NYTが動画コンテンツ戦略を強化していることを以前紹介しましたが、Condé Nast、Time Inc.、Wall Street Journalも、それぞれ新たなビデオプラットフォームをつくることを明かしました。
まだまだ情報量は多くないのですが、3つのメディアのビデオ戦略の概要をまとめてみます。
The Scene / Condé Nast
コンデナストの新たなビデオプラットフォームは、「The Scene」。
『GQ』『VOGUE』『WIRED』などを発行するコンデナストは、すでに各雑誌のサイトでビデオコンテンツを作っていますが、The Sceneはこれらの異なるブランドの動画を集めた”ホーム”になるとのこと。
昨年、私たちは多くのウェブサイトやアプリでコンテンツ作りをすることに成功しましたが、ネットワークが広がり過ぎてしまったため”ホーム”を作ろうと決めたのです。
と、コンデナストの最高デジタル責任者 Fred Santarpia(フレッド・サンターピア)さん。
またこれらのオリジナル動画に加えて、パートナーであるABC NewsやBuzzfeedなどの動画もキュレーションするそう。The Sceneは2014年の夏にローンチ予定です。
The Daily Cut / Time Inc.
『TIME』や『People』を発行するTime Inc.がつくるビデオプラットフォームは、「The Daily Cut」。
コンデナスト同様、Time Inc.で扱うビデオをひとつに集めたサイトになるとのこと。Time Inc.はすでにニューヨークに3つ、アラバマに1つ製作スタジオを持っていますが、新たにロサンゼルスにもスタジオをつくり、番組の数をこれから拡大していく予定だそうです。
Signal / Wall Street Journal
Wall Street Journalが新たにつくるデジタルビデオマガジンは、「Signal」。
これは、「ショートビデオを取り入れたイマージブな体験ができるデジタルマガジン」。扱うビデオはWall Street Journalオリジナルのものだけでなく、ベテランから若手までを含めた映像監督の作品もあるとのこと。Condé NastやTime Inc.と違って、”digital video magazine”という言葉を使っているのも気になります。
公開時期は未定で、まだまだ発展段階にあるとのこと。しかしWall Street Journalは、このビデオ戦略に非常に大きな投資をしていると言います。ローンチが楽しみです。
あらためて、各メディアが動画コンテンツに力を入れている様子がわかるニュースでした。
なぜこんなに動画が流行っているかというと、やはり需要があり儲かるからでしょう。背景としては、スマホ・タブレットが普及して動画を見やすい環境が整ったことと、動画の広告費が増加していることが挙げられます。
『WIRED』の1年前の記事になりますが、このような調査結果があります。動画の消費量と広告費が、アメリカでともに増えていることがわかります。
調査会社のリポートによると、2012年にタブレットなどで視聴された動画の量は前年に比べて100%の増加。米国内のストリーミング動画コンテンツへの広告費は、前年比46%増の29億3,000万ドルに達したという。(WIRED)
日本でも東洋経済オンラインがビデオチャンネルを始めましたが、これをきっかけに、これから動画の波は来るのでしょうか。注目していきたい思います。
(via CAPITAL, CAPITAL, realscreen, Advertising Age, CAPITAL)