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高額兵器購入が日本の利益を損ねる 問題だらけの軍事調達

高額兵器購入が日本の利益を損ねる 問題だらけの軍事調達
http://japanese.china.org.cn/jp/txt/2014-04/17/content_32127007.htm

 これはディフェンスニュース(電子版)を引用した中国メディア、中国網日本語版(チャイナネット)」の記事で、ぼくのコメントも紹介されています。


 で、ぼくのコメントは
「24時間態勢での監視、メンテナンス、ちょっとしたアクシデントに対応するには5機は必要なのに、防衛省はなぜ高価で巨大なグローバルホークを3機だけ調達するのか?」

と、紹介されています。実際に3機を稼働させるのであれば、後段整備や故障を考えれば最低5機、できれば6機は必要でしょう。実際、アメリカ側は我が国に6機を買わせるように動いているようです。ただそれでも常に南西諸島空域に貼り付けるのは不可能です。
またグローバルホークの監視機能で十分なのかという話もあります。

 日本戦略研究フォーラムのグラント・ニューシャム上席研究員は、

 「防衛省は数機の無人機グローバルホークで日本の情報、監視、偵察の要求をほぼ満足できると考えているようだが、実際はそうではない。グローバルホークは役に立つが、万能ではない。別の装備も必要だ」


 また以下のようなぼくのコメントも紹介されています。
「実はこうしたことは中空・長航続時間無人機で対応できる。例えばイスラエルのIAI社が開発した無人機『ヘロン(Heron)』ならかなり割安な上、性能もいい」とし、「日本は米国の強襲水陸両用兵車AAVP7A1がふさわしいか検討すらしていない。その性能や維持費を理解せずにあたふたと購入した」

実は防衛省内部にもグローバルホークの導入に関しては疑問の声も多いようです。恐らくは首相のお友達のブレーンの思いつきでしょうが拙速です。何しろ評価予算を取る前から、中期防の別表で3機の調達が決定しています。議会軽視もいいとことです。

実際防衛省ではヘロンの導入に関しても検討しているようです。ヘロンに国産のセンサーやソフトを搭載し、沖縄本島に配備するという構想です。バカ思慮の足りない首相の決定だからグローバルホーク導入は覆せないが、それ以上の税金の無駄と自衛隊の弱体化は避けようということでしょう。

 
 ぼくのAAV7に関する意見にニューシャム氏は異議を唱えています。

「日本はAAVについての検査・測定を行ったと異議を唱える。日本にとって水陸両用車の開発は非常に重要で、絶対に必要でもあるが、まったく足りていないという」

これは氏の所属する日本戦略研究フォーラムの意向を反映したポジショントークでしょう。既に何度もお伝えしているように、これから行われるAAV7の評価試験は米国の言いなりになった結果でおざなりになり、しかも導入は試験前から決まっている出来レース、もっとはっきり言えば八百長です。これまた国会軽視も甚だしい。

また氏が主張している「水陸両用車の開発」は、三菱重工が計画しています。最近のジェーンズ・ディフェンス・ウィークリー誌でも紹介されていますが、同社は既に装軌式の水陸両用装甲車の試作をつくりました。ですがこれが橋にも棒にもならない、残念なものでした。ですからAAV7導入となったわけです。
ですが、同社は米国が開発を諦めたEFVのような新世代の水陸両用装甲車の開発に意欲を示しておりますが、完成までには15~20年ほど掛かりそうということです。

また米国が開発できなかったような高性能なものが果たして開発可能か。また国内であれば
調達数が限られてくるでしょう。恐らくは調達単価は20億円以上になるのではないでしょうか。

防衛省は同社とロッキード・マーチンを組ませようという構想もあるようです。

しかも取り敢えず使える「旧式化した」AAV7を新造で調達するわけですから、その頃になってまだ使えるAAV7を用途廃止にして、新しい水陸両用装甲車をあえて導入するでしょうか。

そんなカネがあれば空挺装甲車やATV、ヘリなんぞに投資すべきだと思います。

同氏は、
「日本の国防調達には適当な装備さえ集めれば、日本は完璧な防御が可能だという一種の信念がある」

と指摘しています。これはその通りで、ぼくも常日頃指摘していることです。日本の政治家やメディアは高邁な安全保障やオスプレイ配備などの政治的な動きばかり追って、自衛隊の装備体系をどうするか、とか調達の優先順位、装備の稼働率、費用対効果などに対しては殆ど知りませんし、報道もしません。専門の記者には深い知識を持ってらっしゃる方もおられるのですが、その知見が記事になりません。

また同氏は以下のようにも述べています。

「F-15戦闘機のアップグレードをしていないからだ。この任務を遂行するには数十機のF-35では不足だ」とした上で、「日本の空対空ミサイルは『二流』で、作戦通信も戦術通信も米軍との通信を含め『間に合せで使っている』

F-15Jの近代化改修機については米軍のF-15Cの近代化に較べて不十分です。また空自の未改修機は米軍と共同作戦を取れません。それは米軍がデータリンクを登載していない機体が戦闘空域に入ることを拒否するからです。これは以前某元空将も仰っておりました。
未改修機に対してもせめてデータリンク機能を付加すべきです。



NEXT MEDIA "Japan In-Depth"[ジャパン・インデプス]に以下の記事を寄稿しております。

<防衛産業も営利企業>政府は防衛産業の持続可能な利益確保の必要性を国民に説明すべき
http://japan-indepth.jp/?p=5052

<武器禁輸緩和>安倍政権は「防衛装備生産基盤の危機回避」という本意を国民に説明せよ
http://japan-indepth.jp/?p=5014

<200億円の海自P-1哨戒機>性能も怪しい高コスト機の開発ではなく現有機の近代化を
http://japan-indepth.jp/?p=4818

朝日新聞のWEBRONZA+に以下の記事を寄稿しました
ロシアとウクライナが簡単に刀を抜けない理由
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014041500002.html

知られざる日本発のクールジャパン的ヒット商品「エア・ソフト・ガン」はなぜ市場を失いつつあるのか?
http://astand.asahi.com/magazine/wrpolitics/2014032400011.html

月刊ZAITENに「防衛産業はやりたい放題」を寄稿しました。

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