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IT復興円卓会議ニコ生「行政」-4/4

IT復興円卓会議ニコ生 第一回「行政」、総務省 谷脇さん/内閣府瀬戸さん/経産省 境さん/佐々木俊尚さん/池田信夫さん/中村伊知哉の続きです。
http://bit.ly/q31dy2
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中村;スマートグリットの可能性は?

境さん;3.11の前と後はイメージが違う。前は、かっちりしたイメージだったが、3.11後のイメージは、本体はリモートスイッチみたいなもので、ネット上にあるデータをベースに需要家自らがうまく状況に合わせて節電したりするイメージだと思う。その方が現実的だ。

谷脇さん;スマートメーターを各家庭につけることだが、いわゆる「見える化」について十分理解されていない面があったが、今回の東電管内での節電や電力消費量に関する「見える化」などの取組によって、広く理解が深まったと思う。スマートメーターの二つ目の効果はデマンドレスポンス。需給が逼迫した際には自動的にエアコンの温度をあげたり、時間帯によって電気料金をきめ細かく上げる等ができるので、節電効果を高めることが期待される。三つめの効果はマイクログリット。一定規模のコミュニティの中で再生可能エネルギーを発電して相互融通で使い、足りない部分を系統電源から供給してもらう。インターネットのP2Pのような電力をコミュニティ内で相互融通する仕組みを実現することも可能になってくる。
境さん;ただ、マイクログリッドは電気事業が元々持っていた基礎イメージが変わることに注意が要る。むしろ、現在の各地域電力態勢は残しつつ、適宜、地域の主導で地域電気事業を組み合わせるようなイメージだろうか。
池田さん;電力自由化と絡んでいる問題。メーターにしても東電のメーターなのか、僕の発電会社のメーターなのかということになるので、今からやるなら共通の基盤を作った方が良い。あまりスマートグリットのような大掛かりの話にしない方が良い。とりあえずスマートメーターだけ始めるというのはどうか?

中村;「基盤整備」の次に、情報の「生産・発信」の重要性も指摘されている。コンテンツ生産拠点を東北に整備せよとの意見もあった。海外への情報発信を強化することも重要。さらに「利用促進」もポイント。ぼくはこれが最重要だと考えている。1)教育・医療・行政などを含むクラウド会社の構築、2)情報リテラシーの向上や利用格差是正を含めたIT利用の環境整備などだ。

瀬戸さん;過疎で弁護士がいない、医者がいないという状態も多くあるのでITを使う。こどもたちの教科書や副読本も流された。クラウド化すると良い。もちろん現場のITリテラシーをみながら。

谷脇さん;今回の経験を踏まえて自治体クラウドを推進する必要がある。ある自治体では戸籍データを電子化していたが、これを蓄積していたサーバそのものが津波で流されて、行政サービスがすぐに再開できなかったという例もある。カルテやお薬手帳も重要で、紙ではなく、電子化・クラウド化して遠隔地に保存していればもっと早く薬がもらえたり、的確な医療サービスを受けられただろう。

中村;どれも前から言われていたことだが、震災の影響で前に進む可能性があるということか。

谷脇さん;震災前から推進すべきということを言ってきていたが、震災の経験を踏まえて、こういった施策の推進の必要性が図らずも浮き彫りとなったということではないか。他方、こうした情報化を進めて行くうえではさまざまな規制がある。例えば今回は厚生労働省が臨時の措置として遠隔医療を認めている。医師法では基本的に遠隔医療は一部の例外を除き認められていないが、今回の経験を踏まえて、より広範に遠隔医療を実現していかなければならない。
佐々木さん;お年寄りが使えないじゃないかといわれているが、一部の人が言っているまやかし。実証されている。クラウドはセキュリティが危ないとよくいわれるが、逆にセキュリティが高い。いろいろな思い込みや恣意的な誘導が今回壊れたイメージ。ツイッターも2月くらいまで朝日新聞の人も暇つぶしだと言っていたが、震災の日に連絡がとれて見直されている。今回、壁が崩れている。行政が後押ししてくれることを期待している。

境さん;政策や規制ではなく、運動だと思っている。行政がしくみをどう作るかだけではなく、行政も含めてみんなで「使おうよ」と運動することが大事。

中村;ITの分野でかけなければならないお金はどのくらい?

谷脇さん;情報通信総合研究所の試算だと、情報通信関係のインフラで損壊したのは2.5兆円。2.5兆円の復興投資によって追加的に産み出される経済効果が1.6兆円と推計されている。また、ITは雇用を失うと言われているが、この試算では雇用創出効果は全産業平均より高い。

池田さん;すぐお金の話になるが、特区もよいのでは?電波特区、著作権特区という風に政府は個々から手を引きますよという話をするにはお金はかからないのでやれば良いと思う。

中村;規制緩和で産業を集めることでそこに金を集めさせるということか。ここで再び視聴者からの質問、「被災地に太陽光発電、無線LANの整備を拡充させてはどうか?」

境さん;いいかもしれないですね。系統から独立した発電を通信ノードに組み合わせるのは個人的だが良いと思う。

谷脇さん;ソーラーバッテリーと、無線LANと蓄電池を組み合わせたものを開発中の会社があるが、こうした設備が備えられることは良いことだと思う。

池田さん;役所は、お金を使うことばかりではなく、無駄なことをやらないようにしよう。財源においては周波数オークションなど見直そう。

佐々木さん;2000年からITと言ってきたが、震災が起きてどう変わるのかというところに若干の期待をしている。政治主導の問題が大きく不透明な状況だと思う。目の前でできることはたくさんあるので、霞ヶ関でやるとか民でやる個人でやるとか分けるのではなく、協力してやれることはやろう。境さんがおっしゃった Googleみたいな。

中村;次回はメディアをテーマに復興策を考えます。ありがとうございました。

(この回おわり)

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