記事

IT復興円卓会議ニコ生「行政」-1/4

IT復興円卓会議。IT復興策のニコニコ生放送を6回シリーズでお届けすることになりました。
http://bit.ly/q31dy2

7月29日が第一回。ぼくが代表を務める社団法人 融合研究所@赤坂から、「行政」をテーマに総務省 谷脇さん/内閣府被災者生活支援 瀬戸さん/経産省 境さん/佐々木俊尚さん/池田信夫さんというメンバーで話しました。
その模様をKMD竹内愛さん(復興アイちゃん)がログってくれたので、4回に分けて記しておきます。
(今後、IT復興円卓会議の模様を月曜シリーズでお届けします。)

-------------------------------

中村:第一回と言いましたが、実は2回目。地震から一月後の4月13日に慶應の三田キャンパスで同名のイベントを行いました。政治・行政、産業界、NPO、メディア、学界など50名が集まって議論。
まとめた提言を政府に提出したり、民主党の政調に持って行ったりしました。提言は3点。
・ITの基盤を整備すること
・情報を生産し世界に発信すること
・情報リテラシーを高め利用を促進すること
それから3ヶ月。事態は好転するどころか混迷を増しています。振り返ってみます。

 被災地に行って撮ってきた写真をスタジオに飾ってあります。がれきの山。これを片付けるだけでも途方にくれる。そして原発の事故。ダブルで世界中に衝撃を与えました。今も津波・原発で避難生活を送っている人がたくさんいます。

 政府はどうだったか。経済産業省は西山さんは情報発信をしていたが、それは十分だったのか。そして菅さんのリーダーシップが問われています。芸術とも思える粘り腰を発揮しています。6月末の両院議員総会でもいつ辞めるのかの問いが与党から上がっていました。松本復興相の騒動もありました。政府のガバナンスの問題です。7月13日に菅さんは「脱原発」を宣言。しかし2日後には「あれは個人の意見」と発言。前代未聞です。

 一方、政府は仕事もしています。報道によれば、官僚主導で
・復興復旧の総額23兆円
・13兆円を2015年度までに計上
・原資として歳出削減3兆円
・法人・所得増税と税外収入で10兆円
・復興特区を導入
という内容の「復興基本方針」がまとまりそうだとのことです。

 今日のテーマは「行政」。次回以降、2「メディア」、3「通信」、4「ソーシャル」、5「NPO・社会貢献」、6「総括」を予定しています。最後は政治への提言も行いたい。

中村:今の政治の情勢や現状をどう見る?

佐々木さん:いろんなことやっていて成果は出ていると思うが、ブランドデザインが一度も提示されていないのが一番問題。行政は目の前にある仕事を片付けていく。政治はブランドデザインを提示すべき。わかりやすい政策を五月雨式に出しても一体何がやりたいのか分からない。メディアも問題で福島の原発よりも復興が大事なのに原発ばかり。あとは政局の話で、被災地がどうなっているのか分からない状況はヤバい。

池田さん:先週、霞ヶ関の人と話したが、どうしていいのか分からない状態だった。役所は政府が方針を出してくれたら動けるが、政局が定まらないのでその話ばかりになる。阪神大震災は役所に丸投げで良い結果。今回は政治指導で役所を邪魔をしている印象。

中村:ここで視聴者にアンケートを取ってみよう。「被災地に行ったことあるか、ないか?」
→ ある 11.8%   ない 88.2%

中村:政府担当者は被災地に入り込んで仕事をしているが、それぞれどんな政策を?

瀬戸さん:被災者生活支援チームで震災1週間後から7月中旬まで活動していた。各省から130名くらい集まって、体育館で24時間体制で活動。物資の支援、交通、医療、自衛隊など。ホットラインを設けて各県とやりとりを行っていた。

谷脇さん:総務省で情報通信のインフラを担当。「情報がライフラインだった」と被災地の多くの方から言われた。燃料が乏しい中で家族を探して避難所を回ったが避難者名簿のデジタル化・ネットワーク化ができておらず、大変な苦労。物資の需給マッチングなど大変。阪神淡路大震災の時は、携帯電話が普及し始めた段階だったので通じたが、固定電話は通じなかった。携帯は今回は普及していたものの通じなかった。こうした反省を政策に生かしたい。

境さん:入省時は電力担当だったが、今は違う。(西山さんはどうしてるの?)西山さんはテレビで見る方が多い。自分は電力消費量のデータの開示くらいしかできなかったので、反省している。

中村:いま最大の課題は何?原発のせいで被災地支援の初動が身動きとれなかったということもあるのでは?

瀬戸さん:被災地支援では物資の支援と道路の整備とやることが明確だったのでスムーズだった。今後の課題は、被災地に仕事を確保すること。高齢者の孤独死。仮設住宅は、かつてのコミュニティから離れて入っているのでコミュニケーションがとりづらい。子どもの心のケアも重要。

谷脇さん:今回の震災の特徴として被害が広域にわたっている点が挙げられる。地震に対する対策はかなり講じられていたものの、津波は想定の範囲を超えた規模だった。発災直後においては衛星回線が役に立った。日本における災害対策は基礎自治体が主になっているが、今回は自治体機能そのものが失われてしまった。自治体機能の再立ち上げのためには、行政情報のバックアップが必要であり、そのためにもクラウドコンピューティングが有効だという点が明らかになった。また、非常時の法律の運用の在り方として、個人情報保護法の運用が障害となる場合があったと聞く。

境さん:現地で職が回るように産業基盤をつくる。電力需要をどうするかが長期にわたって重要。産業も傷ついたし、行政も傷つき、混乱している。うまく連携しながら東北の機能を復活させていきたい。

中村:省内で原発問題はどうとらえられているの?

境さん:電力に関わった経験があるかどうかでとらえ方が違う。関わった人は、自分がどうにか出来たかもしれないと反省しているかもしれない。関わってないひとは違う会社の出来事のように思っているかも。

中村:原子力安全保安院の分離は?

境さん:有りだと思う。個人としては新体制を考えて行かなくてはならないと思う。

佐々木さん:電力使用のオープン化について役所の方で乗り越えなければならない壁はあったのか?

境さん:東京電力に公開しろとあの段階で言えるのかどうか?と考えた。修羅場なので、普通に事業者に言っても難しいだろうと。だが、情報をオープン化して、みんなでいじりながら便利な方法を探すしか無い。

佐々木さん:役所はどういう立場なの?

境さん:「お願い」です。経団連に生活に必要な情報をオープンにしてと、「お願い」した。

中村:権力関係ではなく?

境さん:権力関係はない(特に商務情報政策局としては電気事業法を所管しているわけではない)ので、あくまでお願いです。東電は初めは混乱していたが、できることはやろうと気持ちの切り替えは早かったように感じている。

(つづく)

トピックス

ランキング

  1. 1

    北方領土の交渉で日米同盟に危機

    天木直人

  2. 2

    「少年院出身アイドル」の破壊力

    松田健次

  3. 3

    経済不振で日本叩きを始める韓国

    WEDGE Infinity

  4. 4

    北方2島返還で日本は多くを失う

    木走正水(きばしりまさみず)

  5. 5

    北朝鮮の高官が日本に賠償要求

    ロイター

  6. 6

    石破氏 2島返還論は概念的に矛盾

    石破茂

  7. 7

    新型Mac miniは「いちいち快適」

    常見陽平

  8. 8

    NZ航空の低レベルサービスに驚き

    かさこ

  9. 9

    空自は低価格の中国機を導入せよ

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  10. 10

    BTS炎上 思想なき浅はかさが原因

    文春オンライン

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。