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もっと女性が活躍する社会に / 建設業も「5年で倍増」目指す

先日、最新の人口推計が総務省から発表された。総人口は前年に比べ21.7万人減少の約1億2730万人。3年連続の減少だ。その内容も、65歳以上の高齢者が初めて25%を超えた一方、15~64歳の生産年齢人口は減少が続き、32年振りに8000万人を下回る水準までになった。本格的な人口減少、高齢化社会の到来を改めて示す結果だ。

この結果に対し、生産年齢人口の減少によって社会経済活動を担う働き手不足が深刻化し、我が国の成長の妨げになることを懸念する声がある。「外国からの労働力をもっと受け入れるべき」といった意見も出るほどだ。しかし私は、外国からの労働力に頼らなくとも、まずは日本国内に内在する人材を活用することで、十分対応可能だと考えている。

建設業の分野でも、東京オリンピック・パラリンピックに伴う建設需要の拡大に対応するため、外国人技能実習生の在留期間延長や帰国後の再入国を、2020年度までの時限措置として認める緊急措置を決定した。しかしこれも、国内の人材を育成し、労働力として確保することが大前提だ。

そのためのカギは高齢者と女性だ。

まず高齢者。団塊の世代のほぼ全員が間もなく65歳以上になるが、65歳以上でもまだまだ働ける元気な高齢者は多い。働くことは生きがいにもつながる。70歳を古希と言うが、今は"希(まれ)"どころかまだまだ元気だ。70代でも雇用があり、「年金プラス10万円(堺屋太一氏)」となれば、生活は少しは楽になる。

そして女性。安倍内閣は女性が活躍できる社会を成長戦略の中核に位置付けている。子育て支援の充実などにより女性が活躍できる環境づくりをいっそう進めていかなければならない。

実際のデータを見ても、2012年12月を底にして労働力人口(就業者と失業者の合計)は増加に転じている。その増加要因は、アベノミクスが雇用を生み、女性と65歳以上の高齢者の就業が増えていることによるものだ。生産年齢人口減少というデータだけを見ていては実態はつかめない。

"男の職場"のイメージが強い建設業でも女性に活躍してもらうことが課題だ。女性が技術者、技能労働者として現場で活躍する機会は増えてはいる。しかし技能労働者(職人)として働く女性は約9万人。全体の約2.7%にとどまる。私もこの4月、建設業関係の5団体のトップを招き、官民あげて女性の技術者・技能者を5年以内に倍増させることを目標に設定した。女性が活躍できる職場づくりに向けた行動計画も夏までに策定する。トイレや更衣室の改善、子育てに配慮した勤務体系など、女性の活躍に向けて工夫できることは多い。官民一体となってしっかりと具体策をまとめていきたい。

昨年は、高速道路のサービスエリアや電車などの公共交通機関で、マタニティマークを付けることに取り組んだ。そして今年3月には、これまでバラバラだったベビーカーマークの統一や啓発ポスターの作成が実現した。女性が子育てしやすい社会環境をつくることは、女性の就業を支援することにつながる。女性が活躍する社会の実現に向けて、これからも手を打っていきたい。

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