後のサムスンの業績は、直近までで2四半期連続の減益となっております。ここから業績が一気に落ち込むことはないにしても、ならして見るとじりじりと右肩下がりの展開になるだろうと、私は見ております。そうなれば、韓国経済も徐々に厳しい状況に追い込まれていくでしょう。おそらく、この流れは止められません。

(お知らせ)
2月7日のお知らせにも書きましたように、今年に入ってから時間に余裕がなく、タイムリーな更新ができないばかりか、拙書等の引用による更新が多くなっております。このような状況ではたいへん申し訳ありませんので、このブログは5月を目途に終了させていただきます。恐らく、次回の更新が最後になると思います。

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