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NHK技研公開2011

2/2
いわゆるアメリカのスマートTVがイメージするような、TV画面上に通信コンテンツが乗ってくるのとは違う アプローチです。

日本での事業展開を考えると、放送局が乗りやすいモデルであることが近道なので、TV画面を汚さずにマルチ・デバイス展開するこの形式は有望でしょう。
で、その技術はもうできている。

NHKのかたも「いつでもできますよ」とのこと。
ネックがあるとすればNHKの番組をネットで同時再送信することの制度的制約に引っかかるケースがあるかも、という点でしょうか。

同じコーナーで、同じコンテンツをTVで見たり、PCで見たり、ケータイで見たりしている人たちが、互いにコミュニケーションをとるソーシャルネットワークのサービスも提示していました。

ブロードバンド大国、モバイルネット大国たる日本だからこそ先行できるモデルかもしれません。
早くやりましょうよ。

無論、他のテーマも魅力的です。
フレキシブル有機ELディスプレイ、高精細カメラの真空管デバイス、高速無線伝送システム。

デバイスの研究開発も見せてもらいました。
このあたりもNHKが担ってきてるんですよね。
スーパーハイビジョンのデバイスのデモ、その高精細ぶりにはオッと声が出ます。

ただ、高精細はいくら進化しても感動は逓減するんですよね。
それよりも、そのコンテンツ製作コストや配信コストが劇的に下がりつつある、その動向のほうがイノベーションを生みそうです。

デバイス技術というより、コンテンツやネットワークに目が向かうわけです。
スーパーハイビジョン・ユビキタスの可能性。

コンテンツ、デバイス、ネットワーク。いずれも大きく相互乗り入れしています。

過去20年、15年、10年、5年と動いてきた地殻が改めて断裂を起こしています。
視座を広げなければいけないタイミング。

見学した日の午前中、総務省でぼくが座長を務めるコンテンツ創富力懇談会が開催されました。

立命館・細井教授が京都の「ロリータお茶会」についてプレゼン。ぼくも手伝ったイベントなんですが、懇談会の場で平岡副大臣や森田政務官らとロリータ写真を見まくったんです。コンテンツの外延にある、ファッションや食などの産業価値に注目し、コンテンツをいかに活用するかというのが論点。

そして東大・越塚教授がAR、サイネージ、ロボットとの結合技術をプレゼンしました。新技術が新コンテンツを生み、それが新技術を誘う、そのメカニズムについての議論です。コンテンツ視点での技術開発の重要性ですね。
ぼくもそう思うんです。

これまでのコンテンツ政策は、コンテンツ産業を発展させるのが主眼だったのですが、それはもう手詰まり。

コンテンツを活用して、経済全体を活性化することを考えましょう。
バーチャルなコンテンツと、リアルなものづくりとを結合した戦略が必要です。

そして、コンテンツからみた技術政策、インフラ政策もまた重要です。
視座を広げなければいけない。

通信・放送融合議論や地デジ論議が巻き起こったのが20年前。
通信回線や放送網を情報通信インフラやネットワークとまとめて称するようになったのもそのころ。

テレビ受像器や電話機やコンピュータをひっくるめて端末と見るようになったのもそのころ。

放送番組や映画や書籍などをひっくるめてコンテンツという言葉が生まれてきたのもその少し後。

そろそろ、コンテンツやらデバイスやらネットワークやらといった枠組も見直しの時期に入ったのかも。
技研は、そんなことを考えさせてくれました。

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