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メールはNG、LINEはOK!? 有権者が法律違反になるネット選挙の落とし穴

 2013年7月の参院選から解禁されたインターネットによる選挙活動。2014年2月の東京都知事選でも各候補者のネット活用が注目を浴びましたが、私たち有権者の何気ない行為が公職選挙法に違反する場合があります。

 有権者がうっかりやってしまいそうな、ネット選挙の落とし穴について、日本政策学校1期生でPRプランナーの薗部誠弥さんに伺いました。

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候補者の投票日当日のHP更新は禁じられている

――最初に、候補者について伺います。候補者はネット選挙解禁により何ができるようになったのでしょうか?

「候補者、政党は、選挙期間中にホームページやブログをはじめ、ツイッターやFacebookなどのSNSが更新できるようになりました。また、選挙運動用のメールが送れるようになりました」

――ホームページやSNSを活用する時に注意すべきことは何でしょうか?

「インターネットによる選挙活動も、通常の選挙活動と同じく投票日当日の更新が禁止されています。ホームページやブログだけでなく、選挙活動に利用しているFacebookやTwitterの更新も選挙活動と推定される可能性がありますので、投票日の更新は控えた方が安全です」

――電子メールの活用で注意すべきことはありますか?

「電子メールを送信するには、受信者の許可が必要です。候補者がメールを送れる相手は、送信の許可を得た人、もしくは、普段から(政治活動中)もメールを受け取っている人の中で、拒否をしなかった人のどちらかとなります」

選挙活動メールは禁止だがSNSメッセージは規制外

――次に、有権者について伺います。有権者による選挙活動メールの配信は禁じられていますが、SNSのメッセージ機能を使う事はできるのでしょうか?

「禁止されているのは、SMTP(eメール)またはSMS(ショートメール)になります。Facebookのメッセージ・TwitterのDM・LINEのトーク等は規制の対象にはなりません。また、先の都知事選でも話題に上がりましたが、メールマガジンもメールと同じようにみなされるため、注意が必要です」

――なぜ、SNSのメッセージは規制の対象外なのですか?

「メールの定義がいわゆる『迷惑メール』が規制された2002年に想定された通信方式に該当するもののみであるため、ソーシャルメディアやメッセージアプリ上での個人間のメッセージのやりとりはWebサイト等の利用とみなされているためです」

――選挙権のない未成年者に規制はありますか?

「選挙権のない20歳未満はそもそも選挙活動自体が禁止されています。特定候補の応援、投票依頼の発信・メールやメッセージアプリでの転送、SNS上でのシェア・リツイート等も禁止されています。なお、特定の候補の当選や応援を目的としない、政策・政治的な主義主張への賛成反対や落選運動に関しては、選挙活動には該当しないため規制の対象とはなりません」

――ネット選挙解禁により、なりすましや、誹謗中傷が懸念されていることについてどう考えますか?

「候補者の情報発信や一般有権者の応援の解禁が部分的なもので、公選法でもインターネット上でのなりすましや誹謗中傷、不正アクセス等に関する規制が加えられた事を考えると、あくまでも万能なツールではなく、判断材料の一つとして情報を取捨選択する事が私たち有権者には求められます」

「ネット選挙自体は本当は特別な事ではなく、選挙活動に使えるツールが一つ増えたという事ではありますが、身近なツールの利用が解禁された事により、今まで馴染みの薄かった政治への参加のハードルが下がった事はひとつの功績でしょう。しかしメールの規制に代表されるように、現行法では時代の流れに追い付いていない部分もありますので、思わぬ落とし穴にはまらないように私たち一人ひとりも理解をし、注意する事が必要です」

薗部誠弥氏【取材協力】
薗部誠弥 日本政策学校1期生/日本パブリック・リレーションズ協会認定 PRプランナー

インターネット広告代理店にてソーシャルメディアマーケティングに従事の傍ら、先の都議選では新人候補の選対本部にて主に広報・ITを担当、当選に携わる。昨夏には、日本政策学校1期生として日経ビジネス ネット選挙特集記事にて各政党・政策のクチコミ分析を手がける。
参考サイト
日本政策学校(外部リンク)
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