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国民投票法“改正”案審議入り――世論無視を許すな!

 憲法改正手続きを定める国民投票法改正案が4月10日、衆議院憲法審査会で審議入りした。自民党は連休入り前に衆院を通過させ、通常国会中に成立させる構えだ。

 同改正案は同法附則のいわゆる「三つの宿題」(選挙権年齢や成年年齢の引下げ、公務員の政治的行為の制限緩和、国民投票対象拡大の検討)に対し、国会が責任を放棄したに等しい。すなわち、(1)憲法改正国民投票の投票年齢を改正法施行後4年間は20歳以上とし、それ以降は自動的に18歳以上に引下げ。選挙権年齢等引下げについては施行後速やかに法制上の措置を講じる。(2)公務員の勧誘運動を容認する。組織的な勧誘運動企画等について検討条項を設ける。(3)国民投票制度の拡大について改めて検討条項を設ける。

 これに、共産党と社民党を除く与野党8党が合意し、衆院に議席のない新党改革を除く7党が4月8日に衆院に共同提出した。合意にあたっては別途、2年以内に選挙権年齢等の引下げを目指すこと等を記した「確認書」が交わされた。当初は各党間に温度差があったが、自公案にあった公務員の組織的勧誘運動禁止条項が削除されたことで民主党が乗り、逆にそれに反発していた日本維新の会も結局、共同提出に応じた。共産・社民に対しては、形式的に説明・意見聴取の場は設けられたが、反対を確認する儀式にすぎず、4月10日の審議入りも、議院運営委員会理事会と憲法審査会幹事懇談会で共産の反対を押し切って決められた(社民は委員なし)。

 憲法審査会は、本稿執筆時点で、同17日の質疑と22日(定例日外)の参考人質疑が決まっている。24日に質疑・採決し、25日までに衆院本会議を通す算段だ。解釈改憲の企みとその先の明文改憲の準備が正当性のないまま同時並行で進む。世論を無視し、議会制民主主義を形骸化させる暴挙をこのまま許してはならない。

(宇佐美昌伸・衆議院議員秘書、4月18日)

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