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「パーソナルデータに関する検討会」での議論に対する意見書

2014年4月24日


「パーソナルデータに関する検討会」での議論に対する意見書


一般社団法人新経済連盟


「パーソナルデータに関する検討会」での議論に対しては、昨年11月22日に検討会の場で意見をプレゼンさせていただきました。前回(本年4月17日)の会議で制度設計の骨格になる案が検討会より提示されたので、現時点での当連盟の意見を取り急ぎ提出します。なお、今回の意見はあくまで前回の資料をもとに基本的な視点に係る意見等を提出したものであり、引き続き議論の進捗等にあわせて詳細論点に対する意見を含め追加で意見を提出していきます。



1.基本的な方向性
(1)保護と利活用の調和
先般閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言」では、データの利活用がイノベーションを生むことが明確に言及されており、今回の制度見直しにおいても、パーソナルデータの利活用に関する経済的・社会的意義を積極的に位置づけ、利活用の推進とプライバシー保護の調和を図ることが基本理念であることを再認識すべきである。その旨法制度上も目的としてきちんと明確化すべきである。見直し内容が適切かどうかはその視点から検証されていくべきである。なお、経済的・社会的意義の国民向け啓発もあわせて非常に重要と考える。

(2)技術革新に伴う環境変化に対する柔軟性
現状の技術革新を考慮すると、今回の制度見直しですべての可能性に対して手当てするのは、非常に困難である。IT分野は技術革新の速い分野であり、不断の見直しが必要であることを考慮すると、法制度自体は柔軟に対応できるものとすべきである。

2.個別論点について
(1)「グレーゾーンの拡大への対応」という論点
グレーゾーンに関する情報が保護されるべきか否かは、仮に今回の改正がなされてもすべてクリアになるわけではなく最終的には民法の規律に基づき裁判で判断されるものである。その意味で、個人情報保護法の個人情報の範囲を拡大することがグレー状態の解消につながるとの論理は再考すべきである。このような論理により、事業者に過度の負担を生じさせ、かえって意図していたデータ移転・流通が促進されなくなるといった事態は避けるべきである。

(2)「準個人情報」のカテゴリーを設けることについて
今回、「準個人情報」という概念をつくるとの提案が出ているが、それ自体では特定個人が識別されないものを準個人情報として規律する必要性、その具体的範囲、規制の方法等については慎重に検討する必要がある。準個人情報として、今3種類のものが例示として提案されているが、移動履歴・購買履歴等と他のものは性格が明らかに異なるなどその外延や性格が明確でない。少なくとも移動履歴、購買履歴等を対象とすべきではない。

(3)個人特定性低減データについて
パーソナルデータの利活用は、今回の提案では個人特定性低減データの「低減方法」の内容次第で大きく変わるということになる。しかし、特定個人が識別されていない準個人情報についてまでもデータ移転の際にすべて低減の必要性があるとすれば実質的に個人情報と同レベルの規律が課せられることになり保護と利用のバランスの観点から疑問である。また、データ加工の制約を大きくしすぎることでデータのビジネス上の有用性が失われることになるとしたら、それは本末転倒である。

一部の悪質な事業者のために全うな事業者の負担が過度に重くならないよう、利活用と保護とのバランスをしっかりととることが必要である。また、加工方法等も一定の方法のみを法令で決めるのではなく、技術革新や事業者の創意工夫を妨げない規定を考えるべきである。
以上

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