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New Education Expo 公開授業

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New Education Expo 2011。6月2〜4日に開催されました。

ぼくは初日冒頭、「デジタル教科書革命」と題し基調講演。デジタル教科書教材協議会が示した提言やビジョンなどをもとに、動向と展望を紹介しました。
教育の情報化は議論が絶えません。強力に推進する勢力がある一方、急速なデジタル化や教育環境の変化を不安視する教育現場や保護者の声もあります。これは教育情報化のイメージがまだぼんやりしているから。リアリティーが求められているのです。

リンク先を見るこのイベントでは、電子黒板やコンピュータなどの器具、デジタル化された教材コンテンツ、教室で使われるソフトウェア、教務の情報化向けツールなど、具体的な製品やサービスがふんだんに展示され、教育情報化の前線がリアルに共有されます。業界関係者だけでなく熱心な先生方もチェックしに来ています。

その場で行われた公開授業を見学してきました。
筑波大学附属小学校田中博史先生の算数・3年生。割り算の導入授業です。
生徒たちの後ろには、300人はいるでしょう、あふれんばかりの見学者。

電子黒板に4人の子どもの顔イラストが表示されています。
A君は困っていて、Bさんは笑っていて、Cさんは困っていて、D君は無表情。
アメ玉が12個ある。さあどう分ける。
生徒は、あれこれ試したり議論したりして、2個、5個、2個、3個、という線に落ち着きました。
続いて、ABCDみんなニコニコしているイラスト。
生徒を指名して、みんなの前で分けさせると、3個ずつ置いていく子もいれば、1個ずつ置いていって結果3個ずつになる子もいます。
これなら、黒板やマグネットでもできるけど、電子黒板だとアメを消したり繰り返し表示したりするのが簡単。


田中先生は指導案の中で次のように記述しています。
「ICTをもっと気軽に使う。
デジタル教科書、デジタル教材が普及し授業の準備も楽になってきた。(中略)準備が大変な割には1時間しか使えないような教材づくりをしていたのでは意味がない。さらに普及しなかった原因として、これまでコンピューターやデジタル教材を使うと、パソコンならではの活用法を必ず求められてきたという点もあげられる。黒板やチョークを使う授業で、黒板ならではの活用法を求めたことがないように、パソコンならではを求める発想からそろそろ脱却してみるといい。教師がもっと楽に授業の準備をするための活用法ならばICTはもっと広がると私は考えている。(略)不便なら黒板に戻ればいいし、不便さを感じなければデジタルでやったものは、劣化しないで保存されるから他の教員とも共有できる財産となる。来年も再来年も使える。(略)ネット時代にはこれが全国レベルで共有されるようになる。」
リアルかつ的確な指摘です。

ぼくが心を奪われたのは、アメを4人に等分した後のこと。
「では、これを計算でできるかな?」と先生。
生徒たちがノートに書いたものを前面で紹介し、賛否を問います。
ア 4×3
イ 3×4
ウ どっちもいい
エ どっちもだめ
さあ。すると生徒たちはワアワア手を挙げてディベートです。
「アがいい。4人がいて、それで3個ずつ。」「3個のアメを4人に分けるからイ。」「3×4だと最初から3個って解ってるってことじゃん。」「4×3だって最初から3個って解ってるから、どっちもだめ。」「4×1個を3回やるってことだから、ア。」
各陣営が大変な意見の応酬で。すると、後ろに座ってた300人の業界人や先生たちもザワザワと議論を始めました。
なるほど、この授業のヘソは電子黒板やデジタル教材でのわかりやすい視覚効果ではなくて、そこからスタートした、定まらない答えをみんなで考える、この時間なのですね。
授業全体の7割の時間がこのディベートに当てられています。


そのときぼくは、自分が小4のときの国語の授業を思い出していました。
「アリとキリギリス」。
お話を読んだ後で、キリギリスが大変なことになったのはなぜでしょう、という設問。
選択肢は2つ。
ア 食べ物がなくなったから。
イ 遊んでばかりいたから。
クラスを2分する激論となりました。
ぼくはイを主張したのですが、主張しきれません。
最後にはとっくみあいをして鼻血を出すヤツも現れる始末で。

最後におっとりした年配の女性担任がケリをつけました。
「どっちも正しいね。」
ウの選択肢がなかったのですな。
みんなで「それ早よ言うてくれ!」ってどなった40年前をハッキリ覚えてます。
大切な授業の思い出。

さて、目の前の公開授業では、アが優勢になり始めました。
が、おさまりがつきません。
すると先生、今度は別の子が書いた式を前で紹介。

□×4=12
なるほど、これで納得。
というところでチャイム。授業終了。
でも、その後に手を挙げた女の子が聞きました。
「先生としては、どれが正解だと思ってるの?」
場内、かなりザワつきました。そうだ、ぼくも尋ねたい。
デジタルは正解ばかり追い求めると言う田原総一朗さんの顔を思い浮かべながら。
先生の答え。
「自分でこれと思ったのがいいと思うよ。」

うむ。  いい授業でした。

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