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無料でモノが手に入るオークションサイト「Listia」

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スノーボードブーツの処分に困ったことがきっかけに

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Listiaの創業者はGee Chuang(写真左、以下チャン)氏とJames Fong(写真右、以下フォン)氏の両名だ。コーネル大学在学中に知り合った2人は、ともにシリコンバレーでエンジニアとして就職し、卒業後も親交がつづいていた。

起業のアイデアを生んだのは、フォン氏の使うあてのなくなったスノーボードブーツだ。フォン氏は、まだ5回ほどしか使っていないこの品を捨てるのはもったいないと思いeBayやCraigslistに出品したが、売れなかったという。

ブーツの状態は決して悪くない。無料でもよいから誰か引き取り手はいないものかと悩んだフォン氏は、当時、オンラインショッピングのプラットフォームを作る会社を立ち上げていたチャン氏に相談した。

2人は「不要になったモノを処分する方法」について議論する。そのうち、無料でモノをやり取りできるオークション型マーケットプレイスを思いついた。

「eBayのようなオークションサイトやCraigslistのような掲示板サイトは、無料でモノを譲るのには向いてないことに気がついたんだ。オークションサイトは掲載に手数料がかかるし、掲示板サイトでは希望者多数のときにどの人に商品を譲るか決めなくてはいけない」

「そこで思いついたのがサイト内だけで通用するクレジットを使うオークションサイトだったんだよ」(チャン氏)

クレジットを使ったオークションをすることによって、「その商品を一番欲しい人」を決めることができる。クレジットは自身の不要品をオークションに出した見返りとしてもらえるので、すべて無料で商品を取引することも可能だ。

だが、チャン氏とフォン氏はここで「卵が先か、ニワトリが先か」という問題にぶつかってしまう。商品を誰かが競り落とさなければクレジットは手に入らないのに、スタート時点では誰もクレジットを持っていないのだ。サイトをオープンしてユーザーが出品したところで、誰も商品に入札することができない。

これを解決するため、ユーザーにある程度のクレジットを持たせるしくみを考える。サイトにサインアップしただけで1000クレジット、友人を紹介したら500クレジットというように、ユーザーがアクションを起こすたびにクレジットを加算することで、サイト内でのアクティブな行動を促すことにしたのである。

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また、欲しいものがあるがどうしてもクレジットが足りないという人のために、クレジットを購入できる方法も導入した。なお現在のレートは5ドルで2700クレジット、10ドルで6000クレジット、20ドルで1万3000クレジットだ。

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オークションに参加するためにクレジットを購入したものの商品を競り落とせなかったなど、クレジットを使わなかった場合でも14日以内であれば全額返金できる。

購入可能な商品の幅も広がるため、クレジットを購入する人は少なくない。また、このクレジット販売がサイトの大きな収益源にもなる。

こうして2009年8月、Listiaがオープンする。「ユーザーをどのように増やすか」が課題だったが、チャン氏もフォン氏もシリコンバレーでのプログラマーとしての経験から、同業者たちのネットへの影響力を良く知っていた。

「Listiaの資金提供者であるY Combinatorの創始者であり、『伝説のハッカー』として知られるポール・グレアム氏に頭を下げて、彼の私物を提供してもらったんだ。ポール・グレアムのサイン入り著書を欲しくないハッカーなんていないからね」(フォン氏)

案の定、多くのハッカーたちが「ポール・グレアムグッズ」に惹かれてListiaに集まってきた。さらに提供された資金の一部を使って、テレビやヘッドフォンなど値の張る商品を自分たちで出品し、サイトの商品を充実させることも忘れなかった。

ソーシャルメディアでのシェアが宣伝に

Listiaのユーザーが口コミで順調に増えていったのは、サイトや商品の充実はもちろんのこと、ソーシャルメディアへの連携を大切にしたからだという。

オークションに出品したら、1人でも多くの人に自分の商品を見てもらって入札してもらいたいと思うのが普通だろう。Listiaではfacebookやtwitterで自分の商品をクリック1つで簡単にシェアできるのだが、これがかなりの効果をもたらしているという。

「ふつうだと、友人にモノを買ってもらうのは気が引ける。でも、ここでは品物は無料だから、出品者たちは『こんな品物を出しているよ』って積極的にソーシャルメディアでアピールしているんだ。無料って聞くと怪しいけど、実際に知っている人からの情報だからね、すごく宣伝効果があるんだよ」(フォン氏)

Listiaがオープンした2009年は、リーマンショックの影響で米国経済は不況にあえいでいた。人々はお金を節約することを求め、リサイクルに目を向けはじめた。そしてソーシャルメディアにも目を向けはじめた。起業するには最適の年ではなかったかもしれないが、Listiaはそんな時代の流れを乗りこなして成長してきたといえるだろう。

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